「日本から海外の動画配信サービスを利用したい」「海外のサイトを見たいのに日本のサイトに繋がってしまう」など、地域制限のあるコンテンツを利用したいときはVPNがおすすめ。VPNを使うとIPアドレスの国を変更できます。
インターネット接続中は「IPアドレス」というネットワーク上の住所となる数字が割り当てられ、IPアドレスからユーザーの地域情報が判別されます。利用できる地域を制限(ジオブロック)しているサービスを利用したいときは、VPNに接続すれば好きな国のサーバーを選んで現地のIPアドレスを取得できる仕組みです。
とはいえ「どうやってVPN内でIPアドレスの国を変更するの?」と気になる人もいるはず。そこで今回は、「VPNでの国の変更方法」について徹底解説。実際にVPNアプリで国を変更する手順をはじめ、IPアドレスの国を変更するメリットやできることなどを詳しくまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
VPNでIPアドレスの国を変更する方法
ここでは、VPNでIPアドレスの国を変更する方法を紹介します。今回は、人気VPN「NordVPN」を例に手順をまとめました。
手順①現在のIPアドレスを確認する
まずは、NordVPNの公式サイトで現在のIPアドレスを確認します。この時点ではまだVPNに接続していないため、日本のサーバーに繋がっていることが分かります。
手順②VPNアプリを開く
NordVPNのアプリを開き、VPN接続をします。接続ができたら左上のタブから「VPN(地球のようなマーク)」のアイコンを選択します。
手順③接続したいサーバー(国)を選ぶ
左に表示される国一覧から、接続したいサーバー(国)を選択します。今回は、「オーストラリア」に接続してみました。
上に「接続済み」と表示されたら、接続は完了です。
手順④再度IPアドレスを確認する
再度NordVPNの公式サイトにアクセスして、IPアドレスを確認します。VPNでサーバーを変更しているので、オーストラリアのIPアドレスが表示されました。これでIPアドレスの変更完了です。
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そもそもVPNでIPアドレスの国を変更するメリットとは?
さて、VPNでのIPアドレスの変更手順が分かったところで、次はVPNでIPアドレスの国を変えるメリットを紹介。「どんなことができるようになるの?」という疑問を解決します。
メリット①:ジオブロック(地域制限)を回避できる
IPアドレスとはインターネット上の住所のようなもので、WebサイトなどではIPアドレスからアクセスしている国を判断しています。日本からのアクセスと判断された場合は、自動で日本向けのコンテンツや日本語のテキストが表示される仕組みです。
そのため、IPアドレスを海外に設定すれば、IPアドレスが海外仕様に書き換えられるため、海外からインターネットを使っているのと同じ環境を作り出せます。
例えば、一部のWebサイト・サービスでは、「ジオロック」という地域制限がかかっていることがあります。そんなときにVPNを使えば、日本から海外限定サービスにアクセスしたり、逆に海外滞在中に「TVer」などの日本限定のサービスを利用できるのです。
メリット②:政府による検閲・監視を回避できる
インターネットを厳しく規制している国では、LINEなどのSNSの使用を禁止していたり、やり取りの内容を政府によって検閲されていたりすることがあります。出張や旅行などで海外に滞在したときに、インターネットが自由に使えないのは不便ですよね。
そんなときにVPNでIPアドレスを日本に変更することで、海外からでも普段通りにSNSやインターネットを使用できます。また、政府の検閲・監視も回避できるので、規制が厳しい国に滞在するときはぜひVPNを利用しましょう。
- 中国:監視・管理されたネットにしかアクセスできない
- ミャンマー:政府が承認したアプリしか使用できない
参考:世界のインターネットの自由度とVPN規制まとめ | NordVPN
メリット③:サービスを安く利用できる!しかし規約違反になるケースが多い
NetflixやApple Musicなどのストリーミングサービスは、国によって月額料金が異なります。そのため、IPアドレスを月額料金が安い国に変更し、節約をするという裏技的な行為をする人も一定数いるのが現実。
しかし、多くのストリーミングサービスでは、住居地を偽ってサービス利用するのは規約違反としています。万が一、IPアドレスを変更して安くサービスを利用していることがバレたら、アカウントの停止・本来支払わなければならなかった料金の請求など、ペナルティ対象になる可能性があることを留意しておきましょう。
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VPNの仕組みとIPアドレス変更の注意点
VPNを使用すると、自身のインターネットトラフィックがVPNサーバーを経由して暗号化されたトンネルを通過します。この過程で、実際のIPアドレスはVPNサーバーのIPアドレスに置き換えられます。
例えば、日本からアクセスしている場合でも、アメリカのVPNサーバーを経由すれば、ウェブサイトからはアメリカのIPアドレスからのアクセスとして認識されます。
しかし、このIPアドレスの変更に関して、いくつかの重要な注意点があります。
メリットの章で「規制が厳しい国に滞在するときはぜひVPNを利用しましょう。」と解説しましたが、国によってはVPNの使用自体を禁止していることがあります。最悪の場合、法律違反として罰金・刑罰を科せられたりすることも。
海外に滞在する際にVPNでIPアドレスを変更したい場合は、まずその国がVPNの使用を許可しているのかを確認しておくことが大切です。
また、VPNには有料と無料のサービスがあります。無料のVPNの中には、セキュリティレベルが低いものもあるので注意。特に、海外のWebサイトにアクセスする際は、不正アクセスやウイルス感染を防ぐためにセキュリティレベルに優れた有料VPNを使うのがおすすめです。
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またDNSリークの問題があります。VPNを使用していても、コンピューターがDNSクエリを直接インターネットサービスプロバイダー(ISP)に送信してしまう場合があります。この場合、アクセスしようとしているウェブサイトの情報がISPに漏洩してしまいます。IPアドレスの共有に関する問題もあり、多くのユーザーが同じVPNサーバーを使用する場合、そのIPアドレスは多数のユーザーで共有されることになります。その結果、一部のウェブサービスがVPNからのアクセスをブロックしたり、CAPTCHAの頻繁な表示を要求したりする場合があります。
他にも良くあるトラブルとして、IPアドレスの突然の変更がセキュリティフラグを引き起こす可能性があります。例えば、オンラインバンキングやECサイトなどのセキュリティに敏感なサービスでは、普段と異なるIPアドレスからのアクセスを不正アクセスの試みとして検知し、アカウントをロックする場合があります。
なおこれらの問題に対処ですが、DNSリーク対策としてはVPNプロバイダーが提供するDNSサーバーを使用するよう設定を確認します。また、重要なオンラインサービスを利用する際は、あらかじめVPN使用時の本人確認手順を確認しておくことをお勧めします。
最後に、VPNの接続が突然切断された場合のIPアドレス漏洩を防ぐため、キルスイッチ機能を有効にしておくことも重要です。この機能により、VPN接続が切断された場合にインターネット接続も自動的に遮断され、実際のIPアドレスが露出するリスクを軽減できます。
まとめ:VPNを使えばIPアドレスの国を変更できる!
- VPNを使えばIPアドレスの国を変更できる
- 地域限定のサービスを利用したり、政府の検閲を回避できる
- セキュリティレベルの高い有料VPNを使うのがベスト
今回は、VPNでIPアドレスの国を変更するメリットや方法について紹介しました。VPNで国を変えれば、海外限定のサービスに日本からアクセスしたり、逆に海外から日本限定のサービスにアクセスできたりします。ぜひこの記事を参考にして、VPNを最大限に活用してくださいね。
VPNの仕組みやメリット・デメリットなどの詳細は、関連の記事でまとめています。気になる方は是非参考にしてみてください。