自宅やオフィスにVPNを取り入れたはいいものの、「通信速度が遅い」とストレスを感じたことがある人はいるはず。せっかくVPNで通信のセキュリティを高めても、ダウンロードに時間がかかったり、サイトがなかなか開かなかったりするのは不便ですよね。
そこで今回は、VPNが遅い理由についてPicky’s編集部が徹底解説。それぞれの改善方法を一緒にまとめているので、VPNが遅いと感じたときはぜひ参考にしてみてください。
VPNの速度が遅い理由と対処方法
ここでは、VPNが遅い理由8つと対処方法を紹介します。自宅やオフィスのネットワーク環境を確認して、当てはまるものをチェックしてくださいね。
原因①VPNサーバーに負荷がかかりすぎている
近年は、在宅勤務の増加や動画配信サービスの普及によって、インターネットを利用する人が増えています。そのため、同じVPNサーバーに利用者が集中しているとVPNサーバーに負荷がかかりすぎて速度が遅くなることがあります。
また、動画や画像が多いページを開いていても、VPNがサイト閲覧の処理をする時間がかかるので通信速度が低下する可能性が高いです。
サーバーに負荷がかかりすぎている場合は、PCやiPhoneなどのデバイスの再起動をするのがおすすめ。デバイスの再起動をすることで、不具合が解消でき、速度が改善する場合があります。在宅勤務で時間に融通が効くなら、インターネットを利用する時間帯を変えてみるのもいいでしょう。
原因②パソコンやルーターの処理性能が落ちている
パソコン・ルーター・モデムは、使い続けるうちに処理性能が低下してしまいます。特に、パソコンは複数のブラウザを同時に起動したり、キャッシュが徐々に増えてきたりすると、メモリを圧迫されて処理速度に影響が出ます。
そのため、定期的にパソコンのキャッシュを削除したり、ルーター・モデムを再起動したりして、端末の負荷を軽くしておきましょう。どちらも比較的簡単にできる作業なので、普段からこまめに行っておくと安心ですよ。
原因③プロバイダ側の不具合やメンテナンス
特に原因がないのにVPNの速度が遅いときは、プロバイダ側で不具合が起きていたり、システムのメンテナンスを行っていたりする可能性があります。「いつもはサクサク動くのに急に通信速度が落ちた!」という場合は、VPNサービスの公式ホームページやSNSからプロバイダの状況をチェックしてみてください。
原因④ウイルス対策ソフトが影響している
パソコンにウイルス対策ソフトなどをインストールしている場合、定期スキャンによって一時的に速度が遅くなったり、ソフト自体の負荷が大きすぎてパソコンの処理性能が低下したりすることもあります。
対策としては、インターネットを利用しない時間帯に定期スキャンを行う設定にしておくこと。また、思い切ってウイルス対策ソフトを負荷が軽いものに変えるのも1つの手段です。
原因⑤MTU・MSSの設定が適切でない
MTUは1度に送信できるデータの最大値で、MSSは1度に受信できるデータの最大値のこと。MTUやMSSの数値は、VPNサーバー・デバイス・VPNルーター・回線などによってさまざまです。
設定されているMTUより大きなデータを送信しようとすると、データを分割して送信→分割されたデータを受信→データを元に戻す、といった作業が行われます。反対に、MSSより大きなデータを受信しようとするとエラー反応が出て、MSSに合ったデータサイズに分割されて再送されます。
上記のように、MTUとMSSの数値が調節されていないと、再送やデータ処理に時間がかかり、通信速度が低下するのです。
最も手軽な改善方法としては、VPNのMTUに合わせてVPNルーターのMTUとMSSの設定を調節すること。そうすることで、VPN接続時は設定以上のデータを送れないようにでき、再送やデータ処理といった速度低下の原因を解消できます。
原因⑥OSアップデートが行われている
VPNが遅い理由の1つに、パソコンのOSアップデート中であることが挙げられます。OSとは、WindowsやMacといったパソコンの基本システムのこと。アップデート中は大量のデータをダウンロードするため、通信速度が大きく低下する傾向があります。
仕事中にVPNが遅くなるのが嫌な人は、OSアップデートの時間帯を見直しておきましょう。深夜などの仕事をしない時間帯に設定しておけば、速度の低下に困る心配がありません。
原因⑦VPNサーバーまでの距離が遠い
インターネットを利用する場所のVPNサーバーの位置が離れすぎていると、通信速度は遅くなってしまうので注意。例えば、日本のオフィスでVPNを利用するのに、VPNサーバーがアメリカなどの離れた場所にあったら、どうしても通信が届くまでに時間がかかります。
VPNサーバーは世界中に配置されているため、なるべく居住地に近いものを選びましょう。VPNの速度が気になる場合は、1度接続しているサーバーをチェックしてみてくださいね。
原因⑧契約している回線・VPNがそもそも遅い
そもそも、契約しているインターネット回線やVPNの通信速度が遅いと、他のVPNが遅くなる原因と併発した場合に、通信速度が大幅に遅くなりやすいです。特に、無料のVPNは速度が遅いものが多いので注意。他の原因を改善しても速度が速くならない場合は、契約回線やVPNを見直しましょう。
ちなみに、インターネット回線の速度は、「Fast.com」などの無料サイトで測定できます。回線速度は、一般的に10~30Mbps程度あれば問題ないとされています。「これって遅いの?」と気になったら、ぜひ調べてみてください。
社内ネットワーク用なら有料のVPNを利用しよう!
VPNには無料のものと有料のものがありますが、オフィスで使うなら有料のVPNがおすすめ。無料VPNに比べると、通信速度が安定しているのが有料VPNのメリット。また、セキュリティやサポートが充実しているものが多く、安心して業務に取り組めます。
無料VPNには、使用可能なデータ量が制限されているものや、広告が表示されるものもあるため、業務にはちょっぴり使いづらい一面も。1度に多くの従業員が接続すると、通信速度が遅くなってしまう可能性も考えられます。
ちなみに、VPNはセキュリティレベルが高いほど安全性が高まりますが、その分価格が高くなったり、通信速度が低下してしまうので注意。業務内容や従業員の人数などに応じて、適切なセキュリティレベルを備えたVPNを選びましょう。
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VPNが遅いときの原因・対処方法のまとめ
- VPNが遅いときはパソコンやルーターに原因がある場合あり
- 契約しているネット回線やVPNの変更を検討してみるのも◎
- こまめにパソコンのキャッシュ削除や再起動を行うべし
この記事では、VPNの通信速度が遅いときの理由・対処方法をまとめました。VPNの速度低下には、パソコンやウイルス対策ソフトといったさまざまな原因が考えられます。ぜひ記事を参考にして、快適にインターネットを利用してください。