海外に旅行や仕事などで行った際に、日本のサイトやアプリが利用できないケースがあります。
その理由としては、配信物に関する著作権やライセンスの制約であったり、国ごとに配信できるコンテンツに対する法的な規制があるからです。
日本国内でしか使えないサービスとしては、NHKオンデマンド・TVer・dTV・U-NEXT・楽天TV・Paravi・Radiko・GYAO!・FOD・AbemaTV・Hulu Japanなどがあげられます。
これらのサイトは、本来日本国内からのアクセスのみに制限されていますが、VPNというサービスを利用すると海外からも利用出来るようになります。
VPNとはWeb上でのアクセスをより安全に保つためのツールで、インターネット上でのトラフィックを暗号化したり、自分の位置情報を認識させないようにすることが出来ます。
→VPN接続とは?仕組みをもっと詳しく知る
この記事では海外から日本のサイトを見る際のおすすめVPNの紹介と、実際にどうやってVPNを使って海外から日本のサイトを見るのかを解説していきます。
海外から日本のサイトを見る時のおすすめVPN
NordVPN
NordVPNは世界中のVPNサービスの中でも1,2を争う大手であり、サーバーは世界中に6300台・日本にも130台以上あります。性能面についても優れており、回線速度も速く海外コンテンツのブロック解除だけでなくプライバシー保護の面からもしっかりしたサービスとなっています。
すべてのプランに30日間の返金保証が付いており、一度に10台のデバイスまで保護可能で、月額料金は550円から利用することが出来ますので、コスパ面からも初心者が利用しやすい点も高評価のポイントです。
プランをアップグレードすることで、パスワード マネージャーや広告ブロッカーの機能を追加することもできます。
MillenVPN
MillenVPNは50ヶ国以上に1,300台を超えるサーバーを持つ日本のVPNサービスです。VPNは海外企業がほとんどですが、MillenVPNは日本企業なので、言語の壁がなく契約やサポートもスムーズです。Q&Aが日本語なので自分で事前に調べることも簡単なのは有難いです。
料金については月額396円からと比較的割安な価格帯になっており、月額プランだけでなく7日間プランや15日プランといった旅行の際に使いやすい料金体系がある点も高評価です。
公式サイトに日本のVOD対応表があるので、事前に日本のサービスが接続可能か知りたい人にもぴったりです。
ExpressVPN
ExpressVPNは海外の大手メディアForbesやCnetのレビューテストにおいても1位を獲得している世界的に人気のVPNサービスです。
サーバー数は世界一位を争っているNordVPNにこそ劣りますが、日本にもサーバーを東京・大阪・渋谷・横浜に持っており、日本のユーザー向けのサポートも他のサービスよりしっかりしています。
速度・セキュリティの強固さに加えて、アプリのUIが使いやすく、スマホで利用したい方にもおすすめしたいVPNです。全てのプランにおいてパスワードマネージャー・トラッカーブロック・広告ブロックが利用可能です。
月額料金が1000円近いため※、大手のVPNでも一番高いクラスになってしまいますが、性能的には最高レベルであり初心者にもアプリが使いやすい点でおすすめです。(サービス料金は$6.67~。1ドル150円で計算すると月額1000円~、1ドル130円で計算すると月額867円~)
ExpressVPNもNordVPNと同様に30日間の返金保証が付いているので、お試しでの利用がしやすくなっています。
海外から日本のサイトを見る方法
今回はExpressVPNを利用して実際に海外から日本のサーバーに接続して、そのあと日本のサイトを見てみます。
- ExpressVPNを使って日本のサイトにアクセスする手順
- STEP.1ExpressVPNに登録
まず、ExpressVPNの公式サイトにアクセスし、プランを選んでサービスに登録します。アカウント登録に必要な情報はメールアドレスと支払い方法となります。
- STEP.2ExpressVPNをダウンロード
アカウント登録後、対応するデバイスにExpressVPNアプリをダウンロードしてインストールします。ExpressVPNはWindows、Mac、iOS、Androidなど、さまざまなプラットフォームに対応しています。
- STEP.2ExpressVPNアプリの設定アプリをインストールしたら、ExpressVPNのアカウントにログインします。ログインが完了すると、アプリのホーム画面が表示されます。
- STEP.3日本のサーバーに接続アプリのホーム画面で、サーバーの選択ボタンをクリックします(スマホの場合は地域が書かれているスマートロケーションボタン)。これにより、ExpressVPNのサーバーリストが表示されます。
リストの中から自分の接続したい国・地域のサーバーを選択します。ExpressVPNには東京や横浜など、日本国内でも複数のサーバーオプションがあります。選択したサーバーに接続ボタンをクリックして、接続が確立されるのを待ちます。※サーバーを都度選ばなくても画面中央の接続ボタンを押せば自動でサーバーに接続することもできます。
- STEP.4日本のサイトにアクセス日本のサーバーに接続されると、IPアドレスが日本国内のものに変更されます。なお、スマホでVPNを利用している時には鍵アイコンが表示されるようになります。この状態になれば海外に居ても日本国内からアクセスしているのと同じ扱いになります。
- STEP.5VPN接続の確認実際に日本のサイトにアクセスできるかどうかを確認するため、例えば、地理的に制限されている日本の動画配信サービス(NHKオンデマンド、FOD、Netflix Japan、Hulu Japanなど)や、特定の日本のニュースサイトなどにアクセスしてみてください。※画面はNHKオンデマンド。登録画面に進めることが確認出来ました。
- STEP.6VPN接続の確認②もしあなたが今日本にいるなら、一度海外接続も試してみて下さい。例えばアメリカサーバーに接続後、Netflixにアクセスすると自動的にアメリカ版に接続できます。※日本のサーバーに切り替えたあとに同じページを訪問すると日本版に振り分けられることも確認出来ます。逆にアメリカのサーバーに接続した状態で、NHKオンデマンドに接続して会員登録に進もうとすると、エラー表示となります。
接続が不安定な場合
別の日本のサーバーに接続してみる。ExpressVPNは複数の日本国内サーバーを提供しているため、他のサーバーを試すことで接続の安定性が向上することがあります。
海外から日本のサイトにアクセスできない理由
海外から日本のサイトに接続できない大きな理由は2つあります。
一つ目はサイトの運営者が海外からのアクセスを禁止しているためです。これは主に配信物に関する著作権やライセンスの制約が大きく影響しています。
多くのコンテンツ(映画、ドラマ、音楽など)は、特定の地域でのみ配信するライセンス契約が結ばれています。そのため、ある映画が日本国内でのみ配信される権利を持つ場合、そのコンテンツは日本国外からアクセスできないように制限する必要があります。
他にはサービスの品質を維持するために、インフラやサーバーの配置、ネットワークの最適化など、技術的な理由で特定の地域に限定することや、サポート体制や言語の問題で制限している場合もあります。
二つ目の理由とてしては、国ごとに配信できるコンテンツに対する法的な規制があるからです。
各国には異なる法律や規制があり、特定のコンテンツがその国で合法でない場合や、配信に特別な許可が必要な場合があります。宗教的な内容や国家批判などが含まれる内容などをはじめとして、国ごとに規制する内容が異なります。
例えば中国では「グレートファイアウォール」として知られる検閲システムを通じて各種サイトやサービスの利用がブロックされています。
中国で禁止されているサービス例
- LINE
- YouTube
- X(Twitter)
- Wikipedia
- Dropbox
- ChatGPT
FAQ:VPNに関するよくある質問
VPNの利用は違法ですか?
いいえ、VPNの利用自体は違法ではありません。
コンピュータ上にVPNをダウンロードすること、プライバシー保護や位置偽装を目的として使用すること自体は違法ではありません。
ただしVPNが禁止・違法とされる国もあり、北朝鮮、ロシア、オマーン、ベラルーシ、トルクメニスタンなどの国が挙げられます。また、中国とイランでは政府によって認可されたVPNのみ利用可能と厳しい制限があります。
→VPNの違法性について詳しく知る
無料のVPNはどうですか?
無料のVPNサービスは危険が多いためあまりおすすめ出来ません。
無料VPNはセキュリティ上の脆弱性を抱えている場合が多く、せっかくVPNを使っているにも関わらず、プライバシー保護や安全性が確保されない場合があります。
また無料VPNの中には、ユーザーの閲覧データを収集して第三者に販売することで収益を上げており、これはプライバシーを保護するというVPNを使用する目的とは完全に逆の結果となっています。
最悪のケースとして、悪質な運営業者だった場合、データを盗まるだけでなくマルウェアを配布されたりする可能性もあります。
中国でVPNは使えますか?
中国でのVPN利用は規制されており、政府から許可されていないVPNの利用は違法となります。ただ現状では旅行者などが自身の娯楽のためだけに使う場合などで摘発された話は出ていないようです。
中国政府に対するネガティブな発信は勿論NGですが、許可されていないVPNを使って海外の仕事をすることは取り締まりの対象となる可能性があるので注意が必要です。