有料のセキュリティソフトは年間2,000円ほどで利用できる安いものから、1万円を超える高いものまで価格の幅があります。安いセキュリティソフトは搭載される機能は最低限ですが、ウイルスからパソコンを保護するだけなら十分なケースが多いです。
しかし、「安いセキュリティソフトで本当に大丈夫なの?」と不安な方も多いですよね。また、「そもそも安いソフトと高いソフトで何が違うの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、安いセキュリティソフトの中からおすすめなソフトをランキング形式で紹介。安いソフトと高いソフトの違いについても解説します。安いソフトでも大丈夫か不安に思っている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
安いセキュリティソフトと高いセキュリティソフトの違い
安いセキュリティソフトと高いセキュリティソフトの違いは価格だけではなく、機能や精度にも違いがあります。具体的にどんな違いがあるのか、どんな方に安いセキュリティソフトがおすすめか紹介します。
違い1:ウイルスの検出率・駆除率
安いセキュリティソフトは、基本的なウイルスやマルウェアの検出には対応していますが、最新の脅威や高度な攻撃に対する検出率が低い場合があります。また、誤検出が多い場合もあるのが実情です。
対して高いセキュリティソフトは、マルウェアを検出・削除するために使用するデータベースを迅速に更新して常に最新状態にすることで、より高い検出率と精度を持っています。高価なセキュリティソフトの中には、99.9%以上の検出率を達成しているものもあります。
違い2:高度なセキュリティ保護機能の充実度
高いセキュリティソフトは、VPN・個人情報漏洩チェックのような高度なセキュリティ保護機能が充実しています。
- VPN:インターネット上で匿名性を高め、地域制限のかかったコンテンツを利用できる
- 個人情報漏洩チェック:ネット上に個人情報が流出していないか確認する
例えば、個人情報漏洩チェック機能を使えば、ID・パスワードなどの個人情報がダークウェブやネット上で漏洩してもすぐに気付けます。個人情報の漏洩に気付くのが早ければ、被害を最小限に抑えられたり、被害の発生を阻止したりできます。
関連記事:VPNでセキュリティ強化ができる3つの理由!セキュリティソフトとの違いも解説
関連記事:VPNの匿名性を徹底解説!どんなプライバシーが守られ、何がバレるのか紹介
違い3:ウイルス対策以外の機能の充実度
高いセキュリティソフトは、ウイルス対策・セキュリティ対策以外の機能も充実しています。
- ペアレンタルコントロール:子どもがパソコン・スマホなどでインターネットを利用する際、サイトの閲覧・ダウンロードなどを制限する
- クラウドバックアップ:バックアップをクラウドストレージに作成してくれる
- パスワードマネージャー:パスワードを保存して自動で入力してくれる
例えば、ペアレンタルコントロールは子どものセキュリティ面以外でも、高額な買い物・アプリへの課金・ゲーム依存などさまざまなリスクの軽減に役立ちます。
Webの閲覧がメインで動作が軽い方がいいなら、安いソフトで十分
高価なセキュリティソフトの方が検出率が高い傾向がありますが、安いセキュリティソフトでも99%以上を達成しているものが多いです。高いセキュリティソフトでも完全にウイルスを防げるとは限らないので、安全なWebサイトの閲覧や単純な動作を繰り返すだけの作業のような、新規のウイルスに出会う可能性の低い用途なら安いソフトでも十分です。
また、高いセキュリティソフトの方が機能が充実していますが、VPNやペアレンタルコントロール、クラウドバックアップといった機能は、セキュリティソフトではない他のアプリでも代用可能。使いやすいアプリを見つけて使えるなら、高いセキュリティソフトを購入する必要はありません。
高いソフトは機能が充実している分、ソフトが動作するとパソコンの挙動が重くなるケースもあります。安いソフトはウイルスの検出・駆除のようなシンプルな機能しか搭載されていないので、動作が軽い場合が多いです。最低限の機能のみでいい方やパソコンが重くなるのが嫌な方は、安いセキュリティソフトを選ぶのがおすすめです。
編集部
安いセキュリティソフトの選び方
安いセキュリティソフトを選ぶときは、契約年数・使用台数・対応OS・第三者機関の評価・搭載機能をチェックするのが大切。具体的にどんなソフトを選べばいいかご紹介します。
何年単位で契約するのか考えて価格をチェック
コストを重視するなら、3年版・5年版のような長い契約期間で比較するのがおすすめ。短い期間での契約より1年あたりの価格が安くなり、1年契約の半額近い価格になることもあります。1年契約の価格が安くても、複数年で契約すると他のソフトより1年あたりの価格が高くなってしまうケースも。
また、セキュリティソフトは初回購入時に大幅に割引されるため、長期契約の方が割引される金額も大きくなります。安いソフトの長期契約の初回購入価格の相場は、1年あたり2,000~3,000円程度です。
1年版・3年版について、代表的なソフトの料金を初回購入時の価格(2024年7月時点)で比較してみたところ、下記のソフトがそれぞれ最安値でした。
- 1年版:アバスト プレミアム セキュリティ(2,980円)
- 3年版:アバスト プレミアム セキュリティ(4,940円、1年あたり約1,647円)
- 買い切り:ZERO ウイルスセキュリティ(2,970円)
買い切りタイプで有名なソフトの「ZERO ウイルスセキュリティ」もコストを抑えるのにぴったり。一度購入すれば、端末を買い替えない限り期間無制限で使用できます。
関連記事:Avastの無料版はどこまで使える?有料版との違いや評価・性能の差を比較&解説!
関連記事:更新0円のZEROウイルスセキュリティは本当に守れる?気になる評判やデメリットを解説
編集部
最低限の機能が搭載されているかチェック
安いセキュリティソフトは機能が少なめなので、最低限必要な機能が揃っているか必ずチェックしましょう。必要な機能はパソコンの使い方によって変わりますが、特に下記の機能は必須なケースが多いです。
- マルウェア対策:悪意のあるシステムを検出し保護する
- ファイアーウォール:外部からの攻撃を防ぎ、危険なサービスをブロックする
- 迷惑メール対策:不要なメール・スパムメールなどを指定したフォルダーに振り分ける
- フィッシング詐欺対策:フィッシング詐欺と思われるWebサイトをブロックする
- オンライン決済の保護:ID・パスワード・クレジットカード番号などの情報を暗号化して保護する
上記の機能は一般的に、安いセキュリティソフトにも搭載されていますが、オンライン決済の保護は含まれないことも多いため、必要な場合はよく確認しましょう。
関連記事:迷惑メール対策におすすめなセキュリティソフト3選!必要な機能・選び方も解説
使用できる台数をチェック
複数台の端末でセキュリティソフトを利用する予定なら、使用可能台数をチェックしましょう。使用可能台数が少ない場合は、台数分のソフトを購入しないといけません。1年あたりの料金が安くても、ソフトを複数購入すると結果として余分なコストがかかる可能性もあります。台数分購入したときの1台あたりの料金を比較しましょう。
5台・10台分のソフトを購入する場合、1台あたり年額1,000円以下で利用できるケースもありますよ。2台・3台の場合も、2,000~3,000円くらいで利用できます。例えば「マカフィー」はプレミアムプラン(1年版・6,500円)を自動更新で契約していれば、台数無制限で利用できるため、多くの端末でセキュリティ対策したい場合はかなり高コスパです。
Windowsのパソコン以外でも使いたいなら、対応OSをチェック
パソコンのOSのシェアはWindowsが7割以上と圧倒的に高いので、ウイルスもWindows向けに作られています。そのため、セキュリティソフトもWindowsでの使用を前提にされています。Mac・Android・iPhoneでセキュリティソフトを使用するなら、OSに対応しているか必ずチェックしましょう。
ただし、iPhoneはウイルススキャンができません。iPhoneでセキュリティソフトを使う場合は、使用できる機能が危険なサイトのブロック・Wi-Fiの安全性などに限定される点は留意しておきましょう。詳しくは以下の記事を参考にしてみてくださいね。
関連記事:iPhoneがウイルス感染したときの警告画面や事例を紹介!セキュリティソフトの必要性も解説
第三者機関での評価を受けているかチェック
セキュリティソフトを選ぶときは、必ず第三者機関の評価をチェックしましょう。下記のような第三者機関はウイルス検出率・動作の軽さなどさまざまな項目を調査するので、評価を受けている場合は購入前に性能を確認できます。
- AV-Comparatives
- AV-TEST
- SE Labs
- Virus Bulletin
安いソフトは高価なソフトに比べると性能が低めな傾向にありますが、第三者機関の評価を受けているソフトはそれだけで信頼性が上がります。というのも、第三者機関から結果が公表されるため、そもそも自信がないと第三者機関の評価を受けません。評価自体は高価なソフトより低くても、第三者機関の評価を受けている時点で良心的なソフトの可能性が高いです。
編集部
関連記事:セキュリティソフトの第三者評価機関とは?4つの有名評価機関の特徴を解説
安いセキュリティソフトおすすめ人気ランキング比較一覧表
商品 | 公式サイト | 料金 | 使用できる台数 | 搭載機能 | 対応OS | 第三者機関での評価 | |
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マカフィー | 公式サイト | McAfee+ウルティメイト(1年):8,500円・McAfee+プレミアム(1年):6,500円・トータルプロテクション(3年):12,000円 | McAfee+ウルティメイト:無制限・McAfee+プレミアム:無制限・トータルプロテクション:10台 | マルウェア対策・パスワード管理・ファイアーウォール・詐欺メッセージ対策・ウェブ保護・個人情報漏洩チェック・VPNなど | Windows・Mac・Android・iPhone・Chrome | 〇 | |
ノートン 360 | 公式サイト | スタンダード(1年版):4,780円・スタンダード(3年版):11,980円・スタンダード2台版:4,980円・デラックス(1年版):7,680円・デラックス(3年版):14,480円・プレミアム(1年版):7,980円・プレミアム(3年版):15,980円 | スタンダード:1台・スタンダード2台版:2台・デラックス:3台・プレミアム:5台 | マルウェア対策・クラウドバックアップ・VPNなど | Windows・Mac・Android・iPhone | 〇 | |
ZERO ウイルスセキュリティ | 公式サイト | 1台:2,970円・3台:5,480円・5台:7,980円(買い切り) | 1台・3台・5台(端末の変更不可) | マルウェア対策・ファイアーウォール・迷惑メール判定・フィッシング詐欺/ネット詐欺対策・リンクの安全性チェック・Wi-Fi安全性チェックなど | Windows・Mac・Android・iPhone | 〇 |
安いセキュリティソフトおすすめ人気ランキング3選
引用:mcafee.com
台数無制限で端末が多い方におすすめ、有名なマカフィーのソフト
複数の端末でセキュリティソフトを使いたい方におすすめ。McAfee+ウルティメイト・McAfee+プレミアムは台数無制限で利用でき、使用端末が多いほどお得です。
VPNやダークウェブの監視に対応など高機能なのがメリット。コストを抑えたいけど、セキュリティ性能も重視したい方に最適です。特にウルティメイトは、未使用のオンラインアカウントの削除や情報流出時のサポートなどサービスが充実しています。
トータルプロテクションは10台で使用でき、3年契約のプランがあるのが特徴。セキュリティ性能はMcAfee+プレミアムとほぼ同性能なので、端末が10台以下で長期間契約する予定の方におすすめです。
料金 | McAfee+ウルティメイト(1年):8,500円・McAfee+プレミアム(1年):6,500円・トータルプロテクション(3年):12,000円 |
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使用できる台数 | McAfee+ウルティメイト:無制限・McAfee+プレミアム:無制限・トータルプロテクション:10台 |
搭載機能 | マルウェア対策・パスワード管理・ファイアーウォール・詐欺メッセージ対策・ウェブ保護・個人情報漏洩チェック・VPNなど |
対応OS | Windows・Mac・Android・iPhone・Chrome |
第三者機関での評価 | 〇 |
関連記事:マカフィーは通知が多くて微妙?どんな人におすすめなのかデメリットや評判を解説
クラウドバックアップを使用できる、高機能なセキュリティソフト
高機能なセキュリティソフトを使いたい方におすすめ。デラックス・プレミアムのプランでは、ダークウェブのモニタリングを利用できます。また、複数の端末でソフトを使用できるので、コストも抑えられますよ。第三者機関でも好成績を獲得しています。
安価なスタンダードプランでも、VPNを使ってインターネットに安全に接続できるのも魅力。Windowsではクラウドバックアップを利用できます。写真やファイルをクラウドに保存して、データの損失を防げます。
購入から60日以内なら全額返金してもらえるのもポイント。パソコンが重くなったり、他のソフトとの相性が悪くて誤作動が起きたりした場合も安心です。
料金 | スタンダード(1年版):4,780円・スタンダード(3年版):11,980円・スタンダード2台版:4,980円・デラックス(1年版):7,680円・デラックス(3年版):14,480円・プレミアム(1年版):7,980円・プレミアム(3年版):15,980円 |
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使用できる台数 | スタンダード:1台・スタンダード2台版:2台・デラックス:3台・プレミアム:5台 |
搭載機能 | マルウェア対策・クラウドバックアップ・VPNなど |
対応OS | Windows・Mac・Android・iPhone |
第三者機関での評価 | 〇 |
関連記事:シェア率No1のノートン360はどんな人におすすめ?デメリットや評判を詳しく解説
買い切りタイプで更新料無料、更新の手間がかからない
とにかくコストを抑えたい方や、更新が面倒な方におすすめ。買い切りタイプで更新料がかからないので、長く使い続ければとてもお得です。
安すぎてセキュリティ性能が心配になる方も多いですが、第三者機関の審査を受けていて、優秀なスコアを獲得しています。特に軽さテストでは高スコアを記録。セキュリティソフトでパソコンが重くなるのを避けたい方にもおすすめです。
端末1台ごとの契約で、ソフトを使用する端末を変更できない点は要注意。パソコンを頻繁に買い替える場合はコスパが悪くなってしまいます。ただ、コスパが悪くなるといっても購入時の価格は安いので、1年程度使い続けるなら他のソフトと比べても十分低コストです。
料金 | 1台:2,970円・3台:5,480円・5台:7,980円(買い切り) |
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使用できる台数 | 1台・3台・5台(端末の変更不可) |
搭載機能 | マルウェア対策・ファイアーウォール・迷惑メール判定・フィッシング詐欺/ネット詐欺対策・リンクの安全性チェック・Wi-Fi安全性チェックなど |
対応OS | Windows・Mac・Android・iPhone |
第三者機関での評価 | 〇 |
おすすめ安いセキュリティソフトまとめ
安いセキュリティソフトでも、多くの方にとってウイルスの検出率・駆除率は十分な可能性が高いです。高価なソフトを使うよりも、セキュリティソフトを使い続けて常にセキュリティを強固にするのが大切。コストが気になる方には安いセキュリティソフトがおすすめです。
- 何年単位で契約するのか考えて価格をチェック
- 最低限の機能が搭載されているかチェック
- 使用できる台数をチェック
- Windowsのパソコン以外でも使いたいなら、対応OSをチェック
- 第三者機関での評価を受けているかチェック
以上のポイントを参考に、自分に合ったセキュリティソフトを選びましょう。