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ドイツの音響機器メーカーSennheiser(ゼンハイザー)から2022年5月12日に発売された「SPORT True Wireless」。ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン史上初となるスポーツモデルで、優れた防水性能やシーンごとに使い分けられる2種類のイヤーピースを備えているのが特徴です。
多くのスポーツマンから注目を集めるSPORT True Wirelessですが、「音質やつけ心地はどうなの?」「実際に使った人の感想を知りたい」という人は多いはず。また、新機能であるAWAREモード・FOCUSモードの感想も気になりますよね。
そこで今回は、Picky’s編集部がSPORT True Wirelessを実際に使用した感想を徹底的にレビュー!商品の良かったポイント・残念なポイントを本音でまとめました。SPORT True Wirelessの購入を迷っている人は、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
目次
Sennheiser(ゼンハイザー)SPORT True Wirelessのスペック・特徴
「Sennheiser(ゼンハイザー)」は、プロの音楽家などにも愛される有名音響機器メーカー。今回紹介する「SPORT True Wireless」は、ゼンハイザーでは初となるスポーツ向けのワイヤレスイヤホンです。
ゼンハイザーならではの透明感のあるサウンドを維持しつつも、スポーツ中の使用を想定したスペックと機能を備えています。まずはSPORT True Wirelessのスペックと特徴を簡単に紹介します。
Sennheiser(ゼンハイザー)SPORT True Wirelessのスペック
価格 | 19,250円 |
タイプ | 完全ワイヤレスイヤホン |
重量 | 6.6g×2(イヤホンのみ) |
ドライバーユニット | ダイナミック型 |
再生周波数 | 5Hz~21kHz |
接続方法 | ワイヤレス(Bluetooth) |
Bluetoothバージョン | Bluetooth5.2 |
対応コーデック | SBC/AAC/aptX |
防水・防塵性能 | IP54 |
最大再生時間 |
|
充電時間 | 約1.5時間 |
急速充電 | ○(10分で約1時間の音楽再生が可能) |
マイク | ○ |
カラーバリエーション | ブラックのみ |
SPORT True Wirelessの基本スペックは従来モデルのCX True Wireless(2021年7月発売)を踏襲。防塵・防滴性能はIP54に向上し、雨や汗、砂埃などからイヤホンを保護します。
急速充電にも対応しており、10分の充電で約1時間の音楽再生が可能です。CX Plus True Wireless(2021年9月発売)で対応していたaptX adaptiveには対応していません。
関連記事:[ゼンハイザー CX True Wireless 実写レビュー]1万円台で購入できる超高音質イヤホンを口コミ評価
関連記事:【本当に高音質?】CX Plus True Wirelessを本音レビュー!ノイキャン・使用感徹底調査
Sennheiser(ゼンハイザー)SPORT True Wirelessの特徴
- 上位機種と同じTrueResponseトランスデューサー搭載で高音質
- ノイズキャンセリング機能・外音取り込み機能は搭載なし(イヤーピースとサウンドモードで補完)
- 付属のイヤーフィンによる装着感の向上
- アプリからイコライザー調整やサウンドプリセットの設定が可能
SPORT True Wirelessは、ワークアウト用途に特化した完全ワイヤレスイヤホン。近年の定番であるノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能を搭載せず、代わりに2種類のイヤーピースとサウンドモード(FOCUSモード・AWAREモード)で聞こえ方を調整する「アダプタブルアコースティック」を採用しています。
Sennheiser(ゼンハイザー)SPORT True Wireless レビュー結果
今回は、音質・装着感・遮音性などの16項目を、Picky’s編集部が実際に使って検証しました。検証結果は以下の通りです。
サイズ・重さ | ○ |
デザイン | ◎ |
装着感 | ◎ |
音質(高音域) | ◎ |
音域(中音域) | ◎ |
音域(低音域) | ○ |
音域(立体感) | ○ |
マイク音質 | ◎ |
遮音性 | ◎ |
音漏れのなさ | ◎ |
防水・防塵性能 | ◎ |
充電速度 | ◎ |
付属品 | ◎ |
アプリの使いやすさ | ◎ |
アダプタブルアコースティック(FOCUSモード) | ◎ |
アダプタブルアコースティック(AWAREモード) | ◎ |
高評価だったポイント:まさにスポーツモデル!ワークアウトに役立つ便利機能が充実
- 汗をかいても大丈夫!優れた防水・防塵機能がスポーツには心強い
- イヤーチップとアプリ設定によってサウンドをカスタマイズできるのが面白い
- FOCUSモード・AWAREモードなど、ワークアウト向けの機能が多い
SPORT True Wirelessの魅力は、スポーツに適したイヤホンとして作られていること。IP54レベルの防水・防塵仕様やフィット感を高めるイヤーフィンの付属など、スポーツマンには嬉しい特徴が満載です。また、イヤーピースとサウンドモードを変更することで、音の聞こえ方を調整できるのも面白いと感じました。
微妙だったポイント:イヤーチップの付け替えはやや面倒、装着感は個人差あり
- イヤーチップを付け替えるのが少々面倒
- イヤホン本体がやや大きめ、検証時はなかなかフィットせずに苦戦した
SPORT True Wirelessは、イヤーチップを付け替えたりサウンドモードを変更することで、音の取り込み具合を調整できるのが特徴。革新的なシステムですが、毎回イヤーピースを付け替えるのは少し面倒かもしれません。またイヤホン本体がやや大きく、検証時は耳にフィットするまでに時間がかかってしまいました。
ゼンハイザー SPORT True Wirelessを買うべき人
- 普段からトレーニングを日課にしている人
- 音楽を聴きながら快適にトレーニングを楽しみたい人
- 汗っかきや屋外使用が中心で高い防水性能を求める人
- ノイズキャンセリングや外音取込機能の不自然な音が苦手な人
SPORT True Wirelessは、屋内・屋外のワークアウトに適したワイヤレスイヤホン。毎日の運動を日課にしている人や、音楽を聴きながらトレーニングを楽しみたい人にぴったりのイヤホンです。また、イヤーチップによる自然な遮音効果を備えているので、ノイズキャンセリング機能特有の機械的な音が苦手な人にもおすすめですよ。
ゼンハイザー SPORT True Wirelessをおすすめしない人
- 迫力重視で重低音をたっぷり楽しみたい人
- 高性能のノイズキャンセリング機能を求める人
- 軽くてコンパクトなイヤホンが欲しい人
SPORT True Wirelessは、他のイヤホンと比べると低音域が控えめ。身体に響くような重低音を求める人にはあまりおすすめできません。また、イヤホンの筐体がスクエア型でやや大きめなので、耳の小さい人や女性には装着しづらい可能性があります。
【実機で検証】ゼンハイザー SPORT True Wirelessを徹底レビュー
SPORT True Wirelessのセット内容
- イヤホン本体
- 充電ケース
- 充電ケーブル(USB Type-C)
- ケースストラップ
- イヤーピース 2種類×各3サイズ
- イヤーフィン ×4サイズ
SPORT True Wirelessは、とにかく付属品が充実しています。イヤーピースとイヤーフィンについては後ほど詳しくレビューしますが、「サイズのバリエーションが豊富」というのが第一印象。ケースストラップは、充電ケースに取り付けることで持ち歩きが楽になる便利なアイテムです。
ケースはコンパクトでおしゃれ!ロゴがゴールドなのが新しい
SPORT True Wirelessの充電ケースはCX True Wirelessと全く同じデザイン・サイズで、ブランドのロゴがシルバーからゴールドになっているのが唯一の違いです。個人の好みに左右される部分ですが、検証したスタッフからは「上品な雰囲気で好き」と高評価でした。
充電ケースとイヤホンの総重量は52gで、平均的な重さ。充電ケースは比較的コンパクトではあるものの、タイトなパンツのポケットなどに入れると違和感があります。カラーバリエーションは現時点でブラックのみで、選択肢がないのはやや残念なポイントでした。
中~高音メインのクリアなサウンド!低音域はやや控えめ
SPORT True Wirelessには、上位機種にも採用されているTrueResponseトランスデューサーを搭載。音の歪みを軽減した透明感のあるクリアなサウンドを再生してくれます。音質は、中音域と高音域が非常にくっきりとしていて、1つ1つの音の形が分かるような感覚を受けました。
ボーカルの声が近く感じられるので、音楽再生から映画鑑賞まで幅広く楽しめます。beatsやAirpodsに比べると若干低音域は弱いものの、落ち着きのある低音という印象で聴き心地は抜群。音の迫力よりも、繊細な表現力を味わいたい人におすすめです。
マイク音質も良好!通話しながらのウォーキングにも◎
今回は、SPORT True Wirelessのマイク音質も検証しました。通話音声は音楽再生時と同様に非常にクリアで、かなり快適に会話ができました。音はこもっておらず、周囲の雑音が目立つ様子もありません。友達と通話しながらのウォーキングにもピッタリですね。
マイクテストの音声は下記から試聴いただけます。
イヤーピースは2種類×3サイズ、装着感は個人差あり
SPORT True Wirelessには、オープンイヤーアダプターとクローズイヤーアダプターの2種類のイヤーピースを3サイズずつ付属しています。さすがはスポーツ向けイヤホン、適したサイズをつければ運動中も落ちる気配はまったくありません。ただ、検証時は装着のコツがなかなかつかめず、耳にフィットするまで時間がかかりました。
今回検証した男性スタッフと女性スタッフは、どちらもSサイズで何とかフィット。もちろん個人差はあるものの、他のイヤホンと比べるとサイズが大きく感じました。耳に合えば安定感は抜群ですが、つける人を選ぶかもしれません。
イヤーフィンは4サイズ展開、安定感が増して激しいスポーツにも便利
SPORT True Wirelessには、専用アクセサリーとして4サイズのイヤーフィンが付属しています。イヤホンに取り付けて使用し、イヤーフィンの突起が耳のくぼみにちょうどフィットする形になっています。イヤーフィンで固定すると安定感がさらに向上。ランニングやスケートボード、ダンスなどの激しい運動をするときに便利だと感じました。
AWAREモード×オープンイヤーアダプターはランニングなどの屋外向き
付属のオープンイヤーアダプターは、イヤホンの軸に0.4mmほどの孔が空いているのが特徴。周囲の音が聞こえやすく、外音取り込み機能のような効果を得られます。また、孔が身体から発生する振動を逃がすため、走っているときの足音や呼吸音が聞こえるのを軽減できます。
オープンイヤーアダプターは、低音域を強調したAWARE(認識)モードとセットで使用することでサウンドバランスが完成。音楽を楽しみつつ、周囲の状況を確認したいというシーンで役立ちますよ。
- ランニング・ウォーキング・スノーボードなど屋外でのワークアウトに
- 体から出る音(足音や呼吸音)を気にせずにスポーツを楽しみたいときに
- 通勤・通学中に電車のアナウンスなどを聞き逃したくないときに
FOCUSモード×クローズイヤーアダプターはジムなどの屋内トレーニング向け
低音を強調したAWAREモードに対して、FOCUSモードには通常時のチューニングが施されています。遮音性の高いクローズイヤーアダプターと組み合わせると、ノイズキャンセリングのように周囲の雑音をカットしつつ、ゼンハイザーらしいバランスの取れたサウンドを存分に楽しめます。
ほどよい遮音性がありつつも、ノイズキャンセリングで稀に感じる不自然な圧迫感がなく、耳なじみのいい聴き心地でした。音質はボーカル音メインで全体的に軽めな印象。屋内でのトレーニングや、集中力を高めたいときにおすすめのスタイルです。
- ジムトレーニングやヨガといった屋内のワークアウトに
- 自宅でのオンライントレーニングに
- 周囲のノイズを気にせずに音楽を楽しみたいときに
遮音性を重視するならクローズイヤーアダプターが最適!
静かな空間で音楽を聴きたいときは、遮音性の高いクローズドアダプターを使うのがおすすめ。さすがに上位機種のMOMENTUMシリーズには及ばないものの、音楽視聴を楽しむために十分な遮音性を実現してくれます。
関連記事:【実写レビュー】ゼンハイザー ワイヤレスイヤホン MOMENTUM True Wireless2 を徹底検証 & 口コミ評価!
音漏れはほぼなし!周りに人が多いときでも安心
SPORT True Wirelessは、周囲への音漏れがほとんどありません。試しに音量を最大にして音楽を再生してみると、他のスタッフが近付いても「全く音は聞こえない」とのこと。トレーニング中のジムや休憩中のカフェといった人が多い場所でも、周囲の迷惑を気にせずに音楽を楽しめるのは嬉しいですよね。
IP54レベルの防水・防塵仕様!汗をかいたときや雨の中も安心
SPORT True Wirelessは、IP54相当の防水・防塵性能を備えています。実際に水で濡らしてみても問題ありませんでした。トレーニングで汗をかいたり、屋外で雨に降られても安心ですね。
SPORT True Wirelessのステム(イヤーチップを取り付ける部分)には、水やほこりの侵入を防ぐための膜が張られています。グラウンドなどの砂ぼこりが舞う場所でも使用できるのは高ポイントです。
急速充電対応が嬉しい!10分の充電で約1時間再生できる
急速充電に対応しているSPORT True Wirelessは、10分の充電で約1時間の再生が可能です。実際に10分ほど充電してみると、10%から60%までバッテリーが回復しました。充電を忘れたときや急に出かけるときなどに、短い時間でバッテリーが充電できるのは有難いですね。
専用アプリも検証!メニューは見やすくて使い心地◎
専用アプリ「Sennheiser Smart Control」を使えば、SPORT True Wirelessの各機能のカスタマイズや設定ができます。特別機能が多いわけではありませんが、必要な機能は揃っていて使いやすいです。縦長のメニューで1つずつの項目が分かりやすく、初めて使う人でも簡単に使いこなせます。
- バッテリー残量の確認
- サウンドモードの変更
- イコライザー調整
- タッチコントロールの設定
- 側音レベルの調整
- プリセット設定
まず、AWAREモードとFOCUSモードがワンタッチで変更できるのは嬉しいポイント。バッテリー残量の表示はイヤホン本体のみで、充電ケースの残量が表示されません。ケース本体のLEDの色で判断できるとは言え、パーセンテージで確認できたらさらに便利だと感じました。
初期プリセットは6種類!自分好みのマイプリセットも設定可能
イコライザー設定で調整できるのは、バス・中・テレブルの3項目。加えてロック・ポップ・クラシカルといった6種類のプリセットが用意されており、曲のジャンルに合わせたサウンドに設定できます。マイプリセットの設定も可能です。
操作も簡単で、気軽に好みのサウンドを楽しめるのは嬉しいポイント。モチベーションを上げたいときやリラックスしたいときなど、シーンに合わせてカスタマイズできます。
総評:スポーツマンやアスリートは試して損なし!
SPORT True Wirelessは2種類のイヤーチップとFOCUSモード・AWAREモードを使い分けることで、遮音性や音質を調整できるのが他のイヤホンにはない魅力です。モードの切り替えにイヤーチップの交換が必要なのは手間といえば手間ですが、慣れてしまえば問題なし。
機械的で違和感のあるノイズキャンセリングや外音取り込みモードとは異なり、自然で聴きやすい音質が好印象でした。ランニングやトレーニングに集中しやすく、徹底的にスポーツ用途に最適化されているなというのが感想です。日々トレーニングやスポーツに励んでいる人はチェックして損はないはずですよ。
Sennheiser(ゼンハイザー)SPORT True Wirelessのよくある質問
SPORT True Wirelessはどこで購入できますか?
SPORT True Wirelessはワイヤレス充電できる?
その他おすすめのスポーツイヤホン
SPORT True Wireless以外にも、スポーツモデルのイヤホンは多数登場しています。ここからは、その中でも特におすすめの人気商品を紹介。ぜひSPORT True Wirelessと一緒にチェックしてみてくださいね。
おしゃれなスポーツモデル!iPhoneと相性抜群の「beats Powerbeats Pro」
アップルの傘下にあるオーディオメーカー「beats(ビーツ)」の耳掛け式完全ワイヤレスイヤホン。イヤーフックを耳に引っ掛けることで、イヤホンのズレや落下を防止できるのが特徴です。癖のないサウンドバランスで、低音までしっかりと楽しめますよ。
Apple H1ヘッドフォンチップを搭載しており、iOS製品との相性は抜群。iPhone・iPad・MacBookを近付けるだけで自動でペアリングを行ってくれます。豊富なカラーバリエーションとシンプルなデザインで、普段使いからワークアウトまで幅広く使えるのも嬉しいポイントですね。
丸洗いできる!優れた防滴性能を備えた「Audio Technica ATH-SPORT5TW」
人気オーディオメーカー「Audio Technica(オーディオテクニカ)」が展開するスポーツモデルの完全ワイヤレスイヤホン。IP55レベルの優れた防滴・防塵仕様を備えており、イヤホン本体を丸ごと水洗いできるのが特徴です。汗や砂ぼこりで汚れたときなどに、簡単にお手入れできて便利ですよね。
Freebit社が監修したイヤーフィンを付属しており、ワークアウト注意でも装着感は抜群です。また、スポーツウェアと相性のいい爽やかなカラーデザインも魅力的。さらに、充電ケース込みで最大36時間使える大容量バッテリーを備えているので、本格的なアウトドアや長時間のトレーニングにも使いやすいですよ。
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Sennheiser(ゼンハイザー)SPORT True Wirelessレビューまとめ
- SPORT True Wirelessはゼンハイザー初のスポーツ向けワイヤレスイヤホン
- イヤーピースの付け替えとモード変更によって音の聞こえ方をカスタマイズできる
- ゼンハイザーらしいクリアサウンドは健在!繊細な表現力を楽しめる
今回は、ゼンハイザーの話題の新商品「SPORT True Wireless」について紹介しました。従来モデルの魅力はそのままに、スポーツモデルならではのサウンドモードや装着感を実現しているのがSPORT True Wirelessの特徴。運動をしながら快適に音楽を楽しみたい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
Photo By 内田大貴