カフェや街中などで無料で提供されているフリーWi-Fi。出先で仕事や調べものをするときに便利ですが、実はフリーWi-Fiにはさまざまなリスクがあります。万が一知らずに使っていると、個人情報を盗まれたり、悪質なウイルスに感染したりすることも。
そこで注目したいのが、近年注目が高まっている「VPN」です。通信する情報を暗号化してくれるため、不正アクセスやウイルス攻撃などのリスクを軽減できます。とはいえ、「どうしてVPNを使うべきなの?」「VPNを使っていたら絶対に安全?」と、疑問を持つ人は多いですよね。
今回の記事では、フリーWi-Fiによる危険性やVPNを使うメリットなどをPicky’s編集部が詳しく解説。フリーWi-Fiを安全に使うための注意点もまとめているので、普段出先で仕事やSNSをすることが多い人はぜひチェックしておいてください。
目次
VPNなしでフリーWi-Fiを使う際の危険性・リスク
まずは、VPNに接続せずにフリーWi-Fiを使うことの危険性やリスクを解説します。出先のカフェやホテルなどでフリーWi-Fiを使うことがある人は、必ず目を通しておきましょう。
リスク①ネット上に流れるデータを盗聴され、解析・盗み見される
フリーWi-Fi利用時は、通信の情報が暗号化されないため、悪意を持った人にメールの内容やパスワードを覗き見されてしまう恐れがあります。こういった行為は「スニッフィング」と呼ばれ、サイバー攻撃の1種にあたります。
個人情報や、企業情報などを盗み見され、第三者に悪用される可能性があるため注意が必要。特に、パスワードやIDなどを入力してサービスにログインするような行為は、フリーWi-Fi利用時には避けるのがベターです。
リスク②不正アクセスやなりすまし被害にあうケースも
フリーWi-Fiの利用時は、個人情報の覗き見だけでなく、スマホやPCへの不正アクセスやなりすまし被害にあう可能性もあります。不正アクセスをされると、企業サイトの改ざん・情報漏洩・データ削除といった不利益が発生することも。
また、過去には、スマホに不正アクセスをされ、端末にあるSNSやメールのログイン情報を使って、身に覚えのないSNS投稿・他者への脅迫メール送信などのトラブルが起こったケースもあります。
プライベート・ビジネス問わず、フリーWi-Fiの利用はリスクが付きものだと思っておきましょう。
リスク③悪質なウイルスやマルウェアに感染させられる
フリーWi-Fiを利用することで、悪質なウイルスやマルウェアを送り込まれるリスクもあります。
マルウェアとは、悪質なソフトウェアの総称で、いくつか種類があります。
- ワーム:感染拡大が早く、データを破壊される
- スパイウェア:位置情報や個人情報を収集される
- ランサムウェア:データを人質に取られ金銭を要求される
- バックドア:デバイスへの不正侵入通路が作られる
マルウェアとウイルスが同じものとして捉えている人も多いですが、明確には意味は違います。マルウェアは悪意のあるソフトウェアの総称のことなので、ウイルスはマルウェアの1種と考えてOK。
ちなみにウイルスに感染すると、プログラムやデータファイル内で少しずつ増殖していき、意図と反する動作・圧倒的な通信速度の低下などが起こります。
フリーWi-Fiを利用する際にVPN接続が必要な理由
上記で解説した危険やリスクは、VPNを使うことで防止できる可能性がグッと増します。VPNが必要な理由をよく理解して、自分に合ったVPNサービスを見つけてください。
- 通信時に情報を暗号化できる
- IPアドレスを秘匿できる
- 怪しいWebサイトや広告をブロックできる
VPNの最大のメリットは、インターネット上でやり取りする情報を暗号化してくれること。万が一コンピューターがハッキングされても、暗号化された情報は盗み見ができないため、スニッフィングや中間者攻撃による被害を軽減できます。
また、VPNには、脅威対策機能を備えたものも登場しています。悪徳な広告やセキュリティレベルが弱いWebサイトなどを自動でブロックするため、ウイルス攻撃が心配な人にも安心です。
VPNの仕組みやセキュリティについての詳細は、以下の記事でまとめています。気になる方は是非参考にしてみてください。
関連記事:VPN接続の仕組みをビジネス用途や個人向けにわかりやすく解説!危険なデメリットも
関連記事:VPNでセキュリティ強化ができる3つの理由!セキュリティソフトとの違いも解説
VPN接続中にフリーWi-Fiが繋がらないときの対処方法
VPN接続中にフリーWi-Fiに接続できないときは、下記の原因が考えられます。
- フリーWi-Fiの利用規約に同意していない
- フリーWi-Fiに正常にログインできていない
- VPNを使うことで通信が不安定になっている
まずは、フリーWi-Fiに正しくログインができているかを確認しましょう。利用規約に同意できていない・パスワードが間違っているといったケースは意外と多いので、心配なときは再度フリーWi-Fiにログインし直してみてください。
また、VPNは、サーバーの状況や接続人数によって通信速度が低下し、なかなか接続できない状態になることも。そういったときは、VPNサーバーを変えたり、利用する時間帯をずらしたりして対策を行いましょう。
関連記事:VPNが接続できないときの原因は?Mac・iPhone向けの対処方法も解説
関連記事:在宅勤務の人も要チェック!VPNの速度が遅い理由と対処方法を解説!
VPNに接続しても絶対に安全とは言い切れないのが現実
パソコンやスマートフォンのセキュリティ性を高めてくれるVPNですが、「VPNを繋いでいればフリーWi-Fiでも絶対に安心!」という訳ではありません。
というのも、店舗のフリーWi-Fiを装った「なりすましアクセスポイント(なりすましWi-Fi)」や、偽物のWebサイトに誘導してカード情報などを入力させる「フィッシング詐欺」は、VPNを使っていても防ぎきれない可能性があるからです。
そのため、VPN接続時でもなるべくフリーWi-Fiは使わないのがおすすめ。どうしてもWi-Fi環境が必要で、フリーWi-Fiを利用するしかない場合は、下記ポイントを意識しましょう。
- フリーWi-Fiへの自動接続をオフ
- むやみにフリーWi-Fiを使わない
- フリーWi-Fi使用時は個人情報を入力しない
まず、パソコンやスマートフォンの設定を確認し、フリーWi-Fiへの自動接続をオフにします。毎回自分で接続先を探す手間はあるものの、街中などで信頼性の低いフリーWi-FiやなりすましWi-Fiに勝手に繋がってしまうリスクを減らせます。
また、むやみにフリーWi-Fiを利用しないのも1つの手段。提供元が分からないものは避け、信頼できる店舗から提供されているフリーWi-Fiを使いましょう。特に、「Free」「Public」といったフレーズが入っているネットワーク名は、提供元が分からないケースが多いので要注意です。
最後に、フリーWi-Fiを使っているときは、ネットショッピングやネット銀行を利用しないのがベスト。ネットショッピングやネット銀行は、名前・住所・クレジットカード情報・預金引き落とし暗証番号など、大切な情報がたくさん詰まっています。フリーWi-Fi接続時は、安全なWebサイトの閲覧程度に留めておいてください。
まとめ:フリーWi-Fiのリスク対策にはVPNがおすすめ
- フリーWi-Fiにはサイバー攻撃や情報盗聴などのリスクがある
- フリーWi-Fiを使うときはVPNを使うのがおすすめ
- VPN使用中でもフィッシング詐欺や偽Wi-Fiに注意して
今回の記事では、「フリーWi-Fiを使うときはVPNに接続するべき?」という疑問を解決しました。カフェやホテルのフリーWi-Fiを使うときは、信頼できるVPNを利用するのがおすすめ。ぜひ記事を参考にして、サイバー攻撃などのリスクからコンピューターを守ってください。