中国でのインターネット接続は、政府の厳しい規制により多くのサービスが制限されています。そのため、VPNを利用して自由なインターネットを楽しみたいというニーズが高まっています。
中でも特に人気のVPNサービスであるNordVPNが、中国でも使えるのかどうかを知りたい方も多いでしょう。そこで、Picky’s編集部が
「NordVPNは中国でも使えるのか?」
を徹底調査しました。この記事では、NordVPNが中国でどのように機能するのかを詳しく解説し、実際の利用者の口コミも交えた活きた情報をお届けします。
中国でのVPN規制の現状
中国では、政府による厳しいインターネット規制、通称「グレートファイアウォール」により、多くのウェブサイトやオンラインサービスが制限されています。
これには、Google、Facebook、Twitterなどの主要な国際的なプラットフォームも含まれます。これらの制限を回避するために、多くの人々がVPNを利用していますが、政府はVPNの利用自体も規制しています。そのため、VPNサービスの中には中国国内での利用が困難なものも多く存在します。
NordVPNの中国対応状況は?
NordVPNは、非常に制限の厳しい環境でもVPNに接続できるように特別に設計された「Obfuscated Servers(難読化サーバー)」を提供しています。
このサーバーを利用することで、VPNトラフィックが通常のインターネットトラフィックのように見えるため、制限の厳しい地域の規制を回避しやすくなります。また、NordVPNは定期的にサーバーリストを更新し、新しい技術を導入することで、接続の安定性を維持しています。
例えばアメリカの大手技術製品のレビューサイトで有名な「tom’s guide」でも中国のベストVPNとして評価されているのが、NordVPNです。
参考: The best China VPN: working services in 2024
NordVPNの公式見解
しかしながら中国での使用については、それでもやはり注意が必要です。
公式ページでも以下のように
と中国の地域で接続に関する問題が発生していると認めています。
また以下の記事では
ここからは、中国でブロックされているサイトやアプリの一例をご紹介します。
BBC
CNN
Facebook (メッセンジャー)
Gmail
Googleアプリ (カレンダー、ドキュメント、ハングアウト、マップなど)
Wikipedia
OneDrive
Spotify
ウォール・ストリート・ジャーナル
ニューヨーク・タイムズ
YouTube
Snapchat
Twitch
Slack
ChatGPT
といった具合に特定のアプリについては、ブロックされていることも確認しています。
他にも
中国 VPN が機能しないのはなぜですか?
中国政府は VPN の使用を阻止するために懸命に努力しています。そのため、ある日お気に入りのサーバーに接続できなくなっても驚かないでください。中国では、VPN トラフィックはグレート ファイアウォールによって検出され、接続先のサーバーがブロックされます。中国のファイアウォールは生き物のようなもので、常に進化し、自由なインターネットを制限する新しい方法を模索しています。
参考: How to use a VPN in China in 2024
と中国でVPNを使用する方法を解説したページでも中国でのVPN事情について解説しています。
NordVPNのサポートに直接聞いてみた
念のためNordVPNのサポートにも直接中国での接続に関して聞いてみましたが、
やはり現状では中国での接続は厳しい場合があるようです。
対処方法としては、手動でIKEv2接続にする回避策を教えてもらいました。
ただし、他のデバイスでは手動の IKEv2 接続回避策があります。こちらでご確認ください:
参考: Connecting from a country with internet restrictions
(日本語訳: インターネット制限のある国からの接続)
他にもチャットをする中で中国での接続が見込めるサーバーリストも教えてもらいました。
178.79.155.211 – uk2326.nordvpn.com
139.162.237.16 – uk2326.nordvpn.com
139.162.237.98 – uk2326.nordvpn.com
45.33.63.249 – us5784.nordvpn.com
66.175.217.156 – us5784.nordvpn.com
併せてインターネット制限のある国からの接続に関してまとめたページURLも共有してもらったので、興味がある方は以下も参考になるかと思います。
参考: Connecting from a country with internet restrictions
(日本語訳: インターネット制限のある国からの接続)
以上、まとめると、正直なところ中国に関しては、接続が厳しいアプリや地域があると理解しておく方が無難かと思われます。
NordVPNの口コミについて
最後に実際にNordVPNを中国で使用された方々の声をまとめたいと思います。
2024月6月8日
中国で使ってみて繋がらないor遅かったVPNはこれでした
・マイIP
・ExpressVPN
・HIDE me
・NordVPN
・Pure VPN
・VyprVPN
・CyberGhostVPN
・protonVPN
・VPNFAST
使えたVPNはこちら↓https://t.co/L8eDhtpUQS#VPN— VPN LABO編集部 (@vpnlabo) June 8, 2024
今使ってるのはNord VPNで中国との通信速度はネット評価だと遅いそうですが、それでも十分軽くなったので他のはもっと良くなるも。
— (る🐽る๑ )ぶー (@rurubu24) May 16, 2024
先のポストで誤解招きそうなので補足しますと、中国の回線でもVPNはつながります。
ウマ娘がプレイできそうなIKEV2方式は全滅、という意味でした。香港SIM+NordVPNって手もあるかもしれませんので、いろいろ調べてみてください。
無事プレイできることをお祈りしております— ふっちー (@kfuchi99) May 1, 2024
と中々厳しい声が多いようです。しかし
ウマ娘がプレイできそうなIKEV2方式は全滅、という意味でした。
香港SIM+NordVPNって手もあるかもしれませんので、いろいろ調べてみてください。
無事プレイできることをお祈りしております
といった声があるようにプロトコルの設定を変えたり、他にもサーバーを変えてみたりするのも有効な一つの手段かと思われます。
※プロトコルは画面左下にある設定>接続>VPNプロトコルから変更可能です。
※なおプロトコルについては、以下の公式記事が参考になるのでおすすめです。
次世代VPN暗号化
VPNプロトコル比較!速度とセキュリティが優れているのは?
IKEV2方式については、公式サイトでは紹介されているのですが、アプリのダウンロード時期によっては、弊社のように設定に表示されない可能性があります。
と言うのも、NordVPNはユーザーに最高の速度とセキュリティを提供するために、OpenVPNやNordLynx(WireGuardベースのプロトコル)を優先していると思われ、そのためIKEv2については現在使用できない可能性があります。
キルスイッチは忘れずに
中国では、インターネットの検閲が非常に厳しく、多くのウェブサイトやオンラインサービスがブロックされています。
VPNを使用することでこれらの制限を回避できますが、VPN接続が突然切断された場合、ユーザーの本来のIPアドレスが露出してしまう可能性があります。
これにより、ユーザーのオンライン活動が追跡されたり、セキュリティが侵害されたりするリスクがあります。
そこでこうした不足の事態に備えて必ずキルスイッチにチェックを入れましょう。
01.画面左下にある設定>Kill Switchをクリックします。
02.インターネットのKill Switchをオンにします
以上の設定を行うことでVPN接続が切断された場合、VPNサーバーへの接続が回復するまで、Kill Switchはインターネットアクセスをブロックします。
まとめ
中国の厳しいインターネット規制、「グレートファイアウォール」は、多くのウェブサイトやオンラインサービスを制限しており、VPNの利用も規制の対象となっています。
このような環境下で、NordVPNは「Obfuscated Servers(難読化サーバー)」を提供しており、これによりVPNトラフィックが通常のインターネットトラフィックのように見えるため、中国の規制を回避しやすくなっています。
しかし、実際のところ、NordVPNが中国で常に安定して接続できるかどうかは保証されていません。ユーザーの口コミや体験談によると、接続が難しかったり、速度が遅くなったりすることがあると報告されています。中国政府の規制は常に進化しており、VPNプロバイダーも対策を講じていますが、残念ながら完全に回避するのは難しい場合があります。
もし中国での接続が難しいと感じた場合、以下のような対策を試みてください。
- サーバーの変更: NordVPNの難読化サーバーを選択し、接続を試みる
- 設定の調整: プロトコルや設定を変更してみる
- 他のVPNの検討: 他のVPNサービスも試してみる
総じて、NordVPNはインターネット接続をより自由にし、安全に利用するための有力なツールですが、中国においては、常に安定して利用できるわけではないことを念頭に置いておく必要があります。
最新のSNSの接続情報や公式見解を参照し、必要に応じて適切な対策を講じることが重要です。