中国ではインターネットの利用が国によって制限されているため、GoogleやX(Twitter)をはじめとした各種サイト・アプリが利用出来ないケースが非常に多くなっています。
VPNを使うことにより、グレート・ファイアウォールと呼ばれる中国の規制を回避して、中国の外のサイトを利用することが可能になります。
中国でのVPN利用は規制されており、技術的にも対応が日々進化していくため、前は使えたVPNサービスが明日は使えなくなるといったケースも多く見受けられます。
今回の記事では、2024年時点で中国で使えたケースが多いサービスを紹介していきたいと思います。
中国でおすすめのVPN
MillenVPN
MillenVPNは日本製のVPNサービスで、中国からの接続が不安定になりやすいVPNサービスが多い中、MillenVPNは2024年現在でも中国での接続が出来たという情報が多いことです。(例えばNordVPNは公式でも中国での接続が出来なくはないと記載していますが、2024年現在では使えないという口コミが目立ちます。)
VPNを運営するのは海外企業がほとんどですが、MillenVPNは日本企業なので、言語の壁がなく契約やサポートもスムーズ。Q&Aが日本語なので自分で事前に調べることも簡単なのは有難いです。
料金については月額396円からと比較的割安な価格帯になっており、月額プランだけでなく7日間プランや15日プランといった旅行の際に使いやすい料金体系がある点も高評価です。
また、公式HP上で接続可能国に中国が記載されていることは珍しいですが、MillenVPNの公式HPでは中国が接続可能国に入っており、中国での接続に関する記載もあります。※あくまで可能な場合があるということで、必ずしも接続できるという訳ではありません。
Surfshark
Surfsharkは他のプロバイダーで「難読化」という機能に近い独自のNoBordersモードを持っており、この機能は中国のような厳しく制限された地域で、より制限回避能力を高めるために特別に設計されたものになっています。
特徴としてはセキュリティがしっかりしたサービスにも関わらず月額358円~とリーズナブルな価格で利用が可能です。また、大体のVPNサービスは同時接続数が制限されていますがSurfsharkは制限がありません。家族全員のセキュリティを高めたい場合などにもおすすめです。
ただし最速クラスのVPNサービスと比べると若干速度が不安定です。一般的な動画視聴やネット閲覧は問題ありませんが、速度遅延が許されないゲーム環境を求めている方や大容量データをやり取りする方は他のサービスを検討した方が良いでしょう。
ExpressVPN
ExpressVPNは世界的にも人気の大手VPNサービスで、速度・セキュリティの強固さに加えて、アプリのUIが使いやすく、スマホでも利用しやすいVPNです。
月額料金が1000円近いため※、大手のVPNでも一番高いクラスになってしまいますが、性能的には最高レベルであり初心者にもアプリが使いやすい点でおすすめです。(サービス料金は$6.67~。1ドル150円で計算すると月額1000円~、1ドル130円で計算すると月額867円~)
中国でのVPN利用は違法か
中国では政府から許可されていないVPNの利用は違法となります。ただ現状では旅行者などが自身の娯楽のためだけに使う場合などで摘発された話は出ていないようです。
中国政府に対するネガティブな発信は勿論NGですが、許可されていないVPNを使って海外の仕事をすることは取り締まりの対象となる可能性があるので注意が必要です。
中国のインターネット検閲システムをVPN(仮想プライベートネットワーク)で違法に「壁越え」をしたなどとして、河北省承徳市の公安当局が、同市在住のプログラマーの男性に対し約3年間の所得105万元(約2100万円)の没収を命じる処分を言い渡し、中国内で物議を醸している。(引用:毎日新聞 – 中国のプログラマー、違法「壁越え」で処罰 重すぎる没収額に物議)
この記事の読者は個人でのVPN利用目的が多いかと思いますが、参考までに法人で中国とのインターネット接続を探している方向けのサービスもご紹介します。
- Arcstar Universal One (NTTコミュニケーションズのグローバルVPN)
- Alibaba Cloud (ソフトバンク提供の日本ー中国間ネットワーク接続サービス)
- KDDI Global IP-VPN (KDDIが提供する国際IP-VPN)
中国で利用するVPNの選び方
中国の検閲技術は常に進化しているので、前に使えたVPNが使えなくなることも非常に多いです。この辺りはVPN側の技術とのいたちごっことなりますので、常に最新の情報を入れておく必要があるでしょう。
現在の検閲を回避するのに役立つ設定としては難読化があります。難読化機能を使うとVPN を使用しているということ自体が隠蔽されるため、検閲する側からは通常のトラフィックのように見えます。そのため中国で使うVPNを選ぶ際は難読化機能があるかどうかが重要なポイントとなります。
それ以外の機能としては、DNSリーク保護と信頼性の高いキルスイッチ機能もあると便利です。ウェブ上に個人を特定できる痕跡が残らないようにするDNSリーク保護と、VPNが切断されると自動でインターネット接続を切断して元のIPアドレスの漏洩を防ぐキルスイッチがあると便利です。
旅行の前の注意点
中国に行く前に事前にVPNをインストールしておきましょう。中国に行ってからサイトに繋ごうとしてもプロバイダーのサイトがブロックされてしまったり、アプリがストアから消えている可能性があります。
余裕があるなら複数のVPNを登録しておく方がGood
現在の中国においては、確実に接続できると言い切れるVPNサービスは存在しないため、使えなかった時の予備として複数のVPNサービスに登録しておくことをおすすめします。
正直1つのサービスだけだと、そのサービスが接続不可能となった際にリスクが高いので、最低でも2つは登録しておくと良いでしょう。旅行であれば短期間の利用になるかと思いますので、月額利用ではなく7日間プランや15日プランがあるMillenVPNはサブとしてもおすすめです。
返金保証があるVPNがおすすめ
中国では事前に用意したVPNが使えない可能性がありますので、使えなかった場合にきちんと返金して貰えるサービスがおすすめです。この記事で紹介したSurfsharkとExpressVPNは30日間の返金保証があるので、お試しで使いやすくなっています。(MillenVPNは年間利用の場合は返金保証がありますが、旅行用の短期プランの場合は返金保証なしとなっています)
中国でVPNが利用できなくなった際の対応方法
接続に問題がある場合、別のサーバーに再接続して新しいIPアドレスを取得することが有効です。
ExpressVPNでは、推奨サーバーとして日本(横浜)、アメリカ(ロサンゼルス)、シンガポールなどが挙げられています。(ExpressVPNヘルプページ:中国でのExpressVPN接続)
接続問題が続く場合、アプリを再インストールするか最新バージョンへの更新も試してみてください。特に中国では、最新の更新が接続性能の向上やバグ修正を含む場合が多々あります。
最終的な方法はカスタマーサポートへの問い合わせとなります。この点を考慮すると、ExpressVPNの様な24時間カスタマーサポート対応が付いているタイプの方が安心できるかと思います。