企業のセキュリティ対策に欠かせない「法人向けセキュリティソフト」。個人向けのソフトよりも複数の端末を管理しやすく、機能も充実しています。
しかし、「専門用語が多くて、どの機能が自社に必要なのかわからない」と悩んでいる方も多いですよね。また、「本当に法人向けセキュリティソフトが必要なの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、法人向けセキュリティソフトのおすすめ製品をご紹介。法人向け・個人向けの違いについても解説します。
目次
法人向けセキュリティソフトと個人向けの違い
企業でセキュリティソフトを導入するなら、必ず法人向けのソフトを選びましょう。法人向けのセキュリティソフトは企業が使いやすいための工夫が施されています。具体的にどんな点が法人向け・個人向けで異なるのかご紹介します。
違い1:一元管理ができ、端末が増えたときの手間が少ない
法人向けのセキュリティソフトは、複数の端末を一元管理できるのがメリット。個人向けだと、複数の端末のライセンスや設定状況を確認・変更する際に、端末ごとにチェックしたり使用者に報告させたりする必要がありますが、その手間を省略できます。
また法人向けでは、端末を増やすときに既存の設定を適用できるため、運用が楽になります。更新頻度・使用する機能などを毎回設定しなくていいので、設定ミスをする心配もありません。
会社で使うパソコンが5台未満なら管理の手間が少ないので、法人向けのソフトは不要なケースもあります。しかし、「今後事業規模を広げていきたい」「従業員を増やしたい」と考えているなら、法人向けのソフトを導入しましょう。法人向けのセキュリティソフトにかかる費用よりも、情報伝達や更新にかかる時間や労力の方がもったいないです。
違い2:セキュリティレベルを揃え、人的要因でのセキュリティリスクを防げる
法人向けのセキュリティソフトは、社内の端末のセキュリティレベルを揃えられるのもメリットです。
法人向けのセキュリティソフトでは、全端末のセキュリティソフトをアップデートするタイミングを管理できます。個人向けのセキュリティソフトを使用している場合、ソフトのアップデートは端末ごとに対応しないといけません。誰かがアップデートを忘れていると、そこがウイルスの感染源になってしまうケースもあります。
また、法人向けは制御機能を使ってパソコンの操作を制限することで、社員による設定ミスを防げるのもポイント。個人向けのセキュリティソフトだと、社員が誤ってセキュリティソフトの設定を変更したり、アンインストールしたりする可能性もゼロではありません。
企業のセキュリティで最も重要なのは、脅威を持ち込まれないことです。1人でもウイルスに感染してしまうと、同一ネットワーク上の端末・サーバーに影響が広がります。法人向けなら、セキュリティソフトの更新忘れや人的ミスを防ぎ、高いセキュリティレベルを維持できます。
法人向けセキュリティソフトの選び方
法人向けのセキュリティソフトを選ぶときは、機能・集中管理のしやすさ・サポート・費用・OS・セキュリティ性能などをチェックするのが大切。具体的にどんな製品を選べばいいかご紹介します。
自社に必要な機能が搭載されているかチェック
法人向けのセキュリティソフトにはさまざまな機能が搭載されています。しかし、オーバースペックな製品を選んでも無駄に費用が高くなったり、パソコンの動作が重くなったりするので、必要な機能をしっかり見極めるのが大切。
特に重視したい機能を以下の表にまとめたので、参考にしてみてください。
機能 | 特徴 |
マルウェア対策 |
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ネットワーク保護・ファイアーウォール |
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迷惑メール対策・メールチェック |
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自動通知 |
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フィッシング詐欺対策 |
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デバイス制御 |
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フルディスク暗号化 |
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関連記事:迷惑メール対策におすすめなセキュリティソフト3選!必要な機能・選び方も解説
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集中管理のしやすさをチェック
法人向けのセキュリティソフトを選ぶときは、集中管理のしやすさがとても重要です。全社の端末を一元管理するための機能が充実していないと、法人向けのソフトを購入した意味がありません。特に以下のポイントをチェックしましょう。
- 管理者が各パソコンのステータスをチェックできる
- 管理者が各パソコンでセキュリティ診断を実行できる
- 一斉アップデートを設定できる
また、ソフトのUIが使いやすいかも重要なポイント。どれだけ機能が充実していても、ツールが直感的に操作しにくいデザインだと使いこなせません。UIは使用前に判断できないケースもあるので、口コミ・レビューを参考にするのもおすすめです。体験版がある場合は、必ず使用してみてから購入を検討しましょう。
サポートが充実しているかチェック
企業でセキュリティソフトを導入するときは、サポート体制が整っているか必ずチェックしましょう。万が一ウイルスに感染してしまった場合、少し対応が遅れるだけで甚大な被害が発生します。
- 365日24時間体制でサポートを受けられるか
- 日本語でのサポートに対応しているか
- サポートの方法は電話か、メールか
- ウイルスに感染した場合に、問題解決を支援してくれるか
また、最近はAIアシスタント機能を搭載しているセキュリティソフトも増えています。不明点・疑問点にAIが素早く答えてくれるので、サポートに問い合わせるのが手間に感じるときに活躍しますよ。
導入費用・更新料をチェック
セキュリティソフトを購入するときは、導入費用・更新料を重視しましょう。導入時にお金をかけて高性能なソフトを使用しても、更新料が高くて使い続けられないのでは意味がありません。リスクを減らすには、セキュリティを継続的に強固にするのが大切です。
セキュリティソフトの費用は端末1台あたりの価格で比較するのがポイント。端末の数が多いほど1台あたりの価格が安くなるソフトもあります。コストを重視するなら、1台あたり年間1,000円前後を目安にしましょう。
ただし、法人向けのセキュリティソフトは価格が明記されておらず、メーカーに要問合せのケースも多いです。メーカーに問い合わせる際に、同メーカーの製品の中から自社のニーズに合った製品がどれかも相談できるので、気になったら問い合わせてみましょう。
対応OSをチェック
セキュリティソフトを選ぶときは、対応OSもチェックしましょう。Windowsで使用できないセキュリティソフトはほとんどありませんが、Mac・タブレットなどに対応していないケースがあります。
特に、自社でファイルサーバーを用意している場合、サーバーのウイルス対策に活用できるかも重要です。端末とサーバーで同じソフトを使えば、管理が楽になります。
第三者機関の評価でセキュリティ性能をチェック
セキュリティソフトはセキュリティ性能ももちろん重要。どんなに機能が充実していても、ウイルス検出の性能が低いとリスクを軽減できません。
セキュリティ性能を個人で調べるのは難しいので、第三者機関での評価をチェックするのがおすすめ。
- AV-TEST
- AV-Comparatives など
上記のような機関のテストで、マルウェアの防御率が99%を超えている製品を選びましょう。
関連記事:セキュリティソフトの第三者評価機関とは?4つの有名評価機関の特徴を解説
シェアの高い製品は企業での使用実績を紹介しているので、併せてチェックしてみてください。
法人向けセキュリティソフトおすすめ人気ランキング比較一覧表
商品 | 公式サイト | 料金プラン | 機能 | 対応OS | サーバーへの対応 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ESET PROTECT Advanced | 公式サイト | 要問い合わせ | 次世代アンチウィルス・ネットワーク攻撃の保護・デバイス制御・フィッシング対策・フルディスク暗号化・クラウドアプリ保護(オプション)・多要素認証(オプション)など | Windows 10、8.1、8、7、Vista・macOS 10.12以降・Ubuntu Desktop 18.04 LTS 64ビット・RedHat Enterprise Linux(RHEL)Desktop 7 64ビット・Android 5以降・iOS 8以降 | 要オプション(Microsoft Windows Server 2019、2016、2012、2008・Microsoft Windows Storage Server 2016、2012、2008・Microsoft Windows MultiPoint Server 2012、2011、2010・Microsoft Windows Small Business Server 2011・RedHat Enterprise Linux(RHEL)7、8・CentOS 7、8・Ubuntu Server 16.04 LTS、18.04 LTS、20.04 LTS・Debian 9、10・SUSE Linux Enterprise Server (SLES) 12、15・Oracle Linux 8・Amazon Linux 2) | |
アバストスモールオフィスプロテクション | 公式サイト | 10台1年:15,070円・10台2年:22,600円・10台3年:31,650円 | マルウェア対策・パスワードの保護・偽サイトとフィッシングのブロックなど | Windows 10、8.1、8、7・macOS 10.10(Yosemite)以降・Android 4.1以降・iOS 10.0以降 | - | |
カスペルスキー スモール オフィス セキュリティ | 公式サイト | ユーザー3人1年間:20,910円・ユーザー4人1年間:27,880円・ユーザー5人1年間:34,850円・ユーザー10人1年間:48,160円 | アンチウイルスによる保護・タスクの最適化・デジタル衛生管理ツール・エンドポイント管理VPN(ユーザー5人以上のプラン)など | Windows 11、10、8.1、8、7・macOS 11~14・Android 8~14・iOS 13~16・iPadOS 13~16 | Microsoft Windows Server 2022、2019、2016、2012 R2、2012、2011、2008 R2 |
法人向けセキュリティソフトおすすめ人気ランキング3選
引用:eset.com
軽量でストレスなく使用できる、未知の脅威にも幅広く対応
動作の軽さを重視する方におすすめのセキュリティソフト。機能が充実しているのに動作がサクサクで、快適に使用できます。未知の攻撃による脅威に対しても、クラウド上で解析して数分でブロックしてくれるのが魅力。セキュリティ性能を重視する方にもぴったりです。
また、管理ツールもクラウドベースなので、会社にいなくても端末を管理できます。テレワークを導入している企業でも使いやすいですよ。
フルディスク暗号化に対応しているため、パソコンに内蔵されたHDD・SSD、アプリケーションデータなどを暗号化して守ってくれます。パソコンを盗難されてストレージを取り出されても、データが漏洩する心配がありません。
料金プラン | 要問い合わせ |
---|---|
機能 | 次世代アンチウィルス・ネットワーク攻撃の保護・デバイス制御・フィッシング対策・フルディスク暗号化・クラウドアプリ保護(オプション)・多要素認証(オプション)など |
対応OS | Windows 10、8.1、8、7、Vista・macOS 10.12以降・Ubuntu Desktop 18.04 LTS 64ビット・RedHat Enterprise Linux(RHEL)Desktop 7 64ビット・Android 5以降・iOS 8以降 |
サーバーへの対応 | 要オプション(Microsoft Windows Server 2019、2016、2012、2008・Microsoft Windows Storage Server 2016、2012、2008・Microsoft Windows MultiPoint Server 2012、2011、2010・Microsoft Windows Small Business Server 2011・RedHat Enterprise Linux(RHEL)7、8・CentOS 7、8・Ubuntu Server 16.04 LTS、18.04 LTS、20.04 LTS・Debian 9、10・SUSE Linux Enterprise Server (SLES) 12、15・Oracle Linux 8・Amazon Linux 2) |
引用:avast.co.jp
端末の台数が少ない小規模ビジネス向けのセキュリティソフト
小規模なビジネスや、端末の数が少ない企業におすすめ。Windows・Mac・Android・iOSの端末を10台まで保護できます。契約年数は1年・2年・3年の3種類。3年のプランで10台のデバイスを使った場合、1台あたり年間1,055円で使用できます。
機能がシンプルなのもポイント。変わった機能は不要で、とにかくコストを抑えながらマルウェア・フィッシングサイトの対策をしたい方におすすめです。
30日間返金保証があるのも魅力。社内システムやプログラムとの相性が悪くても安心ですよ。複雑な設定が不要で、導入時の設定だけで継続して利用できます。管理用の部署を作らなくても運用しやすいです。
料金プラン | 10台1年:15,070円・10台2年:22,600円・10台3年:31,650円 |
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機能 | マルウェア対策・パスワードの保護・偽サイトとフィッシングのブロックなど |
対応OS | Windows 10、8.1、8、7・macOS 10.10(Yosemite)以降・Android 4.1以降・iOS 10.0以降 |
サーバーへの対応 | - |
パソコン・スマホを両方使うビジネスにおすすめ
社員が仕事でパソコン・スマホを両方使う方におすすめ。端末の数ではなく、ユーザーの数でプランが分けられています。ユーザー1人分でパソコン・スマホを1台ずつ保護可能。ユーザー10人のプランなら、パソコン10台・スマホ10台を保護できます。
さらに、ユーザー5人・10人のプランでは追加でサーバーを保護でき、本来は有料サービスのVPNも利用可能。自社でファイルサーバーを用意している方や、VPNを使ってネット上で匿名性を高めたい方にもおすすめです。
最大ユーザー数が10人と小規模事業向けのサービスですが、管理機能も充実。デバイスの追加・削除・アップデートなどを1台の端末で実行できます。
料金プラン | ユーザー3人1年間:20,910円・ユーザー4人1年間:27,880円・ユーザー5人1年間:34,850円・ユーザー10人1年間:48,160円 |
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機能 | アンチウイルスによる保護・タスクの最適化・デジタル衛生管理ツール・エンドポイント管理VPN(ユーザー5人以上のプラン)など |
対応OS | Windows 11、10、8.1、8、7・macOS 11~14・Android 8~14・iOS 13~16・iPadOS 13~16 |
サーバーへの対応 | Microsoft Windows Server 2022、2019、2016、2012 R2、2012、2011、2008 R2 |
関連記事:VPNでセキュリティ強化ができる3つの理由!セキュリティソフトとの違いも解説
おすすめ法人向けセキュリティソフトまとめ
会社で使っているパソコンを一元管理でき、セキュリティリスクを限りなく低くできる法人向けセキュリティソフト。今後社員を増やしたい、事業を拡大したいと思っている企業にも欠かせない製品です。
- 自社に必要な機能が搭載されているかチェック
- 集中管理のしやすさをチェック
- サポートが充実しているかチェック
- 導入費用・更新料をチェック
- 対応OSをチェック
- セキュリティ性能をチェック
以上のポイントを参考に、自社に合ったセキュリティソフトを選びましょう。