PC Maticは、「強力なセキュリティ能力」と「軽さ」が特徴のセキュリティソフトです。ウイルスなどのマルウェアや危険なサイトから、大事なパソコンやスマホを強力に守ってくれるでしょう。
ただ、日本ではPC Maticユーザーは多くなく、公式サイトの雰囲気から何となく怪しいイメージを持っている方も多いかもしれません。他のセキュリティソフトとは良くも悪くも特徴が異なるため、仕組みやメリットを理解した上での導入がおすすめです。
今回は、PC Maticの特徴やメリット・デメリットについて解説します。PC Maticに興味を持った方はぜひチェックしてください。
引用:pcmatic.jp
目次
【総評】PC Maticは検出性能が高く、動作の軽い万能セキュリティソフト
PC Maticとは、米国PC Matic,Inc.社が開発したセキュリティソフトです。セキュリティソフトの中では非常に珍しい「ホワイトリスト型」を採用し、少しでも怪しいと判断したプログラムやサイトは完全に遮断します。そのため、検出性能・安全性重視でセキュリティソフトを選ぶユーザーから人気が高いソフトです。
そのセキュリティの高さから、米国国防総省 NIST CMMC(サイバーセキュリティ成熟度モデル認証)最高レベル準拠製品に認定され、アメリカでは警察機関でも採用されています。
また、性能だけではなく、ソフトの軽さにも定評があります。どんなパソコンに入れてもパフォーマンスに悪影響を与えません。パソコン最適化機能やサポートも利用者からの評判は良好。高水準のセキュリティソフトです。
編集部
ホワイトリスト型とは「怪しければブロック」する厳しい判定基準のソフト
PC Maticが採用しているホワイトリスト型とは、「安全な対象を定義し、安全対象以外をブロックする」判定基準です。一方で、多くのセキュリティソフトが採用しているのがブラックリスト型で、こちらは「危険な対象を定義し、危険対象をブロックする」判定基準を用いています。
方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ホワイトリスト | 未知のマルウェアに強く、セキュリティ性能が極めて高い ソフトが極めて軽い |
安全なソフトもブロックしてしまうケースがある |
ブラックリスト | 定義されているマルウェアに対しては極端に強い ソフトの使用を阻害しない |
定義されていない未知のマルウェアに対して弱い |
ホワイトリスト型は、「安全が確認されていないものをブロックする」方式のため、新種のウイルスにも強いという特徴があります。「危険なものは入れない」ではなく、「100%安全ではないため入れない」で、少しでも怪しいファイルやサイトはブロックします。
ただ、あくまでもホワイトリスト型とブラックリスト型は「特徴が異なる」だけで、ホワイトリスト型が圧倒的に優れているわけではありません。どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分の目的や利用環境に合ったソフトを選びましょう。
編集部
PC Maticの口コミ・評判
PC Matichを実際に使用しているユーザーからの、口コミや評価を集めました。参考になるよう、良い口コミと悪い口コミ両方掲載しています。
PC Maticのいい口コミ:怪しいプログラムを徹底的にブロックしてくれる
- 少しでも怪しいと感じたファイルやソフトをきちんとブロックしてくれる
- 本当に有効になっているのか疑いたくなるくらい軽い
PC Maticの良い口コミは、「ブロックの判断基準が厳しい」と、検出・ブロック性能を評価する声が多かったです。ホワイトリスト型のPC Maticは、ブラックリスト型に比べてより多くのファイルやサイトをブロックします。その厳しさは、「いくら何でも神経質すぎる」と感じるユーザーがいるほど。
また、多くのユーザーが「ちゃんと動作しているのか不安になるくらい軽い」とソフトの軽さを評価しています。
PC Maticの悪い口コミ:評判・口コミ・ユーザーが少なく不安
- 知名度が低くどんなソフトか分からない
- なんとなく怪しい感じがする
PC Maticに関する気になる口コミは、性能面よりも「知名度の低さ」に関するものが多く見られました。PC Maticは、他のセキュリティソフトに比べ、日本では決してシェア率が高いとは言えません。そのため、口コミや評価も少なく、導入に不安を感じるユーザーも多いようです。
実際レビューサイトでは、利用したユーザーの口コミよりも「よくわからないけどすごそう」といった感想や、「PC Maticって使っても大丈夫?」などの質問が多く見られました。
編集部
PC Maticの料金
PC Maticの種類と料金プランについて解説します。PC Maticは、「ダウンロード版」と「パッケージ版」の2種類があり、それぞれで料金や利用できる年数が異なります。2種類を比較して、自分に合った方を選びましょう。
なお、PC MaticにはPRO(法人版)・ゲーマー版・VPNもありますが、今回は個人向けの「home&SOHO版」を解説しています。また、価格は2023年現時点の価格です。
その場で買って使える手軽なダウンロード版の料金
ダウンロード版は、PC Maticソフトをダウンロードし、認証キー(ライセンスキー)を入力して利用するタイプです。パッケージ版と違い、インターネット環境があればその場で購入して利用を開始できます。
PC Maticダウンロード版の料金プランは1年間ライセンスと50年(一生涯)ライセンスの2種類があり、さらに利用する台数により価格が異なります。50年ライセンスは公式では「一生涯」や「永年」と表記されています。永年なのか永久なのかわかりにくいですが、最低でも50年は使えると思っていいでしょう。
台数 | 年間ライセンス | 50年(一生涯)ライセンス |
---|---|---|
5台版 | 4,980円 | 24,980円 |
10台版 | 9,980円 | 50,060円 |
15台版 | 14,980円 | 75,140円 |
25台版 | 29,980円 | 150,380円 |
最大25台までライセンス数を増やせます。家族やグループでPC Maticを利用する方におすすめです。
編集部
台数と年数を細かく選べるパッケージ版の料金
パッケージ版は、PC Maticが入ったCD-ROMとライセンスキーの入ったパッケージを購入し、CD-ROMでインストールを行うタイプです。
ライセンス | 利用台数 | 利用年数 | 料金(税込) |
---|---|---|---|
1年2台版 | 2台まで | 1年間 | 4,980円 |
1年5台版 | 5台まで | 1年間 | 8,008円 |
3年3台版 | 3台まで | 3年間 | 13,200円 |
5年2台版 | 2台まで | 5年間 | 24,980円 |
50年5台版 | 5台まで | 50年間 | 34,298円 |
パッケージ版は、ダウンロード版よりも利用台数や利用年数が細かく選べるのがメリットです。ただし、ダウンロード版にあった10台~25台ライセンスはありません。
なお、パッケージ版の料金はダウンロード版よりも割高です。また、ダウンロード版と違い、店舗に買いに行く手間が必要であったり、ネットで購入した場合は製品が届くまで使えない点に注意してください。
編集部
PC Maticのメリット
PC Maticには、多くのメリットがあります。
- 強固なセキュリティを持つホワイトリスト型
- 動作がセキュリティソフトの中でも極めて軽い
- 1ライセンスで複数のデバイスを守れる
- パソコンを最適化する機能が充実している
- サポートが手厚い
メリット1:強固なセキュリティを持つホワイトリスト型
PC Maticは、セキュリティソフトの中でも珍しい「ホワイトリスト型」のソフトです。ホワイトリスト型セキュリティソフトはチェックが厳しく、アメリカでは警察機関や社会インフラを担う企業に導入されています。
そのため、重要なデータを扱っている法人や、高額なパソコンをウイルスから守りたいと考えている個人に特におすすめです。
メリット2:動作がセキュリティソフトの中でも極めて軽い
PC Maticは非常に軽量です。ソフトは、軽ければ軽いほどパソコンのパフォーマンスに影響を与えず快適に利用できます。逆に重いソフトをパソコンにインストールすると、パソコンによっては動作が重くなったり、最悪フリーズしやすくなるかもしれません。
PC Maticの軽さは、ドイツのセキュリティソフト評価機関「AV-TEST」でも高く評価されています。
セキュリティの高さを表す「保護」、軽さを表す「パフォーマンス」において、PC Maticは毎回満点評価を獲得しています。
編集部
メリット3:1ライセンスで複数のデバイスを守れる
PC Maticは、ダウンロード版の場合1ライセンスで5台までデバイスを保護できます。利用料金自体は決して安くないものの、5台保護した場合1台あたりのコストは年間996円で、非常にコスパが良くなります。
例えば、日本で有名な大手セキュリティソフトの場合、PC Maticとほぼ同じ利用料金にもかかわらず1台しかデバイスを保護できません。複数台のデバイスを守りたい場合、PC Maticがおすすめです。
編集部
メリット4:パソコンを最適化する機能が充実している
PC Maticには、高性能で多機能な「パソコン最適化機能」が付帯しています。パソコンは、使っているうちにデータのごみが蓄積し、それが原因で処理速度がどんどん低下します。また、他にもさまざまな理由でパソコンのパフォーマンスは低下。
PC Maticをインストールしてあればすべての最適化機能を自動で特定・実行してくれます。
- メモリ最適化
- 不要なファイルの削除
- サービス・アクセス最適化
- ドライバ自動更新
- 不必要なスタートアップ削除
- 不必要なWindowsタスクの無効化
- ネットアクセス高速化
PC Maticの最適化機能はパソコン1台1台の環境や状況を詳しく診断し、症状を特定したうえで最適な処理を行います。そのため、効果の高い最適化が可能。購入したパソコンの性能をできるだけ長く維持したい、古いパソコンの調子を取り戻したい方におすすめの機能です。
編集部
メリット5:サポートが手厚い
PC Maticは、サポートも手厚いです。マニュアル類やよくある質問が豊富で、わからない点はすぐに調べられます。
自分で調べてもわからない場合は、日本人スタッフによる年中無休サポート(8:00~23:00)で問い合わせも可能です。しかもサポートは、PC Maticの使い方だけではなくパソコンに関する質問やトラブル相談にも応じてくれます。
さらに、提携企業による有料対応になりますが、遠隔操作・訪問サービスにも対応。パソコンに詳しくない方でも安心して利用できます。
編集部
引用:pcmatic.jp
PC Maticのデメリット
PC Maticには、デメリットもあります。
デメリット1:操作や画面に癖があり、やや使いづらい
PC Maticは専門用語が多く、操作画面も独特でやや使いにくいソフトです。設定やトラブル時の対応も説明不足な点が多く、全体的に「パソコンやセキュリティソフト経験者向け」と言えます。
操作マニュアルもありますが、ウィンドウズ版で約75ページと圧倒的なボリュームです。さまざまな面で「使いやすい」とは言えません。
実際、先ほど紹介したセキュリティソフト評価機関AV-TESTでも、「使いやすさ」に関しては厳しい評価を受けています。セキュリティ性能ではなく、「手軽さ・使いやすさ」を求めている方にはあまりおすすめできません。
編集部
デメリット2:安全なソフトやアプリをブロックする可能性がある
PC Maticの大きなデメリットは、一般的に使用されているソフトも「安全かわからない」と、PC Maticがブロックしてしまう可能性があります。新しいソフトをインストールするたび、PC Maticがソフトをブロックしてしまうかもしれません。セキュリティの高いPC Maticならではの弊害です。
安全なソフトをブロックしてしまった場合、手動設定でブロック解除も可能ですが、PC Matic側の確認に最大で24時間ほどかかります。そのため、使おうと思ったソフトがすぐに使えないケースがあるかもしれません。
編集部
PC Maticがおすすめな人・おすすめではない人
PC Maticをおすすめするユーザーと、おすすめできないユーザーをまとめました。
PC Maticは万能セキュリティソフトを探している方におすすめ
- セキュリティ性能と軽さを重視する方
- 常にパソコンのパフォーマンスを保っておきたい方
- 複数台のデバイスを守りたい方
PC Maticのメリットは、「ホワイトリスト型による圧倒的なセキュリティ性能と軽さ」です。そのため、危険なウイルスやサイトから徹底的にパソコンやスマホを守りたい方におすすめします。
また、高性能な最適化機能もあるため、「パソコンのパフォーマンスを常に維持したい方」にもおすすめ。新品のパソコンを購入したタイミングで導入すると、非常に効果的です。
編集部
引用:pcmatic.jp
PC Maticはセキュリティソフト初心者にはおすすめしない
- PCやセキュリティソフトにあまり詳しくない方
- ソフトやフリーソフトを頻繁にダウンロードする方
- デバイスを1台~2台だけ保護したい方
PC Maticは、パソコンやセキュリティソフトに詳しくない方にはあまりおすすめできません。専門用語が多く、使い方に癖があるのに加え日本で使っているユーザーが少なく情報が少ないためです。
さまざまなソフトをインストールする方も要注意です。ホワイトリスト型のPC Maticは、安全なソフトも危険と判断し、多くのソフトをブロックする可能性があります。たまにインストールする程度であればブロックされても都度対処できますが、頻繁に何回もブロックされるとストレスが溜まるでしょう。
編集部
関連記事:【2023年最新版】人気セキュリティソフトのおすすめ10選とソフトの選び方・メリット・デメリット
PC Maticの申込・ダウンロード手順
PC Maticの申込方法です。まず公式サイトにアクセスし、「家庭&個人事業主」の「個人版」をクリックします。法人の方は隣の「法人版」をクリックしてください。
次の画面で「いますぐ購入」をクリックし、メールアドレス入力とパスワード設定を行います。パスワードは8~50文字以内で、大文字・小文字・数字を組み合わせる必要があります。
デバイス数を変更したい方は、この画面で追加が可能です。
続いて、以下の情報を入力します。
- 住所
- 氏名
- 電話番号
- 支払い情報
支払い方法は「クレジットカード」か「コンビニ支払い」が可能です。支払いが完了すると、登録したメールアドレス宛にライセンスキーや決済情報が記載された決済完了メールが届きます。これで購入完了です。
編集部
PC Maticの解約手順
PC Maticの解約手順です。PC Matic1年版はサブスクリプションとなっているため、利用期間が満了すれば解約されます。ただ、クレジットカードで支払っている場合は自動更新されてしまうため、利用期間満了前に自動更新を解除する必要があります。
自動更新の解除は、PC Matic公式ウェブサイト上部にある「マイアカウント」メニューにある「マイアカウント」をクリックします。PC Maticのマイアカウントログイン画面が表示されたら、登録時に設定したメールアドレスとパスワードを入力します。
ログインしたら、「サブスクリプション権」をクリックし、「自動更新(クレジットカード)」をオフにします。これで次回の更新期間になっても更新はされません。
PC Maticによく出てくる用語解説
最後に、PC Maticに出てくる用語を解説します。PC Maticは専門用語がたくさん出てきますが、中には他のセキュリティソフトでも出てくる用語もあります。できるだけ分かりやすく簡潔に解説しますので、何となくでも理解しておきましょう。
公式サイトに載っている「ゼロトラスト」とはどういう意味ですか?
「例外」「特別」「特殊」といったイレギュラーを認めず、すべてに対してチェックを実行します。「危険」だけではなく、「わずかでも危険の可能性がある」までもブロックする、ホワイトリスト型のPC Maticはまさにゼロトラストと言えるでしょう。
マルウェアとは何ですか?
「ウイルス」「トロイの木馬」「ワーム」は混同しやすいですが、厳密に言えばすべて違う種類で、これらの総称を「マルウェア」と呼びます。PC Matic含むすべてのセキュリティソフトは、ウイルスだけではなく「マルウェア(すべての悪意のあるプログラム)」を検出・駆除するのが目的です。
ちなみに名前の由来は、「malicious(マリシャス:悪意のある)」「software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語です。
エンドポイント保護とは何ですか?
運用管理・パソコン快適化とは何ですか?
ホワイトリスト型で徹底的にパソコンを守るならPC Maticがおすすめ!
PC Maticは、ホワイトリスト型による「少しでも怪しいプログラムはブロックする」、厳しいチェックが特徴のセキュリティソフトです。
- 徹底的にパソコンやスマホを守りたい
- できる限り軽いセキュリティソフトを探している
- 複数台のデバイスをしっかり守りたい
上記の方にPC Maticはおすすめです。セキュリティの高さゆえに、少し神経質にプログラムをブロックしてしまう傾向はありますが、徹底的にパソコンやスマホを守りたい方はPC Maticを導入してみてはいかがでしょうか。
日本ではやや知名度は低いですが、アメリカではきちんと実績のあるソフトのため、安心して利用してください。
引用:pcmatic.jp
Picky’sでは、PC Matic以外のセキュリティソフトについても記事にしています。自分に合ったセキュリティソフトを知りたい方は、以下の記事もぜひチェックしてください。