色に感動するミラーレス!フジフィルム X-T3の魅力を徹底レビュー

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ミラーレスカメラの人気が年々上がる中、新しく購入しようと考えている方も多いのではないでしょうか。

今や様々なメーカーからミラーレスカメラが発売されている中で、今回は筆者が愛用しているFujifilmX-T3を紹介したいと思います。

Fujifilmの上位機種カメラとして、中級者からプロまで幅広い方から高い人気を誇る「X-T3」。その魅力や、前機種と比較した際の改善ポイント、ウィークポイントまで丁寧にレビューしますので、これから購入を検討されている方はぜひご確認ください。

Fujifilm X-T3の基本スペック

名称 FUJIFILM X-T3
マウント FUJIFILM Xマウント
撮像素子 APS-Cサイズ X-Trans CMOS 4センサー、原色フィルター採用
寸法(幅×高さ×奥行き) 132.5mm×92.8mm×58.8m
重さ 約539g(バッテリー・SDカード込み)
有効画素数 約2,610万画素
ISO感度 標準160~12800
バッテリー 標準撮影枚数 約390枚
防塵防滴機能
手振れ補正 ×

2018年9月20日に発売されたX-T3は、フジフィルムのカメラの中で、最上位機種であるX-H1の次のランクに位置するカメラです(中判カメラを除く)。

スペックや値段からも、どちらかといえば中級者から上級者向けのモデル。

X-T3はフジフィルム最新のイメージセンサー・画像処理エンジンを搭載し、発色・オートフォーカス(以下AF)速度が格段に上がりました。

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標準ISO感度は最大12800まで対応できるので、暗所での撮影も安心。

ISO感度とは?これを理解すればノイズを減らせます!

動体追従AFが向上、約11コマ/秒のメカニカルシャッター連写も可能となり、動物や子供など動くものを撮る方には特におすすめできます。

FujifilmX-T3の価格

FujifilmX-T3の価格はオープンプライスであり、日々値段が更新されています。

2020年1月時点の最安値は、ボディ単体で148,749円、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISのレンズキットで186,605円、XF16-80mmF4 R OIS WRのレンズキットで205,879円です。

中古市場でも人気が高く、ボディ単体の値段で約11万〜12万円で販売されていることが多いです。

FujifilmX-T3の外観

フジフィルムらしいクラシックでかわいいデザインが特徴的なX-T3。新商品が出るたびに操作性も上がり、ますます使いやすく素敵なデザインに夢中に。

そんなX-T3の外観をチェックします。

本体上部のダイヤルで簡単に設定可能

X-T3には、カメラの上面に電源ボタンISO感度・シャッタースピード・露出を操作するダイヤルが付いています。

マニュアル撮影する時はISO感度やシャッタースピードをすぐにダイヤルで変えることができるので、スピード感のある撮影が可能。

真ん中の小さいボタンを押しておくと数値を固定することができるので、誤ってダイヤルが回ってしまったまま撮影してしまうミスを防ぐことができます。

絞り優先モードに変えたい時は、シャッタースピードダイヤルを「A」に合わせるだけ。隣にある露出ダイヤルを回すことで露出を調整することができます。

カメラの各モードを解説!状況に応じてカメラを使いこなそう!

更にISO感度ダイヤルの下にはドライブモード(連写や動画)の選択ダイヤルが、シャッタースピードダイヤルの下には測光モードを変更できるダイヤルが付いているので、本体上部のダイヤルでほとんどの撮影設定ができる仕組みとなっています。

絞り値の変え方

レンズの絞り値(F値)は、レンズに搭載されている数字が書かれているダイヤルを回すことで変更することができます。

F値って何?脱初心者のためのカメラの基本📷

ファインダーをのぞきながらでも、操作しやすいことがポイントです。

再生ボタンと削除ボタン

再生ボタン削除ボタンは、カメラの背面の左側、モニターの上にあります。

画像の確認と削除がスムーズにできる仕様になっています。

動かしやすいフォーカスレバー

ピント位置を決めるためのフォーカスレバーが、カメラの背面に付いています。

十字キーでフォーカスポイントを決めるよりも感覚的に操作することができるので、ピント合わせをよりスムーズに行うことができます。

縦方向にも動く液晶モニター

液晶モニターは3方向に動くチルト式。残念ながら180度回転型ではないため、自撮りはしづらいです。

この液晶の便利な特徴が、縦方向にも液晶が動くこと縦構図でローアングルから撮影する時も、構図の調整などを無理なく行うことができます。

接続端子は「USB Type-C」を採用

X-T3は接続端子にUSB Type-Cを採用しているため、モバイルバッテリーとUSB Type-Cのケーブルがあれば充電することが可能です。

フジフィルムのカメラは全般的にバッテリーが持ちづらいため、外出先でも充電できる機能は重宝します。

SDカードが2枚入るダブルスロット搭載

X-T3のSDカード挿入口はカメラの右側に付いており、SDが2枚入るダブルスロットとなっています。

ダブルスロットは、撮影枚数が多い時やRAWとJPEGを分けて保存したい場合などに非常に便利。プロが使う場合も安心なので、「今後写真を本格的に取り組みたい」と考えている方には特に使ってほしいです。

実際に私も最初はシングルスロットのカメラを使っていましたが、ダブルスロット対応のカメラを使ってからは、その便利さの虜になりました。

今はシングルスロットに戻れません。

カメラを始めたばかりの方でも、写真を上達させるには、とにかくたくさん撮ることが重要。

上達スピードを上げるためにも、ダブルスロットのカメラを使用して、ストレスなく撮影することはおすすめです。

X-T2から大きく進化!X-T3とX-T2の比較

先行機であるX-T2から大きく進化したX-T3。具体的にどのような点が改善されたのか、ポイントごとに説明します。

更に確認しやすくなったファインダー

X-T2からX-T3への変化の中で、まず感動したのがファインダーの覗きやすさ

X-T2では236万ドット・35mm換算で倍率0.77倍のEVFが搭載されていたのに対し、X-T3では369万ドット・35mm換算で倍率0.75倍のEVFを搭載しています。

ファインダーがより高画素化したことで、より高画質な画面を確認しながらシャッターを切ることができるので、撮影時のストレスがかなり軽減されました。

ちなみにX-T30のファインダーはサイズが小さく、画素数も236万ドット・倍率0.62倍と落ちるため、しっかりファインダーを見て撮影したい方はX-T3以上の機種を選ぶことをおすすめします。

イメージセンサーと画像処理エンジンの刷新

Fujifilm公式ホームページより引用

X-T3で新たに搭載されたイメージセンサー「X-Trans CMOS 4センサー」と画像処理エンジン「X-Processor 4」

独自のカラーフィルター配列を用いることで、多くのフジフィルムファンを魅了させている「発色の良さ」を実現している要の部分。このセンサーと画像処理エンジンが第4世代に進化し、X-T3に初搭載されました。これは最上位機種であるX-H1にも搭載されていません。

センサーは、裏面照射型構造を採用することで、解像度を向上し、ノイズ軽減にも繋げることができました。常用ISO感度も200から160になり、日中もより低感度で撮影することが可能に。
画像処理エンジンは、フィルムシミュレーション機能を向上させ、より多彩な色調・階調表現ができるようになりました。

AF機能の向上

画像処理エンジンが「X-Processor 4」へ進化したことで、さらなる高速・高精度AFが実現しました。

なんと従来比で3倍も処理能力がアップしています。

特に顔・瞳認証については検出性能が2倍も向上し、これまでできなかったAF-Cモードでも瞳AFを使用することができるようになりました。

Fujifilm公式ホームページより引用

この機能があれば、動物や子どもなど動く被写体も問題なく撮影することができるので、重宝すること間違いありません。

バッテリー稼働時間が増えた

X-T3に対応するバッテリーは、これまでと同じくNP-W126Sが採用されています。

同じバッテリーなら、撮影可能枚数も同じ・・・と思いきや、なんと撮影可能枚数はX-T2と比較して50枚ほど増えています。

X-H1と比較するとX-T3の方が80枚ほど多く撮影できるので、バッテリーの稼働時間は他機種と比較して長くなっています。

バッテリー持ちの悪さはフジフィルムのウィークポイントなので、この改善は本当にうれしいです。

大きく進化した動画性能

X-T2では4K/30p100Mbpsで連続最大約10分までだった動画撮影が、X-T3では4K/60p400Mbpsで連続最大約30分まで可能となりました。

X-H1でも4K/30pでしか撮影できないので、より滑らかに長時間撮影ができるようになったX-T3の動画性能は、大きな進化と言えるでしょう。

ただし、X-T3は手振れ補正を搭載していないので、動画として使用する場合は手振れ補正機能が搭載されたレンズを選ぶ必要があります。

Fujifilmの他機種と比較したX-T3の魅力

フラッグシップ機以上の最上位センサー・画像処理エンジンを搭載

フジフィルムの最上位センサー・画像処理エンジンを搭載しているカメラは現時点で「X-T3」「X-T30」「X-Pro3」のみであり、フラッグシップ機である「X-H1」には搭載されていません。

そのため、AF速度や色の再現性はX-T3の方が高性能。実際に私はX-H1もX-T3も持っていますが、ピントの合うスピードや発色はX-T3の方が優れているため、手振れ補正が必要な時以外はX-T3を使用することが多いです。

上位機種でありながら、比較的軽くて持ち運びやすい

X-T3の重さはバッテリー・SDカード込みで539gと比較的軽量。

X-H1と比較すると約100gも違うので、持ち運びが非常に楽です。もちろん下位モデルと比較すると大きくて重いですが、ファインダーの性能が良く、防塵防滴機能がついた上位機種と考えると、十分に持ち運びやすい方だと考えます。

同じセンサーを使っているX-T30はX-T3の下位モデルであり、X-T3と比較して小さくて軽いのですが、ファインダーが小さく、防塵防滴機能やダブルスロット機能がありません。

逆に、旅行やお出かけで少し使う程度で、天気の悪い日や砂ぼこりの中で使う予定もないのであれば、X-T30の方が値段も安くて軽いのでおすすめです。

Fujifilmの他機種と比較したX-T3の弱点

手振れ補正がない

フジフィルムのカメラで手振れ補正が付いているカメラは、2020年1月現在で「X-H1」のみ。

どこよりも分かるFUJIFILM X-H1レビュー!最強ミラーレスを徹底解説!

「X-T3」に手振れ補正機能は付いていません。

レンズ側に手振れ補正が付いていれば問題ないのですが、フジフィルムのレンズは手振れ補正が付いていないものが結構あります。

趣味で撮影する程度ならそこまで問題ありませんが、暗所など条件の悪い場所での手持ち撮影や動画撮影をメインにしたい人、仕事での撮影を想定している場合は、気を付けてください。

実際に使ってみて感じたX-T3のすばらしさ

圧倒的に美しい発色

実際に「X-T3」と「X-H1」をどちらも持って撮影に行くことが多いのですが、「X-T3」の発色の良さには驚くことが多いです。

同じような条件・場所で撮影した写真を同じようにレタッチしても「X-T3」で撮影した写真の方が繊細な色が出ていて、同じ色になかなか近づけません。

下記の写真はそれぞれ同じ時間帯・ほぼ同じ設定で撮影し、同じ数値でレタッチした写真です。若干ですが、X-T3の方が青や緑の発色がきれいに見えます。

X-T3で撮影

X-H1で撮影

AFの速さに感動

最新の画像処理エンジンを搭載しているということで、目に見えてAF性能が上がっています。

特にXF35mmF1.4というフジフィルムユーザーの中では特に人気の高いレンズがあるのですが、古いレンズであるためピントが合うまでにかなり時間がかかってしまいます。

しかし、X-T3に付けて撮影したところ、ピントが合うまでの時間が今までに比べて大幅に短縮されていました。

写りが素晴らしいレンズなので、少しでも実用的になってくれたことに感動です。

持ち運びたくなるかわいいデザインに夢中

Fujifilmのカメラは、クラシカルでかわいいデザインのものが多く、この「X-T3」もその例に洩れません。

レトロで絵になるデザインはどこにでも持っていきたくなるほど素敵で、被写体としても有能。

お気に入りのデザインのカメラを選ぶと、自然とカメラを触る回数が増えることから、上達にも繋がります。

「カメラって何を選べばいいのかわからないけれど、X-T3がかわいくて一目惚れしそう・・・。」と思う方は、このカメラを選んで間違いありません!

他社のカメラとの比較

「X-T3」のライバル機として挙げられる他社カメラの1つが、SONYから発売されている「α6600」
2019年11月に発売されたばかりであり、SONYのAPS-Cセンサー搭載機の中で最上位機種となります。

SONY 公式サイトより引用

重さは503gと軽量で、ボディ内手振れ補正ありAFも世界最速0.02秒を実現していて、X-T3と比較して勝っている部分が非常に多いです。

ただし「α6600」は、ファインダーが比較的小さく、シングルスロットということで、プロ並みの機能を求めている人には少し物足りません。その割に価格が「X-T3」とあまり変わらないため、入門機として考えるなら若干割高にも感じます。

フジフィルムを好んで購入する方は、「フジフィルムの色が好き」である方が多く、機能だけで他社と比較することが難しい面があります。

控えめな彩度でシックな色合いを再現した「クラシッククローム」や映画のような豊かな諧調とシャドウトーンが特徴な「エテルナ」など、多数のフィルムシュミレーションが設定可能。

PROVIA(標準)で撮影

クラシッククロームで撮影

エテルナで撮影

また、ダイナミックレンジ400%に設定することで、暗部を明るく持ち上げて、明部は白飛びせずにしっかり残し、目で見たままの明暗差を表現することができます。

ダイナミックレンジ400%で撮影することで、露出を上げても色が白飛びしない

 

機能だけで選ぶと他社のカメラの方が魅力的に映ることも多いですが、美しい発色や総合的な機能・コストパフォーマンスから考えると、X-T3が最良の選択になることもあるでしょう。

キットレンズについて

Fujifilm公式ホームページより引用

X-T3のキットレンズは、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISXF16-80mmF4 R OIS WRのどちらかが選べる仕組みとなっています。

値段としては、XF18-55mmよりもXF16-80mmの方が2万円ほど高額。というのも、それぞれのレンズ単体で購入した場合、 XF16-80mmの方が約4万円高額なので、この値段の差は納得できます。

XF18-55mmは、撮影できる画角がXF16-80mmと比較して狭いですが、最小の絞り値がF2.8であることから、室内など暗い場所で撮影する時に使い勝手が良いです(ただしズームするごとに最小F値は上がります)。

XF16-80mmは最小絞り値が4なのでそれ以下に下げることはできませんが、35mm換算で24mm~120mmまでカバーできる焦点距離の長さは魅力です。

正直どちらも非常に良いレンズなので、選ぶ際には焦点距離と絞り値・値段を考えて、ご自身の撮影スタイルに合う方を購入することをおすすめします。

中級から上級を目指す方にぜひ使ってほしいカメラ

最新のイメージセンサー・画像処理エンジンを搭載しているにもかかわらず、持ち運びしやすい大きさに収まっているX-T3は、カメラ中級者から上級者にとって非常におすすめなモデル。

私も「おすすめのカメラは?」と聞かれたら、迷わず「私が好きなのはX-T3」と答えます。

プロの中でもファンの多いこのカメラで、フジフィルムの色を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか?

少しでも気になった方は、ぜひレントリーでレンタルして使ってみてください。

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