皆さんはカメラの「ISO感度(あいえすおー・かんど)」をいじったことありますか?
ISO感度とは、一眼レフやミラーレスを自分で操作して撮影する(マニュアル撮影)には必要不可欠な要素です。ノイズや手ブレを防ぐために重要な役割を担っています。
例えば、夜景や星空など暗いシーンで写真を撮る場合にISO感度を使いこなすと、ブレの少ない綺麗な写真を撮ることができます。
そこで今回は、カメラマンならぜひ知っておきたい「ISO感度」についてわかりやすく解説していきます!
⇒初心者でもできる!ミラーレスで夜景を100倍キレイに撮る方法
目次
ISO感度の前にカメラの仕組みを理解しよう!
一眼レフやミラーレスはレンズから入ってきた光をイメージセンサーという部品で記録して、 画像データ(写真)を記録します。 フイルムからイメージセンサーに変わった、 という点以外は100年前からこの仕組は変わっていません。
そのまま光を通すだけでは写真が明るすぎたり暗すぎたりするので、 レンズやカメラ内の「絞り」や「シャッター」という部品で光の量を調整します。
「絞り」と「シャッタースピード」では調整仕切れない場合にISO感度が便利!
しかし、 「快晴の屋外」と「夜の屋外」とでは周囲の明るさが違いすぎます。 ここまで明るさが違ってくると、 さすがに絞りやシャッタースピードの調整だけでは間に合いません。
もし、なんとかなったとしても
暗い場面なのでシャッタースピードを長く(遅く)する
手ブレの原因
明るい場面なので絞りを絞る(f値を小さくする)
背景をぼかせない
など、 絞りとシャッタースピードだけで明るさ(露出)を調整できない場合があります。
そんな時に便利なのが「ISO感度」という設定です。
シャッタースピードについて知りたいかたはこちらの記事を読むとよくわかります!
⇒シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!
ISO感度とは、「光を感じ取る能力」の大きさのこと!
ISO感度とは、「光を感じる取る能力」のことで、読み方はアイエスオー感度または、イソ感度と読みます。
具体例をあげると、ISO感度を2倍 = 光の量を2倍にすることです。
例えば、マニュアル(M)モードで、ISO感度を800から1600に変更すると、 イメージセンサーの「光を感じ取る能力」が2倍になって、 写真の明るさが2倍になります。(自動モードの場合はカメラが絞りやシャッタースピードを調整するので明るさは結果変わりません)
ISO800からISO3200にすれば4倍に。最近の一眼レフやミラーレスは限界がISO25600くらいのものが一般的なのですが、 ISO25600にすると明るさは32倍ということになります。
逆に、 ISO800からISO200にすれば、 光の量は4分の1ということになります。
ISO感度を調節して、 光を感じ取る能力を2倍・3倍すれば暗いところでも難なく撮影できるし、 2分の1・4分の1にすれば明るいところでも余裕というわけです。
ISO感度で大雑把に明るさを決めて、 絞りとシャッタースピードで微調整
上述のとおり絞りとシャッタースピードだけで明るさ(露出)を調整することが難しいときは、 はじめにISO感度の設定を見直してみましょう。 以下は参考ですが
- 日中屋外で撮影するときはISO 100~400
- 日中の明るい室内ならISO 400~800
- 夜の暗い室内だとISO 1600~3200
- 夜祭くらいならISO 3200~6400
ざっとこんな感じ。 あくまでも目安です。 こんな感じに周囲の状況・明るさに応じてISO感度を決めておいて、 その後絞りやシャッタースピードで露出を微調整します。
絞り優先オートなどで撮影するときでも、 ISO感度は上記のように自分で決めておけば手ブレなどの失敗を防ぐことが出来ます。
ISO感度を高くするとシャッタースピードを速くできる
ISO感度を高くすると、 手ブレや被写体ブレを防ぐことが出来ます。
どういうことかというと、 手ブレを防ぐためには通常シャッタースピードを速くする必要があるのですが、 体育館の中など、 周囲が暗くてそう簡単に速くできないことがあります。
そんなとき、 ISO感度をちょっと高めにすれば、 余裕を持ってシャッタースピードを選ぶことができます。
状況によりますが、 シャッタースピードを1/250~1/500秒以上にすれば手ブレは殆ど防ぐことができます。
ISO感度と写真のノイズには密接なつながりがある
「ISO感度を高くするとノイズが増える。 ISO感度は高くしてはいけない」なんていう話、 誰かに聞いたことありませんか?
残念ながら前半部分はホントの話です。 最初の方に書きましたが、 ISO感度を高くするというのはイメージセンサーの「光を感じ取る能力」を高くするということ。
でも、 光を感じ取る能力を高くするとそれと同じだけノイズも余計に感じ取ってしまいます。
具体的にはISO100(一番低い状態)だとノイズが一番少なくて、 800くらいまではノイズは殆ど発生しません。 1600~3200くらいにするとノイズがじわじわ出てきて6400を超えるとはっきりわかるようになります。
参考までに初心者向けとしては文句なしの一眼レフ、 EOS Kiss X9iでISO感度を変えて何枚か撮影し、 中央部分のみを切り取ってみました。
ISO感度を上げるのに応じてシャッタースピードを高速にしているので明るさはどれも同じです。
画像の上中央、 茶色~青色のグラデーション部分や右側の “Mt. R~”の文字の周辺が、 ISO感度が高くなるとボサボサしてくるのがわかりますか?
もう少し拡大してみました。 実はISO感度が上がるともっとノイズが増えるはずなんですが、 カメラの映像処理エンジンがノイズ除去を行っているのでそこまでノイズは増えないのです…
メーカーもこのノイズが増えないように努力していて、 新しい機種ほどノイズが発生しにくくなっています。 それでもISO感度を高くするとそれに比例してノイズは増えてしまいます。
では、 「ISO感度は高くしてはいけない」というのはどうでしょうか?
たしかに写真のノイズは少ない方がいいですが、 ISO感度を低くしすぎると今度は手ブレや被写体ブレの原因になります。
一般的には、 「手ブレしまくった写真」よりも「多少ノイズが目立ってもぶれてない写真」のほうが評価されることが多いと思います。
写真雑誌などでもノイズだらけの写真が掲載されることはあっても、 手ブレした写真が掲載されることはまれです。
ISO感度もオートにできる
ISO感度の設定はカメラ任せにすることもできます。
カメラの設定画面で「ISO AUTO」に設定すれば、 状況に応じてISO感度を自動的に調整してくれます。 最初のうちはこれで感覚を掴んで、 慣れてきたら自分で選択するというのもアリ。
同じ「日中の屋外」でも、 日の当たっている場所と日陰になっている場所とでは明るさがかなり違います。 ストリートスナップなどしている時、 いちいちISO感度を変更するのが億劫になることがありますが、 そういうときにもISOオートは便利ですね。
常用ISO感度、 拡張ISO感度とは?
メーカーのスペック表などを見ていると「常用ISO感度: 最大12800 拡張ISO感度: 最大25600」みたいな表記があります。 この違いは何でしょうか?
答えはズバリ「ノイズの量」です。 上の画像はEOS 9000Dの製品ページのものですが、 この機種の場合
- 常用ISO感度(100〜25600)ならノイズの量は少なく、 実用に耐える品質
- 拡張ISO感度(51200)だとノイズの量が多いが、 それでも撮影したい人向け(報道関係など)
拡張ISO感度にすると(高感度側では)無視できない量のノイズが発生してしまいます。 「フラッシュ禁止だけど遊園地のアトラクションを撮影したい」なんてときなどに使えます。
入門機などでは拡張ISO感度の設定がないこともあります。
まとめ
ISO感度を変更してもノイズの量が変化する以外には目に見える大きな変化がないためあんまり注目を集めない機能かもしれませんが、 絞りやシャッタースピードと同じように「露出」を構成する重要な要素です。
また、 手ブレや被写体ブレなどを防ぐという意味でもぜひとも覚えていただきたいです。
- 「ISO感度」はカメラが光を感じ取る能力のこと
- 最初に周囲の明るさに応じてISO感度を大雑把に決めて、 次に絞りやシャッタースピードで微調整する
- ISO感度を高くしすぎるとノイズが増える
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