シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!

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カメラを利用しているとよく出てくるのが「シャッタスピード」という言葉。

このシャッタースピードとはいったいどういうものなのか、写真がどう変化するのかなど気になる方もいますよね。

今回は「シャッタースピード」についての基本的な知識を実際の写真を用いて解説していきます。

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この記事を読んでわかること
  • カメラのシャッタースピードの意味
  • シャッタースピードをコントロールするメリット
  • シャッタースピードによる写りの変化

そもそも一眼レフ・ミラーレス一眼のシャッタスピードとは何なのか

デジタルカメラにおける写真は、レンズを通過してきた光の像撮像素子(センサー)に適切な量と時間で照射されることで写真として写り記録されます。シャッター幕の開閉のスピードで、センサーに光の像が照射される時間が調節され、ちょうど良い明るさの写真を写すことが出来るのです。初めてシャッタースピードをコントロールして撮影がしたい時はS(シャッタースピード優先)の撮影モードに設定するとよいでしょう。

シャッタースピードとは
シャッタースピードとは、レンズとシャッターの間にあるシャッター幕が開閉する時間のことを指します。

シャッタースピードを理解することで得られる3つのメリット

撮影の失敗を減らせる!

シャッタースピードを理解することで、より確実な写真撮影技術が身につきます。例えば、どのくらいのシャッタースピードなら手ぶれを防ぐことが出来るのか理解すれば、写真のブレを防ぐことが出来ます。

また、写真を撮ってみて真っ白だったり真っ黒に写ってしまうような場合に、シャッタースピードを理解して調節することで適切な明るさの写真を速やかに撮れるようになります

被写体の時の流れを操れる!

大げさな言い方かもしれませんが、シャッタースピードはカメラで世界を写し撮る時間です

シャッタースピードを操ることで、止まった時間や世界の動きを一枚の写真に残すことまで出来るのです。シャッタースピードは、写真の表現の要素としても最も重要なのです。

F値、ISOを余裕を持って変えられる

シャッタースピードと深く関わるあと2つの写真の3大要素であるF値、ISOを同時に理解していることで、より深く写真撮影の技術を理解することが出来ます

ノイズを減らすためにISOを下げたいときや、被写界深度を変えたり解像度を上げるためにF値を上げたいときに、シャッタースピードを上げることでそれらの表現が余裕を持って行えるのです。

編集部

シャッタースピードがわかると、カメラがもっと楽しくなる!

関連記事:ISO感度とは?これを理解すればノイズを減らせます!

シャッタースピードの設定に対する基本的な考え方

ではシャッタースピードは、どんなシチュエーションでどのように変化する(してしまう)のでしょうか。基本的には、以下のような考え方が出来ればシャッタースピードについての理解を深められるでしょう。

シャッタースピードを早くする(できる)場合

被写体が明るいとき

十分な明るさが被写体にある場合は早いシャッタースピードでも明るく写せます。白い砂浜や日中の雲などを被写体にすると、かなり早いシャッタースピードになります。

このような物を遅いシャッタースピードで撮影すると、真っ白に「白飛び」した写真になってしまいます。

物の動きを止めて写したいとき

何百、何千分の1秒の一瞬の光をセンサーに照射することで、瞬間を写真に捉えられます。しかし被写体が暗い場合は早いシャッタースピードでは十分な量の光が得られず、暗く写ってしまいます。そのようなときはISOを上げるか、フラッシュを用いる事などでシャッタースピードを上げられます。

F値を低くしたとき

F値が低い(絞りが開いている)と多くの量の光を取り込めるので、その分シャッタースピードを短く出来ます。

シャッタースピードを遅くする(できる)場合

被写体が暗い場合

十分な量の明るさが被写体に無い場合は、シャッタースピードを長くすることで明るくなるように写せます。

ISOを上げることでも明るくできますが、あまり上げるとノイズが目立つようになってしまいます。三脚を使って余裕のあるシャッタースピードで撮影するのが無難です。

物の動きを表現したいとき

露光時間中は、映し出されている物の動きがすべて記録されます。三脚で撮影して物の動きを記録したり、被写体のみをレンズで追い背景の動きを表現する流し撮りをすることなどで物の動きを表現できます。

露光時間は光をセンサーに焼き付け描写する時間

焼き付けるというと少しこわい表現かもしれませんね。センサーに光を蓄積させ描写する時間、とも言い換えられますでしょうか・・・。シャッタースピード(露光時間)の間センサーは、レンズと開いたシャッターを通過してきた光の像を記録し続けます。その間被写体からの光はセンサーに照射された時間・量の分明るく写ります。なんとなく理解していただけたら幸いです。

シャッタースピードの数値の表現

シャッタースピードのみならず、F値やISOもですが、設定値の数値は1段2段・・という数え方・考え方をします。シャッタースピードの場合、「1段早く(暗く)する」ことで「2分の1のシャッタースピード」、「1段遅く(明るく)すること」で「2倍のシャッタースピード」になります。1/30のシャッタースピードを1段遅くして1/15に・・・といった具合です。

またシャッタースピードがカメラの液晶に表されるとき、1秒以下の場合は何分の1秒のシャッタースピードなのかが表示されます(1/2000秒のばあい2000と表示される)。そしてシャッタースピードが1秒以上の場合、数字の右上に「”(ダブルプライム)」が表示されます(20秒の場合20”と表示される)。

動きの表現の方法

シャッタースピードを遅くすることで、動きのある被写体の残像や光跡を写すことができます。また、動いている被写体をレンズで追いながら撮影(流し撮り)することで背景の動きを記録し、被写体の躍動感を出すこともできます。

関連:【長野】白樺峠 圧巻の鷹の渡り撮影レポ&飛行する野鳥の撮影法紹介!

高速シャッターで被写体の動きを止める

高速シャッターを切ることで、被写体の動きを止めて撮影できます。被写体の動きにもよりますが、1/1000以下のシャッタースピードにすれば大体のものの動きは止めて撮影できます。

関連:【美しい日本の野鳥たち】一眼レフで野鳥を撮影するテクニックをご紹介

シャッタースピードと水の流れと印象

水の動きを撮影するときのシャッタースピードは、おおよそ1/2秒以上で流れが滑らかに写り、1/500秒以下で水のしぶきの動きが止まって写ります。水の動きを止めると水流の荒々しさを表現でき、長いシャッタースピードで水の流れを写すとやわらかく滑らかな表現になります。

シャッタースピードごとの水の動きの写り方

シャッタースピード2秒で撮影。水の流れは完全に繋がって写り、輪郭もぼんやりとしていて滑らかな写りです。水面が平らに見えているところにも注目。

1/2秒。まだ滑らかな写りをしていますが、落ちていく水の軌跡が少し見えます。

1/10秒。水の動きの輪郭が見えてきました。

1/50秒。水滴一つ一つとその軌跡が見えてきました。荒々しい水流の形も出てきています。

1/320秒。おおよそ動きが止まって見えてきました。下の方の動きの速いところの水はまだブレて写っています。また撮影時に降っていた雨の粒もこの一枚から写り始めています。

1/1000秒。水の動きはほぼ完全に止まって写っています。

長時間露光で肉眼を超えた表現

シャッタースピードを長くするセンサーに照射される光の量も増えるので、暗い場所の被写体でも肉眼以上の明るさで写すことができます。天の川も肉眼で見るのはなかなか難しいですが、カメラを通せばクッキリと写し出すことが出来ます!

25秒で撮影。天の川のある夜空を見ていると、人間の目も数十秒分の露光をしたら明るく見られる機能があったらいいのに・・・と思ってしまいます

NDフィルターとスローシャッター

動きを表現するためにシャッター速度を遅くしたくても、すでに被写体が明るい場合どうしても白飛びしてしまう場合があります。そのような場合は、減光フィルター(NDフィルター)を用います。NDフィルターを用いることで、レンズに入る光を物理的に減らすことができ、F値やシャッタースピードの表現の幅を広げる事が出来ます。

例えば日中に滝や渓流、波打ち際などの水の流れをスローシャッターで撮影したい場合、光量が多すぎて白飛びしてしまうほか、シャッタースピードを稼ぐためにF値を上げすぎてしまうことによって画質が低下する回折現象が起こってしまいます。NDフィルターを用いる事で画質を白飛びを防ぎながら水を綺麗に撮影することができます。

明るい環境でも被写体が暗く写ることにより、シャッタースピードをより長く、F値をより低くすることが出来るようになるのです。

また、NDフィルターは減光効果の強さによって、ND○○と数字が振られています。ND4なら2段分、ND8なら4段分の減光効果となり、数字が大きくなるほど減光効果は大きくなります。

関連:レンズに「保護フィルター」は必要? 付ける理由とおすすめ製品3つ紹介

関連:滝や花火の撮影からポートレートまで!表現を広げるNDフィルターの選び方と使い方

バルブ撮影でより長い時間の流れを写し出せる

バルブ撮影とは、撮影者がシャッターボタンを押している間シャッターが開き続ける撮影モードです。

デジタル一眼ではダイヤル操作などでシャッタースピードを一番長くなる方へ操作するとシャッタースピードがbulbと表示され、バルブ撮影が出来ます。

長時間の露光が前提となり、シャッターボタンを押したままにしなくてはならないので三脚とレリーズは必須となります。バルブ撮影を用いればや月が線を描いたような写真が撮れたり、花火をベストなタイミングでとることが出来たりします。

手ブレを防ぐために

シャッタースピードを上げることで手ブレによる失敗を防ぐことができます。

レンズの焦点距離(35㎜換算)分の1のシャッタースピードが手持ち撮影での手ぶれを防ぐ限界のシャッタースピードだとされています。

例えば、50㎜のレンズで撮影する場合、1/50より速いシャッタースピードで撮影すれば、手ぶれを防ぐことができます。

また、望遠レンズを用いる際や手ブレを起こしそうなシャッタースピードで撮影するときはカメラを顔面にくっつけ体を動かさないようにしましょう。壁や柱などがあれば寄りかかることで体を寄り固定できます。

最近のカメラボディやレンズは強力な手ぶれ補正機能を搭載したものも多いので、購入の段階でそういった機能を重視して選ぶのも良い手段ですね。

手ぶれ補正とシャッタースピードの関係

カメラやレンズの手ぶれ補正を効かせることで手ブレの起きた写真を撮ってしまう可能性を下げるだけでなく、本来手ぶれが起きてしまうシャッタースピードよりもさらに遅いシャッタースピードで撮影することが可能になります。

製品の手ブレ防止機能を各メーカーが謳う際、「○段分の補正効果」などと書かれています。これはシャッタースピード○段分の補正効果ということで表記されているのですが、撮り方によって効果も変わってくるので鵜呑みには出来ませんが、補正が効く段数が多く表現されているほど効果があることには間違い無いでしょう。

フリッカー現象を防ぐために

室内で速いシャッタースピードで撮影したときに、暗く写ってしまったり変な色味で写ってしまった事は無いでしょうか。

これは蛍光灯の特性によって引き起こされる、フリッカー現象というものです。蛍光灯は一見光を発し続けているように見えますが、実は高速で明滅を繰り返して光って見えているのです。切れかかって性能の落ちた蛍光灯がチカチカと光っているのはこの為です。

明滅の速さは1秒間に100~120回と肉眼で認識できる速さではありません。ですが、カメラで100~120/1のシャッタースピードで撮影すると、明滅の暗くなった瞬間を撮影してしまうことがあり、暗い露出で写ってしまったりおかしな色合いで写ってしまう可能性が出てくるのです。

蛍光灯下でそのような現象に見舞われた場合はシャッタースピードを100/1より遅くしましょう。

1/500秒の同じ条件で連写撮影した4枚。見事にフリッカー現象が起き、明るさと色合いが安定していません。

1/50秒で撮影。フリッカー現象は起こっておらず、何枚撮影しても同じ明るさ・色合いになりました。

シャッタースピードのまとめ

シャッタースピードを理解すれば、確実に・表現豊かに写真が撮れるようになるワケ、お分かりいただけたでしょうか?あとはさらにISOやF値との設定のバランスの取り方さえわかれば「脱・一眼レフ初心者」と言えるでしょう!

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関連記事:【初心者講座】一眼レフ初心者がまず知るべき写真の3つの要素

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