カメラを使ってる様々なモードが出てきてどれを使うべきなのかこんがらがりますよね。この各モードを使い分けることが脱初心者の一歩かもしれません。
- 手振れでぶれた写真になってしまう
- 背景がうまくボケない、ぼかしたくないところまでボケてしまう
- 明るすぎる、暗すぎる写真になってしまう
今回はこのカメラの各モードたちを解説します!どんな状況でどのモードを使えばいいのか一緒に見ていきましょう!
今回、例に使用するカメラはCanonの「EOS Kiss X9」です。
他のCanon以外のメーカーのカメラでは表記が違う違う場合がありますが、そこもまとめていくので要チェックです!
目次
カメラのモードは大きく分けて5種類
カメラの左肩に文字が書かれているダイアルがありますね。そこでカメラのモードを切り替えることができます。
ほとんどのカメラには5種類のモードがあります。それが以下の5つです。
モードの名称 | |
---|---|
AUTO |
全自動モード 全ての設定をカメラが自動で決めてくれる |
Pモード |
プログラムAEモード 絞り値(F値)とシャッタースピードをカメラが自動で決めてくれる(ISO感度は自分で設定) |
S(Tv)モード |
シャッター優先AEモード 絞り値(F値)をカメラが自動で決めてくれるcanonのカメラはTv表記 |
A(Av)モード |
絞り優先AEモード シャッタースピードをカメラが自動で決めてくれるcanonのカメラはAv表記 |
Mモード |
マニュアルモード 絞り値、シャッタースピード、ISO感度をすべて自分で設定する |
- シャッタースピード?
- 絞り値?
- ISO感度?
こんな難しい言葉が出てきましたね…
一度、これらの言葉を整理してみましょう!
シャッタースピード
シャッタースピードはシャッターを開けておく秒数のことです。
この数値が大きいと光を多く取り込むので明るく、逆に小さいと光をあまり取り込めないので暗くなります。
ただカメラでは1秒もシャッターを開けていることはあまりないので、1/250とか1/4000とかの分数で表記してあるので注意ですね。
ジョンくん
そんな方はこちらの記事で詳しく紹介します!
シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!絞り値(F値)
この絞り値、Wikipediaには”レンズの焦点距離を有効口径で割った値”と書かれています。
???って感じですよね。
カメラのレンズは中に絞り羽根というものが入っていて、その絞り羽根を動かすことで光の量を調節しています。
下の画像はレンズを正面から見たときの絞り羽根です。
絞り値が大きいと光の入る穴が小さいのがわかりますよね。
絞りを水門、光を水に例えるとわかりやすいです。水門を目いっぱい開くと大量の水が入ってくるのに対して、少ししか水門を開けないと入ってくる水は少量になります。
それと同じで絞り値(F値)が小さいと入ってくる光が多くなり、絞り値(F値)が大きいと入ってくる光が少なくなります。
水門と水で例えた場合シャッタースピードは水門を開けておく時間です。水門の開き具合と開けた時間を掛け合わせると合計の水の量、つまり写真の明るさになるわけですね。
絞り値はシャッタースピードや後述のISO感度と違い、数字が小さいほうが明るくなるので注意してください。
ちなみに絞り値が小さいとボケの大きい写真を撮ることができます。背景をぼかした写真を撮りたい方は、ぜひ絞り値を小さくしてみてください!
また、F値がどれだけ変えられるかはレンズによって異なっています。比較的安価なズームレンズだと、開放F値がF3.5程度のものが多く、高級な単焦点レンズだと開放F値がF1.4のものなどがあり大きく変わってきます。
マコちゃん
ジョンくん
そんな方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
F値って何?脱初心者のためのカメラの基本📷ISO感度
最後の一つ、ISO感度です。これはカメラのセンサーでどれだけ光を読み取った光を増幅させるかの指標です。
デジタルカメラはセンサーで光を読み取りますが、この時に電気信号を増幅させることで写真の明るさを調節することができます。
ISO感度を100から200に上げた場合、撮れる写真は2倍の明るさになります。
ただし、ISO感度は上げすぎると写真にノイズがのってしまうので注意が必要です。
ジョンくん
そんな方はこちらの記事で詳しく紹介します!
ISO感度とは?これを理解すればノイズを減らせます!露出補正
カメラの設定で「これも使えると便利!」というものに露出補正があります。これは、この次に紹介するAUTOとMモード以外で使える設定です。
例としてSモードで撮影した写真をもう少し明るくしたいとします。
しかしSモードは自分で設定したシャッタースピードに対して絞り(F値)を変えて写真の明るさを一定に保とうとしてしまいます。じゃあSモードでは明るさを変えられないのかというとそうではなくて、露出補正をプラスにすればカメラがそれに応じて設定を変えて明るい写真を撮影できるようになります。暗くしたい場合は露出補正をマイナスにすれば解決です!
この露出補正を使いこなせれば怖いものはありません!
さて、単語の意味を簡単に知ったところで、さっそく各モードについて見ていきましょう。
AUTOモード
まずはAUTOモードです。このモードではカメラがすべての設定を考えてくれます。
撮りたいものをAF(オートフォーカス)のフレームにあわせて、シャッターボタンを押すだけで写真を撮ることができます。
一番簡単に写真が撮れるモードですが、設定を自分で変えられないため、手振れが目立ったり、背景がボケなかったりと思っている写真と違う写真になってしまうこともしばしば…
しかし、最近の入門機のカメラは仕上がりのイメージを設定することで、思い通りの写真を撮れるなどAUTOとは言っても充実しているようです。実際にこのモードだけでもきれいな写真は撮れそうですね。
ただ、ホワイトバランスやAFの設定などは変えることができないため、ステップアップをしたい方には他のモードをおすすめしたいですね。
マコちゃん
Pモード – プログラムAE
このモードは絞り値とシャッタースピードを自動で決めてくれるモードです。
あれ?それってAUTOと一緒じゃない?と思った方!鋭いです!
しかし、PモードにはAUTOにはない魅力があるんです。
PモードはISO感度やホワイトバランス、露出補正、AFモードなどAUTOでは設定できない様々な設定が変えられるようになります。
逆に言えば、絞り値とシャッタースピード以外はすべて自分で設定できるモードとも言えますね。
これらを設定できると撮影できる写真の幅がいっきに増えますね。
また、初心者の方が露出設定(絞り、シャッタースピード、ISO感度)の関係を覚えるのにもおすすめのモードです。脱AUTOモードを目指している方は使ってみてください!
S(Tv)モード – シャッター優先AE
次にS(Tv)モードです。これはPモードからシャッタースピードを自分で設定できるようにしたモードです。
自分で設定したシャッタースピードとISO感度から最適な絞り値をカメラが設定してくれます。
シャッタースピードを自分で設定できると、人や水がサーっと流れる写真や、ピタッが止まった写真など様々な表現ができます。
このような写真はオートモードはもちろん他のPモードやAモードでは撮ることができません。後で出てくるM(マニュアル)モードで撮影することができますが、絞りの設定もいじらなければならなく大変で時間がかかります。
またこのモードを使うことでシャッタースピードが遅くて手振れしてしまうことを防ぐことができます。手振れに悩んでいる方は使ってみてください。
A(Av)モード – 絞り優先AE
これは先ほどのSモードとは別で、Pモードから絞り値を自分で設定できるようにしたモードです。
個人的にはMモードの次に使っているモードです。
まず絞り値についておさらいすると、F値が小さいほど写真は明るくボケが大きく、F値が大きいほど、写真は暗くボケが小さくクッキリした写真になります。
シャッタースピードはある程度の速さであれば手振れせずに撮影できますし相当シャッタースピードを長くしない限りあまり写真の印象を変えることはありません。それに対しF値の大小は写真のイメージに大きく影響します。
後ろに綺麗な玉ボケができていますね。これはF値を低くしないと撮れません。
そんな重要な絞りの設定をカメラに任せて撮るのは少し怖いので自分で設定できるこのモードはおすすめです。
M(マニュアル)モード
最後に紹介するのはMモードです。マニュアルのMからきているこのモードはその名の通り、シャッタースピードと絞りの両方を自分で設定するモードです。なんでそんなに面倒くさいモードがあるのかというと、星を撮るときやストロボを使った撮影ではカメラの優秀なほかのモードでも対応できない場面があるからです。
また、シャッタースピード、絞り、ISO感度の関係、写真に与える影響を理解して使いこなせれば非常に便利なモードです。狙い通りの写真を撮るには最適ですね。
私はこのモードを使いこなせているとは言えませんが、よくこのモードを使います。このモードを使っているとカメラ任せでなく自分で写真を撮った!という感じがして好きなんです。
しかし、カメラを始めたばかりのころにこのモードを使って撮った写真は見るに堪えないものばかりで、露出の関係を覚えていない方にはおすすめできません。また、設定する項目が多いので写真を撮るまでにラグがあり一瞬のチャンスを逃してしまうこともしばしば…
昔はすべてのカメラがMモードのみで、Mモードで撮影できてなんぼって感じでしたが、技術が発達した現代ではカメラに任せてもいい写真が撮れるのでわざわざ使う場面でなければ使う必要のないモードでもありますね。
各モードをおさらい!
ここまでいっきに読むとこんがらがりますよね。一度ここで表にまとめてみましょう!
AUTO | Pモード | S(Tv)モード | A(Av)モード | Mモード | |
---|---|---|---|---|---|
シャッタースピード | × | × | 〇 | × | 〇 |
絞り(F値) | × | × | × | 〇 | 〇 |
ISO感度 | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
露出補正 | × | 〇 | 〇 | 〇 | × |
ホワイトバランスなど | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
こんな感じです。自分で設定する項目を〇、カメラが決めてくれる項目を×にしています。
ちなみにISO感度はどのモードでも設定すればカメラが自動で決めてくれます。
初心者におすすめなのはPモードとA(Av)モード
カメラ初心者でどう撮っていいのかわからないという方にはPモードがおすすめです。
Pモードは難しい設定をいじることなく写真が撮れるので初心者の方も安心でしょう。また、このモードではAUTOでは変えられない露出補正やホワイトバランスがいじれるので自分のイメージにあった写真が撮影できます。
Pモードを使ってきれいな写真を撮りつつ、露出の関係(シャッタースピードや絞りなどの設定)を覚えられれば一石二鳥です。
だんだん慣れてきたらA(Av)モードがおすすめです。
絞りを上手に使って一眼カメラならではの大きく背景がボケた写真や、隅々までくっきりと解像した写真を撮れればもういうことなしですね!
また、最初からMモードを使いたがる人や勧める人がいますが最初のうちはあまりお勧めしません。シャッタースピードや絞り(F値)、ISO感度の関係をしっかり理解していないと失敗写真が続いてカメラの楽しみが減ってしまいます。そうなってしまったら元も子もないですよね…
かくいう私もカメラを買って初めて使ってみたときにMモードを使って撮ったことがありますが、見るに堪えないものです(笑)。
どうしてもMモードを使いたい方は根気強く頑張ってください!
まとめ
さて、ここまで読んでいただきありがとうございます。各モードの特徴はわかったでしょうか?どのモードが一番良いというものではないので状況に応じて使いこなすのが一番です!最初に紹介した悩みを解決すると、
- 手振れでぶれた写真になってしまう ⇒ シャッタースピードとISO感度を調整
- 背景がうまくボケない、ぼかしたくないところまでボケてしまう ⇒ 絞り値を調整
- 明るすぎる、暗すぎる写真になってしまう ⇒ PモードやA(Av)モードで明るさ調整に慣れる
ぜひ、いろんな場面で各モードを試してみてください!