部屋の照度(明るさ・暗さ)を測定し、わかりやすく数値で表示してくれる照度計。快適な部屋作りや空間作りには、照度計による照度チェックは欠かせません。照度計は安いもので数千円から手に入るため、部屋や仕事場の明るさが気になる方は一つ持っておくと便利です。
ですが、普段照度計を買ったり使ったりしている方はそう多くないはず。ほとんどの方が何を基準に買ったらいいのか、どんな製品を選んだらいいのか迷うでしょう。
そこで今回は、Picky’s編集部が照度計の選び方やおすすめ商品について解説します。照度計の特徴や使い方、売れ筋商品を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
目次
照度計とは明るさを数値で可視化できる測定機器
照度計とは、空間の明るさを測定し数値化してくれる機器で、「光度計」とも呼ばれます。
明るさはルクス(英語でlx、もしくはlux)の単位で表され、ルクスが大きければ大きいほど明るいことを示します。
- 自宅の部屋が快適な明るさかどうかチェックしたい
- 作業場が作業しやすい明るさに保たれているかチェックしたい
- 自作のライトの照度をチェックしたい
- 引っ越し先の日当たりなどの住環境をチェックしたい
- 水草・観葉植物・ペットの爬虫類に当てるライトの明るさをチェックしたい
- 照明設備の点検・整備・検査用
明るさの感じ方は個人差があるので、「すごく明るい」「少し暗い」と抽象的にしか明るさを判断できません。適切な明るさの判断や、他人に明るさを伝えるのであればさらに困難です。
しかし、照度計で明るさを数値で示せれば、適切な明るさの判断や、他人に明るさを伝えるのも容易になります。
明るさはどのくらいあると最適なのかは基準を参考に
適切な明るさには個人差があり、一概に絶対的な判断基準を設定するのは難しいです。とは言え基準がまったくないと何かと不便なため、適切な明るさの基準や目安としてJIS Z9110(照明基準総則)が定められています。
JIS Z9110は、主に人工照明で人のあらゆる活動を「安全・容易・快適」に行うための規定です。照度計で明るさを測定したら、JIS Z9110で定められた数値を基準に調整するといいでしょう。
自宅の部屋 | 会社などの作業場所 | JIS Z9110で必要とされている明るさ(ルクス) |
---|---|---|
子供部屋・キッチン・トイレ | 倉庫 | 100lux |
玄関 | 連続作業しない場所 | 200lux |
リビング・洗濯・工作部屋 | 粗い視作業 | 300lux |
洗面台 | やや粗い視作業 | 500lux |
化粧台・化粧部屋 | 普通の視作業 | 750lux |
勉強部屋・読書部屋 | やや精密な視作業 | 1,000lux |
手芸などの製作を行う部屋 | 非常に精密な視作業 | 2,000lux |
ざっくりですが、「普通の生活をする上で必要な明るさがだいたい300ルクス前後」で、「精密作業や手芸、イラストを描くといった、細かい作業を長時間行う場合は1,000ルクス前後」が必要になってくると考えてください。
もちろんこれはあくまでも基準です。人によって好みは異なりますし、高齢者の場合はより明るさが必要になるといったデータもあります。照度計とJIS Z9110で明るさをチェックしたら、その後は自分好みの明るさに調整しましょう。
照度計の選び方5つのポイント
照度計を選ぶときは、以下の5つのポイントをチェックしましょう。
- 求める精度によって照度計のランクを決める
- 用途に応じてアナログ・デジタル・セパレートの3タイプから選ぶ
- 使う場所に合った測定範囲・測定上限をチェック
- 用途によってLED対応・紫外線対応かどうかチェック
- その他機能の有無で選ぶ
求める精度によって照度計のランクを決める
照度計はJIS規格「JIS C1609-1」により、大きく4つに分類されます。
- A級
- AA級
- 一般形精密級
- 特殊型照度測定器
「A級⇒AA級⇒一般形精密級」の順で精度・性能・価格が上がります。特殊型照度測定器はほかの3つと規定が違うため、一概に精度の高い低いは決められません。
また、「一般形精密級」と「特殊型照度測定器」に関しては、研究機関などで用いられる非常に専門的な機器のため、一般の方が見る機会はほぼありません。そのため、照度計を購入する際の選択肢は、「A級」か「AA級」のいずれかになります。
一般的な測定で使用される安価で手軽な「A級」
照度計の中でも最も一般的で、おそらくほとんどの方が購入するのがA級です。ホームセンターやAmazon、モノタロウなどで数千円程度から手軽に手に入り、種類も豊富に揃っています。
AA級と比較すると精度は決して高いとは言えませんが、自宅や事業所で明るさをチェックするといった一般用途であれば性能は十分です。
編集部
適合性評価にも用いられる非常に精度の高い「AA級」
AA級は、A級よりも精度の高いプロ向けの本格的な照度計です。その精度の高さから、基準・規定の適合性評価といった「照度の正確性・信頼性が求められる測定」で使用します。
一応市販はされていますが、価格は数万円からと比較的高価なため、一般家庭ではあまり買う機会はないでしょう。「一般家庭や会社・学校でちょっと明るさを測りたい」といった用途で使うには、明らかに精度と価格が高すぎます。
A級との見分け方ですが、AA級は必ず商品ページや商品説明に「JIS規格AA級準拠」といった記載があります。
編集部
用途に応じてアナログ・デジタル・セパレートの3タイプから選ぶ
照度計の形状・種類には3タイプあります。
- アナログ式
- デジタル式
- セパレート式
種類によって価格帯や使い勝手が異なるため、照度計購入の際はどの種類を選ぶか事前に決めておきましょう。
低電力が特徴の針で表示するアナログ式
アナログ式は、昔から使用されている目盛りと針で照度を表示するタイプです。
単純な仕組みのため電池消費が少なく、長期にわたって使えるのがメリットです。ソーラーパネル付きで電池が不要なタイプもあります。また、使い慣れてくると、一瞬で照度が基準範囲内に収まっているかどうかが分かり、効率よく計測できます。
デメリットは、初心者は目盛りの読み方が難しい点と、測定上限の低い製品が多いため屋外の測定に不向きな点です。現在主流のデジタル式と価格差もほとんどない点から、アナログ式を買う機会はそう多くないでしょう。
編集部
見やすくて定番タイプのデジタル式
デジタル式は測定した照度を数字で液晶表示してくれる、現在最も一般的なタイプです。はっきりと数字で表示されるため、誰でも一目で明るさが把握しやすく使いやすい点が大きなメリット。
さらにアナログ式にはないデータ記録機能・ホールド機能といった便利な機能を搭載した製品が多いのも特徴です。測定上限も高く、屋内でも屋外でも使える機種も多く販売されています。
編集部
さまざまな場所で測定しやすい受光部が分離可能なセパレート式
光を受ける受光部と、液晶表示する本体が離せるタイプがセパレート式です。一体型と違って測定時に使用者の影が入りにくいため、より正確に測定を行いたいときにおすすめ。また、小さな受光部を活かして、照度計本体が入らないような狭い場所の測定にも使えます。
複雑な仕組みの分、価格が若干高くなってしまうのがデメリット。家庭でセパレートタイプが必要になるケースもあまりないため、主に事業所や企業向けの製品です。
編集部
使う場所に合った測定範囲・測定上限をチェック
照度計は機種によって測定できるルクスの範囲、上限が決まっています。そのため、測定したい場所に合わせて、適切な範囲と上限を持った機種を選択しましょう。
屋内であれば、細かい作業向きの適正ルクスが1,000~2,000ルクス程度あればのため、0~5,000ルクス程度の測定範囲があれば十分です。ただ、現在の照度計はほとんどが数万ルクス以上測定できるようになっているため、屋内測定であればあまり気にしなくてもいいでしょう。
一方で屋外で明るさを測定したい場合、晴天時の太陽光が10万~20万ルクス程度あるため、20万ルクス以上測定できる機種がおすすめ。
編集部
用途によってLED対応・紫外線対応かどうかチェック
LED電球や紫外線ライトの明るさを測定したい場合は、「LED対応」や「紫外線対応」の照度計を選びましょう。通常の蛍光灯と、LEDや紫外線は波長が異なるため、非対応の機種で測定すると数値に誤差が生じます。
特に近年ではLEDライトが多く普及しているため、いろいろな場所で測定したい場合はLED対応の機種が良いでしょう。
編集部
その他機能の有無で選ぶ
デジタル照度計には、さまざまな機能が付いた製品があります。用途に応じて必要な機能の付いたモデルを選びましょう。
暗い場所での測定で活躍する「バックライト機能」
数値を表示するディスプレイ部分が光るバックライト機能は、暗い場所での作業に便利です。例えば、やや暗めの工場倉庫で「暗さ」を測りたいときには、バックライト機能があると表示が見やすいです。
夜や暗めの場所で照度を測る機会が多い方は、バックライト機能付きを選んでください。
編集部
自動で測定範囲を切り替えてくれる「オートレンジ機能」
数段階に分かれている測定レンジを、自動で切り替えてくれる機能がオートレンジです。
測定範囲の広い照度計の場合、測定レンジが2~3段階に分かれているため、測定したい照度に合わせて手動でレンジを切り替えなくてはいけません。ですが、オートレンジ機能があれば、自動的に最適なレンジに自動調整してくれるため、難しい設定や調整が不要です。
編集部
測定したデータを記録してくれる「記録機能」
測定した照度をSDカードなどへ記録できる機能で、「データロガー」とも言います。
記録機能が無い照度計の場合、その場で数値を確認して終わりです。ちょっとしたチェックであれば十分ですが、定期的に測定して記録を残さなくてはいけない場合はメモをしたり、パソコンに入力しなくてはいけません。
記録機能があれば、いちいちメモを取ったり、エクセルなどに入力しなくても本体にデータを蓄積しておき、あとから見返すことも可能です。
編集部
特定の数値を固定表示する「ホールド機能」
特定の数値を固定表示する機能がホールド機能です。一番大きな数値を固定表示する「最大値ホールド」や、一定時間経過後の数値をホールドする「経過時間ホールド」など、いくつかの種類があります。
特に便利なのは最大値ホールド。照度計は、使用者の影や環境が影響して測定中に数値が常に変化します。その中で最大値を自分で記憶しておくのは大変です。最大値ホールド機能があれば、最大値などの数値を覚える必要がありません。
編集部
騒音計や温度計としても使える「多機能モデル」
照度計の中には照度のほか、「騒音計」「湿度計」「温度計」「風速計」「色温度」の測定も可能なマルチツールモデルがあります。1つの機器で複数の測定が可能で、さまざまな場所でいろいろな数値をチェックしたい場合に便利です。
多機能な分価格は高くなってしまいますが、事業所などで照度以外にも温度や湿度の測定が必要であればコスパは良いでしょう。
編集部
高いVS安い照度計の比較と違い
照度計は安い機種で数千円から、高い機種では数十万円を超える機種までさまざまな製品が販売されています。安い照度計と高い照度計で何が違うのか、どこが違うのか比較してみました。
ただ、一般家庭や一般企業で一般形精密級やAA級の照度計を買う機会はあまりないはず。そのため、ここでは主にA級の中の安い機種と高い機種を比較しました。
安い照度計の特徴(2,000円前後のモデル)
安い照度計は精度が低く、測定した数値を第三者に公開・提供するといった正確性が求められるような照度測定には不向きです。ただ、家庭や企業で明るさを自分でチェックしたい、といった程度であれば十分な性能を持っています。決して数値がでたらめなわけではありません。
業務で照度を測定したり、定期的に測定して記録に残す必要が無ければこの価格帯の製品で十分でしょう。少し予算をアップして5,000円前後の機種を選べば、記録機能やホールド機能の付いた多機能モデルや、セパレートタイプといったさまざまな種類が選べます。
- 自宅や会社の明るさが気になったのでちょっと測ってみたい
- 第三者や他社に測定データを公開・提供しない
- 業務や公的な用途で使わない
高い照度計の特徴(10,000円以上のモデル)
1万円を超える製品になると、AA級ほどではないにしても比較的精度の高い製品が多くなってきます。業務で定期的に照度を測定するのであれば、最低でもこの価格帯の製品をおすすめします。ただし、検定や公的な書類で照度を測定する場合は、校正証明書付きのAA級照度計が必要です。
15,000円を超える製品になると機能的にはむしろシンプルになり、安価な照度計にはあったオートレンジやホールド機能もなく、精度のみに特化したプロ仕様の製品も多くなってきます。そのため、一般の方はやや使いにくく感じるかもしれません。
一般的な用途の場合、照度計は数千円~1万円前後程度の製品を選択すると良いでしょう。
- AA級ほどではなくても、できる限り精度の高い照度計が欲しい
- 業務の一環としてある程度正確な照度を測定する必要がある
照度計おすすめ人気ランキング比較一覧表
照度計おすすめ人気ランキング10選
照度計のおすすめ商品10選ランキングです。一般家庭や一般企業で購入する機会の多い、安価で手軽なA級照度計を中心に紹介しています。
コンパクトで高性能なセパレートタイプ照度計
三和電気計器のLX-20は、サイズ11.7×7.6×1.8cm、重量約120gとかなりコンパクトな照度計です。やや高額な分精度は高く、測定範囲は最大399,990ルクスまであります。
さらにセパレートタイプで、受光部が非常に小さいためどんな場所も測定できます。機能はオートパワーオフとホールド機能搭載。LEDも白色であれば対応しています。
家庭用としては価格的にも性能的にもかなりオーバースペックです。日常的に業務として照度測定を行う企業におすすめ。
コンパクトで高精度・デザインもおしゃれなドイツ製照度計
テストーの540 ポケットライン照度計は、サイズ13.3×4.6×2.5cm、重量約95gと名前の通り非常にコンパクトで軽量な照度計です。
そのコンパクトさから考えられないほど精密な照度計で、人工光と自然光両方の測定に対し高い精度を誇ります。そのためあらゆる場所の照度を正確に測定可能です。ドイツ製らしいおしゃれなデザインもおすすめポイント。
機能はホールドのみとかなりシンプルで、「測定」に特化したプロ向けの製品と言えるでしょう。なお、測定範囲は最大99,999ルクスまでと、晴天時の屋外測定には向いていません。
多機能で家庭用・事業用とあらゆる用途に使いやすい照度計
オーム電機の照度計KG-75は、サイズが19.2×6.7×4.4cm、重量約200gと平均よりも若干大きめで重さがありますが、その分多機能です。
バックライト・オートパワーオフ・オートレンジ・ホールド機能に対応。豊富な機能とプロ仕様っぽい見た目とは裏腹に、使い方はシンプルで家庭でも事業でも使いやすいでしょう。
多機能でバランスの良い照度計が必要な方は、KG-75がおすすめです。
ただし測定範囲は99,990ルクスまでと、屋外の測定には向いていません。
手軽に使える最安値のセパレートタイプ照度計
メーター名人のLX1010Bは、サイズ11.8×7×2.9cm、重量約169gのセパレートタイプ照度計です。セパレートタイプの照度計としてはおそらく最安値、照度計全体で見ても非常に安価です。
ただし安価な分性能や精度もそれなり。測定範囲は50,000ルクスで屋外測定はできません。またレビューをチェックしてみると、個体ごとの品質や精度もばらつきが大きいようです。とはいえ、自宅や作業場の明るさをチェックしてみたい、といった簡易的な使い方であれば十分です。
1~2回程度、もしくは本当にたまにしか照度計を使わないようであればLX1010Bで十分でしょう。
あらゆる光源の測定が可能なセパレート式照度計
CUSTOMのLX-3000は、電球や蛍光灯はもちろん、LED測定にも対応した照度計です。測定範囲は最大199,990ルクスで、屋外測定も可能。オートパワーオフと最大値・最小値ホールド機能にも対応し、バックライトも搭載しています。
また、一体型としても、受光部を取り外した状態でセパレート式としても使用可能です。
性能や精度が高い分価格も高価で、機能もかなりシンプルなため一般家庭向きではありません。業務で照度の測定が必要な企業向け製品です。
狭い場所や正確な測定に便利なセパレート式照度計
シンワの78747は、ディスプレイ本体と受光部が別々になっていて、受光部を伸ばして測定できるセパレートタイプの照度計です。機能は最大値ホールドのみと非常にシンプル。
セパレート式は狭い場所の照度を測定しやすく、他にも手元で数値を確認しながら受光部を自由に移動させられるといったメリットがあります。同価格帯で買えるセパレートタイプはそう多くありませんので、コストを抑えてセパレートタイプを導入したいのであれば78747がおすすめです。
ただし、測定範囲は40,000ルクスまでとなっていて、屋外測定には不向きです。
記録機能搭載!多機能で温度測定も可能な照度計
HoldPeakの881Dは、同価格帯では珍しい記録機能が付いた照度計です。最大33回分のデータ記録ができるため、1カ月間毎日照度測定をしたい場合に便利です。
その他にもバックライト、オートパワーオフ、オートレンジ、ホールド機能と、必要な機能はほぼ全て揃っています。さらに温度測定機能付き。
測定可能範囲も最大400,000ルクスまでと非常に広く、どんな場所、どんなシーンの測定にも役立ちます。
コストを抑えて記録機能付きの照度計を購入するなら、881Dがおすすめです。
超軽量で多機能で安価と3拍子揃った最強の照度計
サンワサプライのCHE-LT1は、今回紹介している中でも特におすすめの照度計です。サイズは17.4×5.6×3.5cmと平均的ですが、重量は平均の半分近い約84gの超軽量。
測定範囲は200,000ルクスまでで、オートパワーオフ・オートレンジ・ホールド機能・LED対応・温度測定機能と、記録機能以外ほぼすべて揃っています。これだけ多機能にも関わらず、価格は照度計の中でもかなり安価。
メーカーも信頼性の高いサンワサプライ製で、欠点らしい欠点が見当たりません。安くて手軽に使える照度計をお探しの方はCHE-LT1がおすすめです。
温度測定も可能!安価で多機能なコスパの良い照度計
C-Timvasionのデジタル照度計は、サイズ17.4×5.6×3cm、重量約150gで一般的な照度計に比べると若干軽量コンパクトです。バックライト、オートレンジ、最大値と最小値と現在値のホールド機能付き。
測定範囲は200,000ルクスまで。さらに照度と同時に気温も測定可能で様々な用途で活躍してくれるでしょう。精度や性能は決して高いとは言えませんが、一般用途であれば十分な性能です。しかもその分価格も安価なためコスパは悪くありません。
レビューを見ると、反転液晶で太陽光下では若干表示が見づらいという声がありました。外で使う際は注意が必要です。
価格と性能のバランスが取れた家庭にも企業にもおすすめの照度計
AOPUTTRIVERのAP-881Eは、サイズが17.4×5.1×3.2cm、重量が約188gと比較的軽量コンパクトな照度計です。バックライト、オートレンジ、ホールド機能に対応。
測定範囲は300,000ルクスまでで、また受光部が回転式になっているため室内から室外まで幅広く測定できます。LED測定も可能で、室内の観葉植物育成にもおすすめ。
特筆すべき特徴はありませんが、サイズと重量は抑えられていて、必要な機能も一通り揃っています。しかも性能の割に価格はかなり安いため、一般的な用途であればAP-881Eを買っておけば大きな失敗はないでしょう。
おすすめの照度計有名メーカー&ブランド
照度計は中華製の安価なメーカーから、有名海外メーカー、日本製の一流メーカーまでさまざまな企業が販売しています。用途によりますが、信頼できる製品を使う必要があれば、以下の有名メーカー製がおすすめです。
- 日置(HIOKI)
- カスタム(CUSTOM)
- 共立電気計器 (KYORITSU)
- テストー(testo)
- ティアンドティ
- コニカミノルタジャパン
- カイセ
- オーム
- サンワサプライ
上記の中から特におすすめのメーカーを2つ紹介します。
安価で手頃なセパレート式照度計ならシンワ測定
シンワ測定は、新潟県に本社を置く測定機器メーカーです。定規や水平器、照度計を含めた各種計測器を扱っています。現在シンワ測定の照度計は、アナログ照度計「78604」と、セパレート式照度計「78747」がラインナップされています。
人気の78747は精度が高く、またセパレート式でさまざまな場所で使いやすいモデルです。しかも日本メーカー製のセパレート式の中では価格も安いため、セパレート式を使用するならシンワ測定の78747がおすすめ。
おしゃれでコンパクトで高性能な照度計ならテストー
テストーは、ドイツの計測機器メーカーです。日本でも1987年に日本法人が設立され、長年に渡りさまざまな計測のプロに愛用されています。
現在テストーの照度計は、コンパクトで高性能なセンサー一体型照度計「540」のみ。スペック的には専門業者向け、プロ向け製品で、非常にシンプルな機能ながら高い精度とデザイン性の高さで人気の製品です。
かなり高機能で価格も決して安くないため、一般家庭や通常の企業で使用する機会はあまりないでしょう。ですが、照度を正確に測定する業務を行うのであればテストー製をおすすめします。
照度計使い方・使用時の注意点
照度計の測定方法、測定時の注意点について解説します。
基本的な使い方は電源を入れ、測定したい場所に受光部を向けるだけでOKです。オートレンジ機能の無い機種は、適正レンジに切り替えておきましょう。
例えば「200(ルクス)」「2,000」「20,000」の3段階がある機種の場合、室内(大体100~1,000ルクス程度)を測定する際は「2,000」に切り替えて測定しないと正しい数値が表示されません。
手に持って使う一体型の場合、測定時に使用者の影や光の反射で明るさが変わってしまい、正しく測定できない可能性があります。
一般家庭で明るさを測る程度ならそれほど気にしなくても構いませんが、正確に測定したい場合や、業務として使用する場合はできる限り周囲に物や人がいない状況で使用しましょう。
最大値ホールド機能の付いた機種を測定場所に置いて測定したり、受光部を離せるセパレートタイプを使うとより正確に測定できます。
照度計の関連商品
照度計の関連商品を紹介します。
照度計とセットでおすすめ!騒音がチェックできる騒音計
快適な住環境をチェックする場合、明るさだけではなく騒音も重要です。騒音計があれば、近所の物音や近隣の騒音を照度計同様に数値で可視化してくれます。
騒音計は安価な製品では1,000円台から手に入ります。安い照度計とのセットなら、2つで5,000円もあれば購入できるでしょう。
手元だけ明るくできるデスクライト
デスクライトがあると、手元を簡単に明るくできます。
手元で細かい作業をする場合、1,000ルクスほどの明るさが望ましいとされていますが、一般家庭で部屋を1,000ルクスにするのは現実的ではありません。作業は快適にできても、明るすぎて落ち着かない部屋になってしまいます。そんなときにデスクライトを使えば、作業したいときだけ手元を明るくできます。
照度計で測定した後、明るさが足りないと感じた場合はデスクライトを使いましょう。
関連記事:【目に優しい】デスクライトおすすめ20選|おしゃれ&集中力UPする人気商品を厳選
照度計よくある質問
最後に、照度計に関するよくある質問をまとめました。
照度計算とはなんですか?
照度をチェックするためにいろいろ調べていると、「照度計算」という単語を目にすると思います。照度計算とは、光源や部屋の広さ、床の反射率などといった要素を加味し、特定の計算方法を用いて空間の照度を計算する方法です。
非常に複雑で専門的な内容のため今回は詳しく解説しませんが、照度を求める方法として照度計を使用する以外にも照度計算があるとだけ覚えておいてください。
もし照度計算方法に興味がある方は、パナソニックや東芝から提供されている照度計算ソフト(照度計算書)や、無料で使える簡易フリーソフトをチェックしてみてください。
照度計スマホアプリの精度はどうですか?無料アプリでおすすめはありますか?
iPhoneやandroidのセンサーを用いて照度が測定できる、「照度計アプリ」があります。照度計アプリをインストールすれば、いつでもどこでも、しかも基本的に無料で照度が測定できます。
ただ、照度計アプリはアプリごとでも精度はバラバラで、さらにインストールした機種ごとでも結果が違うといったように、精度の信頼性は照度計ほどではありません。はっきり言って、かなりざっくりとした測定結果しか得られないでしょう。
もちろんざっくりとした数値で良いなら、手軽で無料の照度計アプリもおすすめです。ですが、ある程度正確に測定したい場合は、やはり専用の照度計をおすすめします。
照度計はどこで売っていますか?レンタルできますか?
照度計をレンタルしている会社はありますが、そのほとんどがAA級や一般形精密級といったいわゆる「業務用・プロ用」の数万円~数十万円するモデルです。
レンタルとはいえ、元が高額な製品なため数日レンタルでも数千円以上します。「安く借りてちょっと測って返したい」といった用途での利用は難しそうです。
照度計は安いものであれば2,000~3,000円程度で手に入ります。そのため、レンタルするよりは買ってしまったほうが良いでしょう。
照度計・光度計・露出計・輝度計の違いが知りたい
光を測定する機器にはさまざまな種類があります。
- 照度計
- 光度計
- 露出計
- 輝度計
各機器は測定する対象も、使い方も異なります。ただ、いまいち違いが分かりにくいため、表でまとめました。
機器 | 用途 |
---|---|
照度計 | 光で照らされている「面の明るさ」を測定する機器 |
光度計 | 照度計と同義 |
露出計 | カメラ撮影の際、被写体の光量を測定し シャッタースピードと絞り値を計算するための機器 |
輝度計 | 光の当たった場所ではなく、「光源の明るさ」そのものを測定する機器 |
照度計と光度計は、同じものと考えてOKです。
露出計は、光を測定する機器と言う点では共通しています。ですが、露出計は環境の明るさを測定するものではなく、被写体の明るさを測定し、シャッタースピードと絞り値を決めるための計算を行うカメラ用の補助機器です。
輝度計は、光源の強さそのものを測定する機器です。例えば部屋の明るさではなく、部屋を照らしている蛍光灯や電球そのものの明るさ・光量の強さを測定します。
このように、一見似たような光を測定する機器ですがそれぞれ測定する対象・用途が異なります。ただ、メーカーによっては照度計や露出計、輝度計が混同されているケース(特に海外製品)もあるため、購入する際は注意が必要です。
ルクス・カンデラ・ルーメンの違いが知りたい
光を測定する機器同様、光を表す単位もさまざまです。
- ルーメン
- カンデラ
- ルクス
上記はすべて光を表す単位ではあるものの、すべて意味や用途が異なります。
単位 | 意味 |
---|---|
ルーメン(lm)/光束 | 光源すべての光束の量を表す単位 |
カンデラ(cd)/光度 | 光源から出る光の強さを表す単位 |
ルクス(lux)/照度 | 光源で照らされた面の光量を表す単位 |
言葉で解説するといまいちわかりにくいため、簡単な図にしてみました。
ライトの光量の多さ、強さ(光束)を表すのがルーメンで、その光源から放たれている光の強さ(光量)を表すのがカンデラ。最終的に光に照らされた床の明るさ(照度)を表すのがルクスです。
今回紹介した照度計は、光に照らされた場所の明るさ「照度」を測定する機器となります。もちろん床だけじゃなく、壁も同様です。つまりざっくりと言えば、照度計は「照らされている空間の明るさ=部屋の明るさ」を測定していると考えてください。
部屋や作業場所の明るさを正確にチェックしたいなら照度計がおすすめ!
照度計は、部屋や空間の「明るさ」を分かりやすく数値で可視化してくれる機器です。明るさのチェックは、快適な居住空間や作業空間作りに欠かせません。
- 自宅をリラックスできる明るさにしたい
- 趣味の部屋を作業しやすい明るさにしたい
- 会社の作業部屋を明るく作業しやすい環境に改善したい
- 観葉植物や爬虫類に当てるライトの明るさを正確にチェックしたい
照度計はさまざまな用途で役立ちます。明るさの感じ方には個人差がありますが、「基準」が無いと改善もできません。明るさが気になる方は、ぜひ照度計を使って正確な数値をチェックしてみてください。
Picky’sでは、照度計の他にもさまざまな計測機器を以下の記事で紹介しています。DIYやハンドメイド好きの方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
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