前回のSAMYANGの超広角レンズの記事に続き、今回はSIGMAの超望遠レンズを紹介していきます。
ニコンの大三元の望遠レンズは70−200mmなので200mm以上の距離には対応することができませんが今回紹介するSIGMAの150-600mmではさらに遠くの被写体を捉えることができます。
今回はそんなSIGMAの超望遠レンズの魅力をご紹介します。
- コストパフォーマンス
- 描写性能
- 操作感
望遠レンズについてはこちらの記事をチェックしてみてください。
関連記事:【動く被写体も綺麗に写る】望遠レンズおすすめ15選 | スマホ用レンズもあわせて紹介
目次
遠くの世界を引き寄せる!超望遠撮影の楽しみ
3mほどの距離にいたカワセミを600㎜で撮影。標準域のレンズでは捉えられない距離、大きさの被写体も精細に写すことが出来ます。羽毛の質感まではっきりと伝わってくるようです。
600㎜+トリミング。皆既月食を手持ちで撮影しました。手ぶれ補正が付いているので、落ち着いて構えて撮影すれば効果的にブレを防げる場面が多くあります。
600㎜で撮影。頭上を飛ぶトンビも大きく引き寄せ、ダイナミックに撮影出来ます。軽くはないレンズですが、こういう場面を探しに積極的にフィールドに持ち出したくなります。
広角側の150㎜で撮影。冬のキリッとした空気感をSIGMAらしいカリッとした描写で捉えています。
写真をより面白くする!カメラの基本構図パターン10選超望遠レンズの種類と価格区分。望遠では単焦点よりズームの方が安く手に入れやすい!
望遠単焦点と望遠ズーム
昔は望遠域のレンズはどれも高価な物だったのですが、最近は技術の発達や需要の変化によってだんだんと手に入れやすい望遠レンズも増えてきました。
600㎜F4や400㎜F2.8、800㎜F5.6のような望遠単焦点は需要が限られ、メーカーが威信をかけて最高級の技術と硝材を注ぎ込んで開発されているので100万円以上するような高価な物ばかりです。
SIGMAのようなレンズメーカーは、需要のある焦点域をカバーしたレンズを、既存の技術とある程度の生産体制で生産できる事によって安価な超望遠レンズを実現しています。
超望遠のSIGMA 150-600mm ContemporaryをNikonの愛用機につけてみました。レンズフードも合わせるとかなりゴツいです。
特に今回紹介する150-600㎜のズームレンズは10万円台の価格で出回っており、入門超望遠レンズとしてスタンダードになりつつあるように感じます。中古で買うとさらに安くなるので、超望遠レンズを使ってみたい方はSIGMAから入るのがオススメです。
sigma 150 600mmの操作性・重さ
ズームやピントリング、各種スイッチの操作性
ズームリングの固さはちょうど良いのですが、リング自体がほんの少し細い気がします。
鏡筒自体がもう少し太かったら安定感もあったのかなと思うことがありますが、ほとんど気にするようなことではありません。
ピントリングも適度に軽く使いやすいです。
スイッチは4つ付いています。上から順番に説明していきましょう。
AF・MF切り替え
AFとMFを切り替えます。フォーカスリングを回転させるだけで即座にマニュアルでのピントに移行できる、フルタイムマニュアルフォーカス機能が搭載されています。
AF範囲選択
AFを作動させる距離の範囲を指定できます。被写体が近距離から遠くに動くことが予想されないような場合、2.8~10mのように、範囲を絞ることでAFの駆動を早くします。
手ぶれ補正ON/OFF・モード切り替え
手ぶれ補正のON・OFFと、手ぶれ補正の通常モード「1」と流し撮りや激しい動きに向いたモード「2」の切り替えが出来ます。
AFカスタムモード切替
AFのカスタムをすることで、AFを駆動させる速さや確実性を微調整させた使い方が出来ます。別売りのUSBドッグを用いてパソコンでカスタマイズします。
・・・となっています。
手持ちでも十分使える重さ
重量は2㎏を切って1930gとなっており、手持ちでも長時間構えなければ辛くは無い印象です。
鳥を探しにこのレンズをフルサイズ機に取り付け半日山を歩いたことがあるのですが、さすがに肩と首にとても負担を感じました。レンズを取り外して付属のケースにしまえば運搬も安全かつ楽になります。
SIGMA 150-600mm f5-6.3 Contemporary 描写性能について
自信を持ってオススメしたい十分な描写性能。
安い部類の望遠レンズだからといって描写性能を甘く見てはいけません。600㎜までズームすれば、肉眼を超えた領域の世界をクッキリと捉えられます。
600㎜+トリミング。羽毛と水滴の質感が高い解像感で伝わってきます。
望遠端は若干解像度が落ちがちだと言われますが、高画素機を使ったり等倍鑑賞したりしない限り不満は無い画質で撮影出来ます。
600㎜F6.3 で数メートル先のカモを撮影。望遠端で一番低いF値です。
F6.3と聞くと高いF値のように感じますが、画像を見て分かるとおり600㎜の望遠となるとこんなに被写界深度は浅く見えます。
遠すぎなければ十分に被写体を浮き上がらせる事が可能。
こちらは600㎜ F6.3でAPS-C機にて撮影。換算900㎜を小さなキノコに焦点を合わせて撮って見ました。
まるでマクロレンズのような写りです。画角が狭すぎるため背景は究極に単純化され、主題のみを浮かび上がらせることが出来ています。
これはかなり特殊な使い方ですが、望遠域だけでもかなり汎用性の高いレンズであることをお伝えできたと思います。
描写に関する若干の短所
この作例を見て分かるように、周辺減光が目立つことがあります。望遠側ほど、F値が解放に近いほど顕著になります。
長期間これを使って野鳥などを撮影していると、シャッタースピードを稼ぎたくなりどうしてもF6.3が暗く感じ始めてしまいます。しかし、このレンズと同じ焦点距離でさらに良い性能のレンズとなると、価格の桁が違うものになってしまうのが悩みどころです。
APS-C機で使うことでより良いレンズへ!テレコンバータを使わなくても1.5倍の画角に。
APS-C機で使うことで、最大焦点距離が900㎜の超望遠になるのみならず、画質の向上や周辺減光の減少などの効果が得られます。
フルサイズ用のレンズではありますが、APS-C機で使うことでより満足度の高い性能に様変わりします。
sigma 150 600mmの手ブレ補正機能
レンズは望遠になるほど手ぶれが大きく起きてしまいます。このレンズに搭載されている通常の「1」のモードの手ぶれ補正は約三段分の効果があると言われています。
確かに手ブレ補正をONにしてフォーカシングすると、小刻みな揺れが消え像が安定しているのが分かりました。
2つ目のモードの手ぶれ補正
激しい動きを追ったり流し撮りにをするのに向いた「2」のモードで、より挑戦的な描写も可能になります。
離陸寸前の飛行機を流し撮り。遅いシャッタースピードを使った一定方向への流し撮りが、綺麗に写るようにブレが補正されます。
シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!4倍のズーム機能により多くの撮影シーンで活用可能
こちらの写真は広角側の150㎜で撮影。遠くの風景ならそこそこ広く写せます。
こちらは望遠端600㎜での撮影。先ほどの画像と比べて分かるように、かなりの焦点域を1本でカバーできています。
飛行機や野鳥の撮影のみならず、ポートレートや風景写真にも十分使える1本です。
もう困らない!一眼カメラのレンズとその種類について徹底解説!sigma 150 600mmをSportsラインと比較すると
SIGMAの150-600㎜には、同時に発表された同じ基本性能・同じ焦点距離をカバーするSportsラインナップの1本が存在します。
Sportsラインの特徴を今回紹介しているcontemporaryラインの物との違いと比較しまとめると
- よりよいガラスを使っており、解像度などの描写性能がより高い
- 金属製の鏡筒・フードで剛性があり、高級感がある
- ズーム方式が直進ズーム
- 三脚座が大きく握りやすい形をしている
- 重量は1キロほど重くなる
よりよい素材、機構になるため大幅に重量は重くなってしまうようですが、その分描写と使い勝手、どんな環境でもタフに使える頑丈さがプラスされるようです。
以前店舗で実物を触ったことがあるのですが、今回紹介しているcontemporaryとは別物であることがはっきりと分かるくらいずっしりと重かったです。
直進ズームといって、ズームリングを回さずに直接鏡筒をまっすぐ押し出す事でズームできる機構をしており、直感的な素早いズーミングが出来そうな印象でした。
SIGMAの150-600㎜の作例
sigma 150 600mmまとめ
気軽に手に入れられる超望遠レンズ、SIGMA 150-600㎜ Contemporary。遠くの物を大きく写したり、普通のレンズでは実現できない圧縮効果を得られたり、なにかと撮っていて楽しいレンズです。
特に野鳥をはじめとする野生動物の撮影は、全ての撮影ジャンルの中で一番楽しいのではないかと思うくらい熱中できます。
この超望遠でしか味わえない世界を、ぜひこのレンズから知ってみて下さい。
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