Smart Tap PowerArQ 2は、使い勝手の良いポータブル電源として評判だった「PowerArQ」の改良版モデルです。
容量は少し小さくなりましたが、そのほかの基本性能が大幅に改良され、よりキャンプや車中泊、災害時など幅広い用途に使えるモデルになりました。
比較的容量も大きめで、多くの家電製品を使用できるため、屋外で家電製品の使用やスマホの充電をしたい、快適な生活をしたいという方にお勧めのポータブル電源です。
目次
Power ArQ 2を実際に使って徹底検証!
容量が比較的大きめで使いやすく、それでいて重さやお値段は控えめ。
そんなバランスの良いポータブル電源をお探しの方は是非この機種を検討してみてください。
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)とは?
PowerArQ 2 (500Wh)とは、Smart Tapが発売しているポータブル電源シリーズ「PowerArQ」の1つで、容量的にはシリーズの中ではミドルクラスモデルです。
1000whクラスの大容量モデルは使い勝手や安心感が段違いですが、重くて高価です。
一方で容量の小さいモデルはお手軽で比較的安価ですが、ファミリーや大人数で使用するには容量が足りず、用途が限られます。
そんな大容量モデルと容量の小さいモデルのちょうど中間、「良いとこ取り」のモデルがPowerArQ 2です。
以下でその特徴を詳しく解説します。
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)のスペック
容量 | 500Wh(45,000mAh) |
サイズ | 29.5×19.5×19.1cm |
重量 | 約6kg |
定格出力 | 300W(最大450W) |
出力ポート | AC×2/シガー×1/USB-A×4/USB-C×1 |
DC入力 | 120W |
フル充電時間 | 約7.5時間 |
対応周波数 | 50Hz/60Hz(切り替え可能) |
使用可能温度 | -10℃~45℃ |
保証期間 | 2年 |
容量500wh(45,000mAh)・定格出力300Wと高性能
PowerArQ 2はバッテリー容量が500wh、定格出力が300Wと、ポータブルバッテリーの中では平均的な性能です。
ドライヤーやコンロといった高出力の家電製品は使えませんが、扇風機やライト、電気毛布などのちょっとした家電なら普通に使えます。
何がどのくらい使えるか、という基準については家電や機種ごとに変わってきますが、Smart Tap公式ウェブサイトでは以下のように記載されていました。
家電製品の種類 | 稼働時間(充電回数) |
LEDライト(5W) | 約70時間 |
スマホ(5.5W) | 約60回充電 |
タブレット(25W~42W) | 約9回充電 |
デスクトップPC(95W) | 約4時間 |
32インチ LED TV(98~156W) | 約2~3時間 |
ミニ冷蔵庫(60W) | 約4~6時間 |
電気毛布(60W) | 約8~15時間 |
付属のLEDライト | 約100時間 |
編集部
純正弦波で安定して使用可能
PowerArQ 2は家庭用電源と同じ純正弦波という波形を使用しており、多くの家電製品を安定して使うことができます。
「修正正弦波」「矩形波」のポータブル電源は一部の家電製品が使えなかったり、動作が不安定になる事があるので注意しましょう。
ワイヤレス充電機能付き
PowerArQ2は、ワイヤレス充電対応機種のiPhoneやandroidなどのスマホを置くだけで充電できる「ワイヤレス充電機能」がついています。
アンドロイドは最大10W、アイフォンは最大7.5Wの急速充電が可能です。
強風によって滑り落ちにくいようにぐるりとシリコン加工がされいます。
LEDライト付き
PowerArQ2の背面には、キャンプや災害時に役立つLEDライトが標準装備されています。
520ルーメンという非常に明るい輝きで、あたりを明るく照らしたり、災害時に位置を知らせるのに最適です。
出力は計10ポートで、大家族や大人数が同時に使用できる!
PowerArQ2の出力ポートはコンセント、シガーソケット、USB含めて全部で10カ所です。
- AC電源×2
- DCシガーソケット×1
- DC×2
- USBーA×4
- USB-C×1
特に便利なコンセントが2か所、USBがAとC合わせて5つあるので、家族や友人全員で充電や家電の使用が可能です。
6色展開!
PowerArQ2はカラーバリエーションが6色展開と非常に豊富です。
- ジェットブラック
- オリーブドラブ
- コヨーテタン
- レッド
- スノー
- チャコール
落ち着いた色が4色、かなり目立つ原色系が2色と、好みや性別、用途に合わせて好きなカラーが選べます。
旧モデル「PowerArQ」との違いを比較
ここでは旧モデル、PowerArQとの違いについて簡単に解説します。
比較機種より優れている点は赤文字になっています。
比較項目 | PowerArQ 2 | PowerArQ |
バッテリー容量 | 500wh | 626Wh |
定格出力 | 300W(最大450W) | 300W(最大500W) |
ポート数 | AC×2/シガー×1/DC×2/USB-A×4/USB-C×1 | AC×1/シガー×1/USB-A×3 |
サイズ/重さ | 29.5×19.5×19.1cm/6kg | 30×24.2×19.3cm/6kg |
LEDライト | 520ルーメン | 120ルーメン |
周波数切り替え | 50Hzと60Hzで切り替え可能 | 60Hz固定 |
パススルー充電 | 対応 | 非対応 |
ワイヤレス充電 | 対応 | 非対応 |
公式価格 | 59,800円 | 66,000円 |
やはり改良された最新型であるPowerArQ2の方があらゆる面で優っています。
旧モデルの方が圧倒的に優れている点は容量の大きさのみです。(最大出力の差に関してはほぼ誤差程度の範囲)
- サイズが小さくコンパクト
- ポートが多くて多種類
- LEDライトが圧倒的に明るい
- 周波数切り替え可能
- パススルー・ワイヤレス充電対応
- 価格も安い
- 取っ手が収納型で保管しやすい
容量以外で、旧モデルのPowerArQを選ぶ理由はほぼ無いといっていいでしょう。
なお、PowerArQ2は一応新モデル的な位置づけですが、旧モデルPowerArQもまだ公式で買うことができます。
編集部
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)を実際に使って徹底検証!
今回チェックしたのは、以下7項目です
- 同梱物
- 外観
- 携行性(重さ、サイズ)
- 使用時間
- 充電時間
- 静音性
- 操作性(使いやすさ・パネルの視認性・操作)
同梱物
引用:Power Arq公式
- PowerArQ2本体
- 専用ACアダプターセット
- MC4ケーブル
- シガーソケットケーブル
- USB Type-C to Cケーブル
- 取扱説明書
外観
前から見たデザイン
見た目はコロンとした外観で、いかつさもないので老若男女問わず使えそうなデザインです。
旧モデルのPower ArQはいかにも「ポータブル電源だ!」みたいな男性向けのデザインで、可愛くなかったんですよね…なのでこの辺は女性には嬉しいポイントです。
上部には収納型の取っ手と、ワイヤレスチャージがあります。
旧モデルは取っ手が出っ張っていて固定だったため保管などで結構邪魔でしたが、今回は収納型でよりスマートになりました。
持ち運ぶとき以外は折りたたんでおけるので、上部にスマホを置いて充電したり、他の物を置いたりすることができて便利です。
ワイヤレス充電はきちんと真ん中にスマホを置かなければ充電されません。この台座の中心にしかワイヤレス充電用のコイルが入っていないので、少しでも中心からずれていると充電されません。
ワイヤレス充電の「あたり判定」にきちんと置かないと充電したつもりでいたのに、いざ数時間後に確認したら「充電されてなかった!」ということもあります。しっかりと真ん中に置くようにしましょう。
横から見たデザイン
左右には排気口があり、ここから使用時に発生した熱を放出しますので、放熱の邪魔にならないよう使用時には物を置かないほうが良さそうです。
後のデザイン
背面はLEDライトとライトのスイッチ、そして充電用のAC端子があります。
LEDライトは520ルーメンというかなり強力な光で、夜間でもかなり強く当たりを照らしてくれますが、照らす範囲はそれほど広くなく、「強力な懐中電灯」みたいな感じです。
重さ、サイズ
サイズは29.5×19.5×19.1cm、重さは約6kgです。
イメージとしてはボウリングの玉くらいの大きさで、13ポンドの玉が約5.9kgなので「少し大きめの13ポンドのボウリング玉」あたりを想像してもらうと近いと思います。
男性が使う平均~重い球が13ポンドくらいなので、女性には少しだけ重く感じるかもしれません。
編集部
使用時間
実際に家電製品を動かしてみました。
使用家電 | 稼働時間 |
サーキュレーター | 「中」で約12時間 |
電気毛布 | 「小」で約23時間 |
ミニ冷蔵庫 | 約9時間 |
※あくまでも編集部で使用した機種による時間で、実際はお使いの機種・モデルによって電力が異なるので稼働時間も変動します
ミニ家電はかなりの種類使用できますが、電子レンジやドライヤー・小型ヒーターなどの熱を発生する500W~1000W以上の家電は出力300WのPowerArQ 2では使用できません。
キャンプでこうした大型家電や調理家電、ドライヤーを使いたい方は容量と出力の大きいPowerArQ Pro(1000wh)の方をおすすめします。
PowerArQ Proに関しては以下の記事で詳しくレビューしていますので、ぜひ読んでみてください。
関連記事:【2021年徹底検証】ポータブル電源 Smart Tap PowerArQ Pro (1000Wh)を本気でレビュー
充電時間
PowerArQ 2の500whをフル充電するのにどのくらい時間がかかるのか調べてみました。
充電方法 | 検証充電時間 |
付属のACアダプター | 約6~7時間 |
付属の車載シガーソケット | 約8時間 |
PowerArQ Solar 120W(別売りソーラーパネル) | 約4~6時間(天候で変化) |
PowerArQ Solar 210W(別売りソーラーパネル) | 約4~5時間(天候で変化) |
大体どの充電方法でも半日ほどで充電が完了します。
ただし、ソーラーパネルは天候条件に左右されるので、確実に充電するならシガーソケット充電かAC充電がおすすめです。
なお初期ロット製品の場合、シガーソケット充電で60%までしか充電されないそうなので初期ロット製品を使用している方は注意が必要です。(現行ロットは満充電可能です)
ソーラーパネルがあれば屋外でも太陽光から充電ができるので、連泊や長期キャンプ、また災害時の緊急予備電源として使用するなら持っておくと非常に便利です。
特にPowerArQ2は、ソーラーチャージャーによる充電を最適な条件で効率よく充電できるMPPT方式(最大電力点追従制御)ですので、ソーラーチャージャーとの相性が抜群です。
編集部
静音性
稼働音はほとんど無音です。80Wを超えるものに関しては稼働音が大きくなりましたが電気毛布やサーキュレーター程度のW数のものは全く稼働音が気になりませんでした。
操作性(使いやすさ・パネルの視認性・操作)
出力関係がフロントに集中しているので、シンプルでかなり使いやすく、また各ポートにそれぞれ出力端子の表示がしっかり表示されているので迷うことは無いでしょう。
液晶ディスプレイは少し小さめですが、はっきりとしたカラー液晶なので非常に視認性は高いです。
ただ残量ゲージが20%刻みの5段階表示で、ちょっと不便ですね。
編集部
左上の「POWER ON/OFF」を押すと使えるようになり、ACとDCを使用する場合、さらに「DC INPUT」「AC INPUT」を押す必要があります。
つけっぱなしにしておくとバッテリーが無駄に減りますので、使った後は必ずスイッチをOFFにしておきましょう。
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)の検証結果
Picky’s編集部の検証結果は、以下のようになりました。
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)総評
使い勝手 | 〇 |
携行性 | ◎ |
操作性 | ◎ |
静音性 | 〇 |
充電時間 | ◎ |
価格(コスパ) | 〇 |
サポート | ◎ |
メリット:多機能であらゆる用途に使えるバランスの良い機種
容量やサイズ、価格といったバランスが良く評判の良かったPowerArQの改良版だけあり、「比較的なんにでも使える万能機種」に仕上がっています。
- ある程度使う家電を厳選したソロキャンプ
- 家族や大人数のキャンプやレジャーでちょっとした家電品を使う
- 万が一の災害用の備えとして
このような「幅広くある程度しっかり使いたい」という多くの人のニーズを満たす製品となっています。
10万円を超える1000whクラスのポータブル電源と比較すれば容量が小さい分価格も手頃なので、災害の備えなど「とりあえず買っておく」のにもいいのではないでしょうか。
本当は1000whクラスがあると非常に便利なのですが、「あまり使わない・来るかどうかわからない災害に10万円以上も出せない」という方も多いと思います。
容量が小さいとはいえ、ないよりは絶対にあった方が便利なので、「とりあえず買っておく」ならこの機種は本当におすすめです。
編集部
デメリット:人によっては中途半端になりがちな容量
そこそこの容量、そこそこの出力という万能である反面、「中途半端」になりやすい機種とも言えます。
スマホの充電しかしないという方や、頻繁にキャンプや車中泊をしてがっつり家電製品を使用したい、大人数で使いたい、という方にはおすすめできません。
スマホ充電用としてはオーバースペックですし、がっつり使いたい方にとっては容量と出力が少ないと思います。
スマホやタブレットの充電しかしない、という方は安価でコンパクトな「モバイルバッテリー」という選択肢があります。
はっきりと用途が決まっている方は、その用途に適した製品・機種を買うようにしましょう。
編集部
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)の口コミ・レビュー
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)の口コミ・レビューをご紹介します。
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)の良い口コミ・レビュー
- ライトもあるし、ポートも多いし、特に目的がなくても1台持っていると便利!
- 家族全員で2枚の電気毛布が一晩使えました!
- スタッフがアフターサービスを本気でやっている感があってものすごく安心!
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)の悪い口コミ・レビュー
- 容量的に1泊で贅沢に使うには足りない
- ファンの音が若干気になる
他のPowerArQシリーズとの比較
PowerArQは現在容量、性能などの特徴が異なる5つのモデルが発売されています。
各シリーズの違いを簡単に比較してみました。
PowerArQ Pro | PowerArQ | PowerArQ 2 | PowerArQ Mini | PowerArQ Mini2 | |
容量 | 1002.4wh | 626Wh | 500Wh | 346Wh | 307Wh |
定格出力 | 1000W(最大2000W) | 300W(最大500W) | 300(最大450W) | 200W(最大400W) | 300W(最大) |
ポート数 | AC×3/シガー×1/USB-A×2/USB-C×2 | AC×1/シガー×1/USB-A×3 | AC×2/シガー×1/DC×2/USB-A×4/USB-C×1 | AC×1/シガー×1/USB-A×2 | AC×2/シガー×1/USB-A×2/USB-C×1 |
サイズ | 33.3×23.5×27.3cm | 30×24.2×19.3cm | 29.5×19.5×19.1cm | 23×19.3×19.5cm | 23×19.3×19.5cm |
重量 | 10.425kg | 約6kg | 約6kg | 3.5kg | 約4.7kg |
フル充電時間 | 約7.5時間 | 約6時間 | 約7時間 | 約8時間 | 約4時間 |
特徴1 | 大容量・高出力 | 容量大き目の使いやすいモデル | PowerArQ の改良版でバランスが良い | 容量は小さめだが価格もお手頃 | 4種類のポート搭載 |
特徴2 | 8ポート出力で使いやすい | バランスの良い機種 | USB-Cポート搭載モデル | 軽量・コンパクト | 急速充電可能 |
他のPowerArQシリーズについて知りたい方は以下の記事も読んでみてください。
関連記事:【2021年徹底検証】ポータブル電源 Smart Tap PowerArQ Pro (1000Wh)を本気でレビュー
関連記事:【2021年最新版】ポータブル電源 Smart Tap PowerArQ mini2 (300Wh)の調査&検証レビュー!
関連記事:【2021年最新情報】キャンプ・防災用に! ポータブル電源 Smart Tap PowerArQレビュー!
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)のよくある質問
最後によくある質問を集めました。
「Smart Tap Power ArQ」は何て読むの?
「スマートタップ パワーアーク」と読みます。
防水・防塵機能はありますか?
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)は防水防塵仕様になっていますが、性能は防塵防水保護等級規格「IP21」相当です。
これは防塵防水性能としてはかなり低く、ちょっとした埃とか水滴程度から保護できる、と言った簡易的な性能でしかありません。
編集部
パススルー充電には対応していますか?
引用:Smart Tap公式HP
PowerArQ 2は本体の充電をしながらスマホなどの充電ができる、「パススルー充電」に対応しています。
ただし、パススルー充電はバッテリーに負担をかけ、劣化を早めるのでできる限り使わないほうが良いでしょう。
周波数切り替えは可能ですか?
家電製品には50Hz/60Hz二つの周波数がありますが、PowerArQ 2は50Hz/60Hzの切り替えがワンタッチで可能です。
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)まとめ
Smart Tap PowerArQ 2 (500Wh)は比較的大きめの容量と出力を持つ、バランスの良いポータブル電源です。
始めてポータブル電源を買う方や、ちょっとした利用での目的と言った多くの方を満足させる万能モデルとなっています。
「とりあえずポータブル電源が欲しい!」という方は、この機種から買ってみてはいかがでしょうか。
ただ、ポータブル電源は一般的に考えてどのモデルも決して安いとは言えません。
- 「ちょっとだけ試したい」
- 「どの容量が適しているのかわからない」
- 「年に数回のキャンプなど、たまにだけ使いたい」
こういう方はまずはレンタルで試してみるという手もあります。
レントリーでは今回紹介したPower ArQ2や、Power ArQの2倍の容量を持つ、「Jackery ポータブル電源 1000」のレンタルもやっています。
関連記事:【徹底比較】本格的大容量のポータブル電源Jackery1000で30以上の家電製品を徹底的に検証
興味のある方は是非検討してみてください。
さらにPicky’sでは、今回紹介したPowerArQ2の他にも数多くのポータブル電源を解説・検証しています。
容量などの特徴や価格もメーカーや機種によって様々なので、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:【使って検証】Ankerのポータブル電源全5機種 おすすめ比較 !Power Houseの魅力をレビュー