出典:hola.org/
Hola VPNは、イスラエルの企業が提供するピアツーピア型のVPNです。独自のメリットもありますが正直デメリットの方が多く、特に日本のユーザーには使うメリットが見えづらいVPNサービスと言えるでしょう。
ただ、ピアツーピア型のVPNは非常に珍しいため、HolaVPNに興味を持っている方もいるはず。そこで今回は、HolaVPNについてや、使い方・料金について解説します。ピアツーピア型VPNに関する情報や、Holaの過去の問題や現在も残る安全性の懸念点についても詳しく掘り下げます。
結論から言うと、Picky’s編集部ではHolaVPNをおすすめしません。無料版にしても有料版にしても、もっと使いやすいVPNサービスがあります。それでもHolaが気になる方は、この記事を参考に利用を検討してみて下さい。
引用:hola.org
目次
Hola VPNとは?P2P方式の異色VPNサービス
運営企業 | Hola Networks Ltd |
暗号化 | AES256 |
ノーログポリシー | △(懸念が残る) |
ロケーション数 | 40か国以上(プレミアム版) |
サーバー数 | 1,000台以上(プレミアム版) |
プロトコル | IKEv2 |
帯域幅の制限 | あり(プレミアムでは制限なし) |
プレミアム版(有料版)料金 | 月額470円~2,360円 |
トライアル | 無し |
返金保証 | 無し |
HolaVPNは、イスラエルの企業Hola Networks Ltdが運営するVPNサービスです。Holaの提供する独自ブラウザ「Hola browser」をダウンロードすれば、誰でも無料でVPNが利用できます。ただし、無料版にはロケーション数や帯域幅の制限があり、無制限で使用するためには有料版の「Hola premium」を契約する必要があります。
最大の特徴は、数あるVPNサービスの中でも特殊な「P2P方式(ピアツーピア)」を採用している点です。そのため、よくも悪くも他のVPNにはない独自のサービスとなっています。
HolaはVPN上級者向けのサービスです。VPNについて基本から詳しく知りたい方や、VPN初心者の方は以下の記事も読んでみて下さい。
関連記事:VPN接続の仕組みとは?ビジネス用途や個人向けにわかりやすく解説!危険なデメリットも
関連記事:VPNの匿名性を徹底解説!どんなプライバシーが守られ、何がバレるのか紹介
関連記事:何が違う?VPNの種類やプロトコルを比較解説!セキュリティやコスト・用途の違いも
P2P方式とは?ユーザー同士で直接情報を共有できる仕組み
HolaVPN最大の特徴でもあるP2P(ピアツーピア/Peer-to-Peer)方式とは、サーバーを介さずにユーザーの端末同士で直接データのやり取りを行う方式です。コミュニティ主導型とも呼ばれます。
通常のVPNサービスは企業側にサーバーがあり、各ユーザーがVPNサービス企業側のサーバーに接続しサービスを利用する方式です。一方でP2P方式のHolaは、世界中のユーザーがお互いの使用している端末同士を経由しVPNサービスを利用します。
P2P方式は、データを分散管理できる・システムダウンが少ない・匿名性が高いと多くのメリットがある一方、各ユーザーと通信を共有するためセキュリティリスクが高いのがデメリットです。
編集部
Hola VPNのメリット・デメリット
Hola VPNのメリット・デメリットをまとめました。
Hola VPNのメリットは、無料で使えて各国の接続規制に強い
- 無料版がある
- 各国のストリーミングサービスのジオブロック解除に比較的強い
- プレミアム(有料版)では接続できるロケーションが多い
Hola VPNのメリットは、Hola browserに無料VPNが組み込まれているため、Hola browserをダウンロードするだけで無料のVPN機能が利用できる点です。無料版ではロケーションや帯域制限(使用できる通信量の制限)はあるものの、それ以外の大きな制限はなく無料で使えます。
また、HolaはP2Pを利用しているため海外の現地ストリーミングサービスを視聴しやすいのも大きなメリットです。一般的な大手のVPNサービスは、ジオブロックされやすく、海外から現地のサーバーに接続してもその国の動画配信サービスを見られないケースが多々あります。
一方で、P2P方式で現地の一般ユーザー端末を介してアクセスするHolaは比較的ジオブロックを突破しやすいようです。ただし、ジオブロックを突破できる可能性が高いだけで確実ではありません。VPNサービス側と現地のジオブロックは常にイタチごっこをしているため、ブロック解除目的で使用する場合は直前に必ずテストを行ってください。
さらにHolaではプレミアムを契約すれば、他のVPNサービスのように専用サーバーを利用でき、40か国以上と比較的多くのロケーション(国)サーバーが無制限で利用できます。
編集部
Hola VPNのデメリットは安全性・信頼性が低い点
- Holaの無料版は常にセキュリティリスクがある
- Holaは過去ユーザーのログを別の会社に売った経緯がある
- VPNに関する情報が少なく詳細なスペックが不明
- 日本語に対応していない
- 有料版の価格が高い
Hola VPNのデメリットはたくさんありますが、特に大きな問題が「安全性・信頼性が低い」点です。P2Pは、他人の端末同士でネットワークを繋げる方式のため、不特定多数のユーザーがこちらの端末を経由してネットワークに接続してくる可能性も考えられます。
通常であれば大きな問題はありませんが、悪意を持ったユーザーが別のユーザーのネットワークを経由して違法な行為を行った場合、大きなトラブルになるかもしれません。有料版のプレミアムプランを契約すれば専用回線が利用できるため安全性は高くなります。不安な方はプレミアムプランを契約するといいでしょう。
他にも安全性の問題はあります。Holaは過去にLuminati(現:Bright Data)と言う子会社に、Hola利用ユーザーのログ(ユーザーのアクセス履歴・記録など)を販売した経緯があります。
現在では公式ウェブサイトに「情報収集や第三者に情報を渡すことはありません」とノーログポリシーに関する記載があるものの、Hola利用時の規約に「限定的ではありますが情報収集をしています」と真逆の内容を書いているため、基本的にはあまり信用しないほうがいいでしょう。情報収集されていると考えた方が安全です。
情報収集自体はすぐに何か問題につながるわけではありませんが、知らないところで自分の情報が収集されているのを不安に感じる方は利用を控えた方がいいでしょう。
VPNのスペックに不明な点が多いのも気になります。暗号化はAES256、プロトコルはIKEv2を使用していると記載されていますが、それ以外のロケーション数やサーバー情報も少なくはっきりとスペックが見えてきません。有料のプレミアムにした場合も「高速化できる」「多数のロケーションに接続可能」「正確なIPが使える」と、ぼんやりとした情報しか書いてありません。
日本語に未対応なため、日本のユーザーにとって利用のハードルが高いのもデメリットです。英語が苦手な方は、Google翻訳を利用しながら登録や利用を行う必要があります。気になる点が多いにもかからわず、プレミアム版の料金が大手のVPNサービスと同等かやや高いのも気になる点です。
無料版にしても、有料版にしても、もっと安全で使いやすいVPNサービスがたくさんあります。海外サーバーへの接続やセキュリティ強化、ジオブロック回避といった一般的なVPN利用目的の場合、あえてHola VPNを使う理由はないでしょう。
編集部
Picky’sでは、セキュリティが高く安全に使える大手のVPNサービスを多数紹介しています。安全性を重視する方は、以下の記事で最適なVPNサービスを探してみて下さい。
関連記事:【高速で繋がる】ExpressVPNの評判・料金を調査!速度や使い方もレビュー
関連記事:【速度をレビュー】NordVPNは快適な通信速度!使い方や評判も調査
Hola VPNプレミアム(有料版)の料金プラン
有料版であるHola VPNプレミアムの料金プランを解説します。Hola VPNプレミアムの料金プランは1種類のみですが、契約する期間によって1月あたりの利用料金が変わります。
月額プラン(monthly) | 1年間プラン(yearly) | 3年間(3years) | |
利用料金 | 2,360円 | 14,520円 | 16,920円 |
1か月あたりの料金 | 2,360円 | 1,210円 | 470円 |
通常1ヶ月の利用料金は2,360円ですが、1年分まとめて支払うと1月あたり1,210円、3年の場合1月あたり470円です。6ヶ月以上使うつもりであれば、1年や3年プランを契約しましょう。
編集部
無料版と有料版の違い
有料版と無料版の違いですが、公式ウェブサイトのプレミアムページに記載されていた部分を訳しました。
- 視聴時間無制限
- 複数のデバイスで利用可能(最大10台)
- 最高速度でボーダーレスを実現
- より多くの国からアクセス可能
- HDコンテンツにアクセスできる
- さらに便利な機能にアクセス可能
簡単にまとめると、「高速の回線を無制限で使えて、より多くの国やコンテンツにアクセスできる」です。また、プレミアムプランに契約すると、P2P方式ではなく、他のVPNサービスと同様に専用サーバー回線が利用できます。
VPNサービスを安全に、快適に利用したい場合は、プレミアムプランに加入するといいでしょう。
引用:hola.org
Hola VPNの登録方法と使い方
Hola VPNの使い方です。Hola VPNの無料版を使うには、まずHola公式ウェブサイトで「Hola browser」のダウンロードする必要があります。
公式サイトのトップページにある「Get Hola – it’s free」をクリックすると、パソコンに「Hola set up」がダウンロードされます。
「Hola set up」を開き、指示に従ってインストールを進めるとパソコンに「Hola browser」がインストールされます。あとはHola browserを利用するアカウントを作成すれば、Hola browserとVPNが利用できるようになります。
OSではなく、Googleの拡張機能としてHolaを利用することもできます。
Googleウェブストアで「Hola」と検索し、表示された「HolaVPN」をインストールして拡張機能に登録すればOKです。普段からchromeを利用していて、VPNメインでHolaを使いたい場合はこちらの方が使いやすいかもしれません。
Hola Premium登録方法
HolaVPNプレミアムの登録方法です。公式ウェブサイトの上部にある「Premium」をクリックします。
Premiumプランのページに移動したら「Starting at JPY 470 / month」と表示されている部分をクリックしてください。
支払い画面に移ります。一番上にあるプラン(契約期間)を選び、続いて支払い方法を選んでください。
- クレジットカード
- PayPal
- Google Pay
- Alipay(アリペイ/支付宝)
- giro pay
- SOFORT
- iDEAL
クレジットカードやGooglePayのほか、中国やオランダ、ドイツで使用されている決済方法も利用できます。日本のユーザーはクレジットカード・PayPal・Google Payを選びましょう。
支払い情報の入力が完了したら、最後に「Pay with alternative method」をクリックすれば完了です。
編集部
Hola VPNの口コミ・評判
最後にHola VPNを実際に利用したユーザーの口コミをまとめました。良い口コミも悪い口コミもまとめていますので、利用時の参考にしてください。
Hola VPNの良い口コミ・評判
- 使い方がシンプルですぐに理解できる
- 現在大きな問題は起きていない
Hola VPNに関する良い口コミは、海外ユーザーばかりで、日本のユーザーの口コミはほぼありませんでした。口コミ自体も少なかったのですが、「使い方が簡単でとても良い」と書いているユーザーが散見されました。確かにHolaVPNは国を選んでクリックするだけなので、使い方は簡単です。
他には、「いろいろ言われているが、今現在特に大きな問題は起こっていない」とも書かれていました。Holaに関する情報が気にならないユーザーは、特に気にせずHolaVPNを使用しているようです。
Hola VPNの悪い口コミ・評判
- セキュリティが信用できない
- 料金が高い
- もっと他に優れた選択肢がある以上使う理由がない
Hola VPNに関する悪い口コミは、辛辣な意見が多く目につきました。中でも「とにかく情報の扱いが信用できない」と、セキュリティ・安全性の低さに関するレビューが多数書き込まれています。
「確かに無料かもしれないが、お金の代わりに私たちは個人情報とプライバシーで料金を支払うだろう」と、不穏な評価も見られました。Hola は以前子会社に情報を売っていて、また当時Hola側もそれを認めた経緯があるため現在もユーザーの間には大きな不信感があるようです。
編集部
Hola VPNより優れたVPNはたくさんあるため、無理して使う必要はない
引用:hola.org
Hola VPNは、VPNでは珍しいP2P方式を採用したユニークなVPNサービスです。ただ、P2P方式自体のセキュリティリスクや、Holaが過去ユーザーの情報を販売していた件もあり、現在も安全性には少なからず疑問が残るVPNです。
- 他のVPNサービスに比べセキュリティリスクや情報漏洩リスクが高い
- 料金は決して安くない
- 無料でも有料でもほかに優れたVPNサービスはある
特別な理由がない限り、HolaVPNではなくほかのVPNサービスを利用するといいでしょう。安全性や信頼性が高く、安価で日本語に対応したVPNサービスはたくさんあります。
Picky’sでは、優れた無料版のあるVPNや、安価で安全な大手のVPNサービスを多数紹介してます。安価で使いやすく、安全なVPNサービスを探している方は、以下の記事もぜひチェックしてください。