真夏には全国各地ですごくキレイな花火大会がたくさん行われています。
そんな花火をキレイに撮影したモノをtiwtterなどで配信しているのをよく見かけます。私もそんな写真を撮ってみたい!!という人のために、一眼レフで花火をキレイに撮る方法を詳しく説明していきます。
初心者でも分かるように準備から撮影方法まで1つずつ詳しく説明していきますので是非挑戦してみてください!!
- 花火の撮影方法
- 花火撮影に必要なもの
- 様々な花火の撮り方
夏の風物詩、打ち上げ花火。一眼レフを持っているなら、はっきりクッキリ鮮やかに撮影してみたいですよね。夏の夜空に浮かぶ大輪の花は、少しの機材と基本の方法を押さえておけば案外簡単に写すことが出来ます。今回は初心者でも簡単に花火撮影が出来るように花火撮影の基本をお伝えしていきます。
目次
一眼レフ・ミラーレスカメラでの基本となる花火の撮影設定の目安
撮影モード
カメラの撮影モードはM(マニュアル)
にしましょう。難しいイメージがあるかもしれませんが、シャッタースピード、ISO、F値を今から説明する値にさえすればひとまず花火を写すことは出来るはずです。
ピント
花火は近くで見ても数十メートル離れている物なので、ピントはマニュアルにし無限遠にします。明るい内に無限遠に合わせて固定しておくか、暗くなってからならライブビュー画面と拡大機能を使って遠くの夜景や街灯などにピントを合わせましょう。
花火と同じ距離の夜景がはっきりと明るく見えるものであったりする場合は、マニュアル設定ではなくAFでも合うかもしれません。
シャッタースピード(S)
バルブ機能を使わない場合は3~10秒くらいがよいでしょう。三脚が必須となります。2尺玉のような、高い場所で大きく広がるような花火を狙う場合は8~15秒くらいで撮ると一枚で綺麗に撮影出来ます。タイミングが重要です。
レリーズがある場合は花火の打ち上げに合わせてバルブ撮影(シャッターボタンを押している間の分だけシャッターが開く=花火を写せる)で自分の好きなタイミングでシャッタースピードをコントロールすると良いでしょう。バルブ撮影ではレリーズも必須となります。
シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!絞り(A)
F11~22と、かなり絞るくらいがちょうど良いです。花火の光はそこそこ強いので、絞って光の量を減らさないと光の跡が真っ白く白飛びしてしまいます。
しかし、絞りすぎてしまうと回折現象によって画質の低下が起こってしまうので注意が必要です。
ISO
ISOも出来るだけ低く、ベース感度(ISO100~200以下)まで下げるようにしましょう。
ホワイトバランス
私は基本「晴天」で撮っていますが、オート(Auto)で無ければ基本何でも大丈夫です。一眼レフの設定をオートにしてしまうと、一枚撮影する度に違う色合いで写ってしまうので注意が必要です。
三脚なしの手持ちで、打ち上げ花火を綺麗に撮る撮影方法
三脚を使うのがメジャーな花火の撮影方法ですが、花火大会にカメラは持って行くけど、三脚を持って行けない・持って行かない・持って行きたくないと言う方も多くいるでしょう。そこで今回は、花火の手持ち撮影方法のポイントを紹介していきます。
しかし、花火撮影はブレ無く長いシャッタースピードで撮るほど一般的には美しく撮れるので、三脚撮影がオススメであることに変わりはありません。
撮影モードは基本何でもOK。おすすめはシャッタースピード優先AE
三脚がない分撮影設定に自由が効かないので、A,S,M,P等撮影モードはどれでもかまいません。しかし、この後に詳しく書きますがシャッタースピードはコントロールしたい重要な要素になるので、最初はシャッタースピード優先AE(S)の撮影モードにしておくと良いでしょう。
一番の敵は「手ブレ」!
三脚なしの手持ちで撮る場合は、失敗しないためにまず手ブレを抑えなくてはなりません。手ブレが起こる限界のシャッタスピードは「1/35㎜換算での焦点距離」と言われているのでまずはそれに従って撮ってみましょう。手ブレを起こさないシャッタースピードにするためにISO感度は800~3200など少し高くなります。
レンズやボディに手ぶれ補正機能がある場合はONにしましょう。(三脚撮影の場合はOFFにしたほうが良いです)
たかし先生
シャッタースピードが遅く長くなるほど光の線は多く長く写る
手ブレを抑える一番の方法はシャッタースピードを速くすることなのですが、それと相反することに、シャッタースピードを遅くするほど花火の光の筋は多く写り綺麗な花火らしい写真になります。なので花火を実際に撮影してみて、その時に手ブレを起こさない出来るだけ遅い限界のシャッタースピードで撮影すると一番綺麗に花火が撮れるはずです。ブレてしまう方は三脚を使った撮り方がおすすめ。安定しているので、ブレることなく撮影できます。
シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!とにかく白飛びを防ぐために
手持ち撮影でも設定が明るすぎると白飛びが起こってしまいます。露出補正をマイナスにしておくか、ISO感度のオート機能を使わず自分でISO感度を決めて明るさを調整しましょう。
フラッシュはOFFに!
花火だけを撮る場合、フラッシュは特に効果を得られないので、OFFにしましょう。
花火と手前の人物などを撮る場合は有効です。
花火撮影に向いているカメラ・レンズ・必要な機材
カメラボディ・レンズ
花火は基本どんなボディやレンズでも無理の無い設定で綺麗に撮影出来ます。
しかし手持ちで撮影したい場合は、高感度耐性があり、手ブレ補正の付いたボディが向いているでしょう。レンズも手ブレ補正が付いているものが良いです。
もう困らない!一眼カメラのレンズとその種類について徹底解説!三脚のおすすめ
カメラを固定して長い時間のシャッタースピードで撮影するために必須です。
花火を近くで撮影したい場合は他に大勢の観客がひしめき合うような状況もあり得るので、他の人の邪魔にならないようにコンパクトに設置できるものがあると便利です。遠くから撮影する場合はどのようなものでも大丈夫ですが、ブレを起こさない頑丈なものが良いです。
関連:カメラやビデオにオススメの三脚について1からわかりやすく解説してみる
レリーズ
自分の好きなタイミングでシャッターを開くためのバルブ撮影に必要です。
ボタンを押している間シャッターが開きます。
カメラボディに直接触らずにシャッターが切れるので、ぶれ防止にもなります。
NDフィルター
NDフィルターを使って物理的にレンズに入り込む光を少なくし、白飛びを防ぐという手もあります。
関連:滝や花火の撮影からポートレートまで!表現を広げるNDフィルターの選び方と使い方
黒いうちわや板、布
撮影方法の1つとして、シャッターを開けたままにして撮りたい花火が上がっていない間は黒いうちわや板などでレンズを覆い、花火が上がっているタイミングだけそれを外すことで狙った花火だけを切り撮れるという方法があります。理屈が分かってきたら実践してみると良いでしょう。
また、ファインダー部分にかけておくことでファインダーからカメラ内部への入光を防げます。
花火撮影のロケーション選びと撮れる写真のイメージについて
ロケーション選びの重要性
撮影技術以上に花火撮影の決め手となるのは、ロケーション選びです。花火の打ち上げ場所を事前に把握し、どのくらいの画角で撮影するのか、背景に何を写しこむのかなどを計算して撮影に臨むことで、自分だけの美しい花火写真を撮ることが出来ます。花火を近くで撮る場合と離れた場所から撮る場合どのような花火写真が撮影出来るか整理してみましょう。
写真をより面白くする!カメラの基本構図パターン10選花火の近くで撮影する場合
- 夜空に浮かぶ画面いっぱいの花火
- 花火を見上げるor道行く人々と花火
- お祭りなどの目の前にある景色と花火
このように、花火が主題となることが多そうですね。何か他の被写体と一緒に写すにしても、花火の存在感が大きくなりそうです。
遠くから花火を撮影する場合
- さらに遠くの風景と花火
- 街の夜景と花火
- 川や湖に反射して写る花火
遠くから撮ると花火の被写体としての力が弱まり、他に写しこむ物の要素が強くなります。
例えばこの写真
花火も美しいですが、手前の夜景や城にも目を引かれます。このように花火を副題としてしまうことで、普通の夜景を非日常的な風景に様変わりさせることも出来ます。その分ロケーション探しは難しくなりますが、それも写真撮影の醍醐味です!
トリひこ君
比較明合成という手段
同じ構図で何種類もの花火を撮っておいて、あとで画像編集ソフトを用いて合成することで一枚の写真に仕上げるという方法もあります。
一眼レフ・ミラーレスカメラでの花火撮影のコツ
場所取りは早め早めに
人気の花火大会では、場所取りは食料等入念な準備をして日中から望みましょう。日中から行くことで花火以外の風景をあらかじめ確認することも出来ます。
とにかく白飛びを避ける
写真で明るく写りすぎてしまった場所は、真っ白くつぶれて「白飛び」してしまいます。花火は気持ち暗めに写るように、ISOを低く・F値を高く設定しましょう。
花火のプログラムがあれば把握しておく
打ち上げ花火にもいろいろな種類があります。カラフルな物から、2尺玉のような大きくて明るい物、そしてまぶしいようなフィナーレ。これらの花火は意外とそれぞれ明るさが異なります。そのため、小さな花火でちょうど良く撮っていた設定でフィナーレを撮影すると白飛びして真っ白に・・・なんてことになりかねません。花火大会のHPなどで花火のプログラムを確認しておく良いでしょう。
近くから花火を撮影する場合
広角でダイナミックに花火を切り取る
せっかく近くで撮影出来るのなら、広角で大きく花火を写したいですね。近すぎたり、レンズの画角が狭かったりして画面から大きく花火が見切れてしまわないように注意しましょう。
前景を入れることで臨場感UP
黒い夜空とそこに浮かぶ花火だけの写真では、距離感がつかめず単調でいまいち面白みに欠けてしまいます。手前にある景色や人物などを取り入れることでその場の状況説明ができ、花火との距離感が分かることで臨場感を出せます。
遠くから花火を撮影する場合
標準~中望遠の画角で花火と風景をバランス良く切り取る
花火以外に画面に何をどこに配置するかを意識しましょう。ただ遠くから撮るだけでは遠近感の無い写真になってしまいます。
ロケーション選びがとにかく重要
「○○花火大会 撮影スポット」と検索すると都合の良い撮影スポットが見つかることも多くありますが、Googleマップとにらめっこして誰も知らない新たな撮影スポットを開拓するのも楽しいですよ。あまり打ち上げ地点より離れていると大気のかすみでもやっとしてしまったり、遠近感の無い写真になってしまうこともあるので注意が必要です。
空気が霞んでいる日・風向きが悪い日は近くから撮るのが良し
晴れの日が続いたり花粉や黄砂の時期だったりすると、大気が霞んで遠くの風景がもやっとして見えづらくなってしまいます。
良いロケーションだったとしても風向きが打ち上げ地点から撮影地点に向かう風だと、花火の煙がこちらに向かって流れてきてしまいます。遠くからだとその煙で次に打ち上げられる花火が煙によって遮られ、見えにくくなってしまうことがあるのです。
花火撮影のマナー
- ・三脚の設置は他の人の邪魔にならないように
- ・ゴミを残さない
- ・忘れ物・落とし物に注意
三脚は場所をとる機材です。近くに人が多い場合は配慮した設置をしましょう。また、他のカメラマンがいる場合はカメラの画角に入らないように、前に位置取らないようにしましょう。常識的なことですが、撮影に夢中になって満足してしまうと、他のことを蔑ろにしてしまいがちです。自分が出したゴミは持ち帰るように気をつけましょう。
夜の撮影では地面が見えづらく、レンズキャップなどのような小物を落としてしまうと気づかないまま忘れてしまいかねません。持ってきた物は変える前にもう一度ちゃんと持っているか確認しましょう。
まとめ
花火撮影は初心者にはハードルが高い撮影かもしれませんが、ISO感度を上げる必要が無かったりF値を低くする必要が無かったりと実は機材のクオリティが撮影にあまり影響しない撮影でもあるのです。
テクニックさえ身につければプロと同じような写真を撮影することも可能なのです。早速今年の夏の各地の花火大会のスケジュールを確認してみましょう!
最後に撮影設定をもう一度おさらい
- 基本三脚は必須
- ピントは無限遠∞
- M(マニュアル)モードで撮影
- シャッタースピードは3~10秒
- 絞りはF11~20
- ISOは出来るだけ低く
- 手持ち撮影の場合は手ブレに注意して限界までシャッタースピードを遅く設定