近年、インターネット上の脅威は巧妙化し、個人情報漏洩や金銭被害などの深刻な被害も増加しています。
Windows Defenderを始めとした、無料のセキュリティソフトもある程度の性能のものが増えてきていますが、実際にそれだけで十分なのでしょうか?
無料のセキュリティソフトは手軽に利用できますが、サービスによっては、本来必要な機能が備わっていないという可能性もあります。
この記事では、無料ソフトと有料ソフトの違いと、現状おすすめ出来る無料のセキュリティソフトについてご紹介いたします。
無料セキュリティソフトと有料ソフトの違い
基本的な違いとして、ほとんどの有料セキュリティソフトは、無料のものよりも多くの機能を提供しています。
有料版と無料版を両方提供している場合は、無料版は機能を制限されている形が多いですが、一番メインの対策である、ウィルス・ランサムウェアなどの対応は無料機能の中に含まれているソフトが多いです。
違いを項目として簡単にまとめると、
- リアルタイム保護機能が限定的
- 高度な保護機能が搭載されていない
- 検知率が有料ソフトに比べて低め
- サポートが充実していない
高度な保護機能の例ですが、有料版にすると、ファイアウォール保護、アプリケーションのチェックと制御、危険な可能性のあるWi-Fi接続の検出といった機能などが付くケースが多いです。
なお、ほとんどのケースで、無料セキュリティソフトにはカスタマーサポートや技術的なヘルプ対応サービスがないので、実際に何かトラブルがあった際には自力で解決する必要があります。
また、無料のセキュリティソフトの中には、非商用目的に限り無料なものも多いので、仕事で使うパソコンを保護したい場合は、有料ソフトを利用するケースが増えると思います。
おすすめの無料セキュリティソフト
有料版と同じウイルス・マルウェア対策が利用可能!
Avast(アバスト)はチェコに本社を置き、世界中に進出しているセキュリティソフトウェア企業です。
アバストが提供している無料のアンチウィルスソフトは、他のセキュリティソフトよりも、無料で利用できる機能が多いのがポイント。
無料で利用できる機能:ウィルス・マルウェア対策、ファイアウォールの基本的な機能が利用可能。ネットワークセキュリティスキャナー、ブラウザー保護も利用できます。
また、無料のセキュリティソフトは、Windowsだけに対応していたりすることも多いのですが、アバストはWindowsだけでなく、Mac、Android、iOSにも対応しています。
無料版で制限されている機能:高度なファイアウォール機能、ウェブカメラ保護、ランサムウェアおよび悪質なウェブサイトからの保護、ファイルのクリーンアップ、パスワードマネージャーなど。
セキュリティテストについて:アバストは、セキュリティツールを評価・研究する機関のAV-Comparativesの実施する3つのテストにおいて、全て最高評価のAdvanced+を獲得。AV-Test Instituteのテストにおいては18点満点中17.5点。
注意点:こちらのサービスは個人利用を対象としており、法人などで利用する場合は有料のビジネス版が推奨されています。
AVGのアンチウィルスソフトは、チェコで創業され、現在はオランダのアムステルダムに本社を置くAVGテクノロジー社が開発、販売しているセキュリティソフトです。
AVGは2016年に、アバストに買収されたため、サービス自体は別ブランドとして運営されていますが、基本となるウイルス対策エンジンはほぼ同じものが利用されています。
セキュリティテストについて:AV-Comparativesの実施する3つのテストにおいて、アバストと同じく、全て最高評価のAdvanced+を獲得。
アバストとの違いですが、アバストの方が有料プランのプレミアム機能が多いです。
ただし、無料版に関しては基本的な機能はアバストと同じで、大きな違いは見た目になりますが、ユーザーインターフェースはこちらの方がシンプルです。
マイナスポイント:有料版へのアップグレード催促や、有料のプレミアム版に関する30日間無料トライアルに関する表示が多い。
BitDefenderは、ルーマニアのブカレストに本社があり、米国、ヨーロッパ、オーストラリア、中東などに拠点のあるサイバーセキュリティ企業です。
日本ではあまり馴染みのないブランドですが、世界的には知名度が高く、人気のセキュリティソフトです。
なお、ソースネクスト社が販売している「ZERO スーパーセキュリティ」はBitDefenderのOEM製品で、日本版にローカライズされているので、有料版ではありますがBitDefenderの製品が使いたい人にはおすすめです。
関連記事:更新0円のZEROウイルスセキュリティは本当に守れる?気になる口コミやデメリットを解説
無料版で制限されている機能:基本的なマルウェア対策機能はあるが、ランサムウェアの修復機能は制限。またペアレンタル コントロール、スパム対策、ファイアウォール、アンチトラッカーなどの機能はなし。
セキュリティソフトについて:AV-Test Instituteの定期テストにおいて、BitDefenderは18点満点中の18点を獲得。また、AV-Comparativesの評価においてもアバスト、AVG、McAfeeと同様にAdvanced+ を獲得。
注意点:無料版のダウンロードページは英語版のみ。ソフト自体はダウンロード後に日本語に設定変更が出来ます。インストール直後のフルスキャンが他のソフトよりもかなり長く、3時間以上かかることもある。
Aviraはドイツの多国籍セキュリティソフト会社で、アメリカ、中国、ルーマニア、日本にも拠点がありますが、主にヨーロッパで人気のサービスです。
無料で利用できる機能:基本的なウィルス対策、シンプルなパスワード マネージャー、広告ブロック、VPN(帯域制限有り)
無料版で制限されている機能:ファイアウォール、バックアップ、スパムフィルタリングなどは無し。
セキュリティテストについて:AV-ComparativesではAdvanced+ではないものの、Advanced評価を獲得。マルウェアに対する防御能力の点数は高目。
ファイアウォール機能などが無料版には付いていないので、セキュリティ対策の点では他のサービスで良いと思いますが、簡易的なVPNやパスワード管理機能が付いているのは珍しいので、それらの機能が無料で欲しい場合はおすすめです。
Windowsのデフォルトセキュリティツール
Microsoft Defenderには無料のものだけではなく、一部有料プランに含まれる製品もありますが、無料版については、Windows10以降の標準ライセンスには自動でインストールされています。
セキュリティテストについて:過去には研究機関のテストでかなり悪い点数をとっており、0点を取ることもありましたが、最近では全体的にまずまずといった評価になってきました。
AV-Comparativesでは合格点であるStandard評価を取得。
以前に比べて、マルウェア対策で良いスコアを取るようになってきましたが、フィッシング詐欺の検出などではまだまだ良い評価が出ていません。
総合的に見ると、何も入れてないよりはあった方が良いですが、自分で選んで無料のセキュリティソフトを入れる場合であれば、専門的な会社の提供するセ他のキュリティソフトを導入した方が明らかに性能が良いです。
注意点:悪意のあるWeb サイトに対する保護がマイクロソフトのEdgeのみで機能する点。他のセキュリティソフトを使っている時は、Defenderは休止状態になる点。
繰り返しとなりますが、基本的に有料のウイルス対策ソフトは、無料のものよりも多くの機能を提供していますし、無料版のユーザーに対してはしっかりとしたサポートを提供していません。
より充実したセキュリティソフトが欲しい場合は、是非こちらの記事を参考にしてみて下さい。