韓国の代表的なSNSアプリである「カカオトーク(Kakao Talk)」。無料の音声通話やメッセージのやり取りといった、LINEに似た機能を備えているのが特徴。友だちとのコミュニケーションツールとして利用している国内ユーザーも少なくありません。
とはいえ、いざカカオトークを使うとなると「カカオトークって安全?」「個人情報の流出はしない?」と不安に感じる人は多いでしょう。
そこで今回は、カカオトークの危険性についてPicky’s編集部が解説。カカオトークの特徴やセキュリティリスク、対策方法などの気になる情報をまとめました。カカオトークを利用している人・これから利用したいと考えている人は、ぜひ目を通しておいてください。
目次
韓国発祥のカカオトークとは?LINEとの違いを比較
カカオトーク(Kakao Talk)は、発祥である韓国で広く利用されているコミュニケーションアプリ。国内外の相手と無料でメッセージのやり取りや通話ができ、日本人利用者の多いLINEのような存在です。下記表にてカカオトークとラインの特徴を比較してみました。
カカオトーク | LINE | |
主な機能 |
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特徴 |
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利用料金 | 無料 | 無料 |
セキュリティ機能 | ○ | ○ |
無料で使えることや基本機能は共通しており、どちらも普段のコミュニケーションに役立ちます。カスタマイズ機能が充実しているLINEに対し、カカオトークは豊富なスタンプやゲーム機能を備えているのが特徴です。
LINEは日本人利用者が多く、日本産のアプリという認識をしている人が多いですが、発祥は韓国の大手インターネットサービス「ネイバー」です。ネイバーの日本法人であるネイバージャパン(現在のLINE株式会社)によって開発され、現在はヤフー株式会社のグループ会社として運営されています。
日本ではLINE・韓国ではカカオトークがコミュニケーションツールとして普及しているのが現状です。
個人情報漏洩や不正利用も?カカオトークの危険性
カカオトークには暗号化などの安全機能が備わっているものの、セキュリティが完璧という訳ではありません。ここでは、カカオトークの危険性や実際に起こったトラブルについて解説します。
危険性①ハッキングによる個人情報の漏洩
近年韓国では、カカオトーク利用者の個人情報を盗み取る不正行為が発生しています。
2023年3月には、悪質なハッキング行為によって6万人以上のカカオトークユーザーの個人情報が流失してしまう問題が発生。流失した個人情報は迷惑メール業者などに売られていたことが分かり、韓国内で大きな議論になりました。
いくら自分が個人情報の取り扱いに気を付けていても、アプリへのハッキング行為は避けるのは難しいもの。他のSNSにも言えることですが、知らないうちに自分の名前や電話番号などが海外の悪徳業者に知られてしまうリスクはゼロではありません。
危険性②アカウントの乗っ取り
カカオトークのパスワードや認証番号を他人に知られると、勝手にログインされてアカウントを奪われてしまうことがあります。
例えば、弱いパスワードや同じパスワードを複数のサービスで使い回している場合、他のサービスでのパスワード漏洩が原因でカカオトークのアカウントも乗っ取られる可能性があります。また、コンサートのチケット売買やサービス代行などを謳った業者に言葉巧みに誘導され、パスワードや認証番号を入力してしまうケースが多々発生しているのが現実です。
アカウントを乗っ取られてしまうと、自分の個人情報やメッセージのやり取りを盗み見られてしまうほか、2度と同じアカウントは使えなくなります。最悪の場合、奪われたアカウントが詐欺などの犯罪行為に使われてしまうことある、悪質な手口です。
危険性③QRコードを利用したアクセス詐欺
カカオトークには、カメラでQRコードを読み取る機能が備わっています。QRコードを読み取ると自動で友達追加ができ、通常利用するには大変便利な機能です。しかし、このQRコードを利用したアクセス詐欺が発生しているのも事実。QRコードで偽のWebサイトに誘導して、個人情報を盗み取ったり、不正に金銭を要求したりといった詐欺が増えています。
海外ではコインパーキングの支払い機に偽のQRコードが用意されていて、実際に金銭を支払ってしまったという被害がありました。SNSで知らない人から突然QRコードを送られたり、屋外にある支払い機を使ったりするときは特に注意してください。
カカオトークによるセキュリティリスクの対処方法
ここでは、カカオトークのアカウント乗っ取りや個人情報の盗み見といったリスクを防ぐための対処方法・注意点を紹介。自分で簡単にできる対策もあるので、カカオトークを利用する前にチェックしておきましょう。
対策①パスワードやIDを分かりにくいものに設定する
カカオトークのIDやパスワードは、アカウントのログインや友だち追加のために必要な情報。IDやアカウントを単純なものにしてしまうと、アカウントを乗っ取られてしまったり、まったくの他人が勝手に友だちに追加されたりといったトラブルが発生します。
最も有効な対策方法は、パスワードをこまめに変更すること。また、IDやパスワードを設定するときは、X(旧Twitter)・Instagram・Tiktokなどの他のSNSのIDから予想できるものは避けるのがベストです。
対策②セキュリティ機能やプライバシーの設定を行う
カカオトークを利用するときは、二段階認証を有効にしておきましょう。二段階認証があれば、ログイン時に登録した電話番号に送られるコードが必要になります。アカウントの乗っ取りを防止できるうえ、他人がログインを試みたことにすぐに気付けるのがメリットです。
また、IDの検索設定や友だちの自動追加機能をオフにしておくことも忘れずに。これらの機能がオンになっていると、他人や親しくない知り合いが友だちに自動で追加されてしまい、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。
安心かつストレスなくカカオトークを使うために、セキュリティ機能やプライバシーの設定をあらためて見直しておきましょう。
対策③むやみにIDを教えない・友だち追加をしない
カカオトークによるトラブルを防ぐためには、カカオIDの取り扱いにも注意してください。SNSなどで知り合った相手にむやみにIDを教えたり、不特定多数の人が閲覧できるプロフィールにIDを公開するのはNG。信頼できる相手にだけIDを教える・友だちを追加することが大切です。
また、もしSNSなどで知り合った相手を友だちに追加した場合は、自分の個人情報はなるべく与えず、ネットリテラシーを意識したやり取りを行いましょう。
カカオトークの「電話帳の自動収集機能」はオフにしておくべし
カカオトークには、電話番号の自動収集機能が備わっています。これは、電話帳と連携させ、電話帳に登録している人の中で、カカオトークを利用している人を自動で友だち追加する機能です。
友だちのアカウントを見つける際に便利な機能ですが、電話番号さえあれば親しくない知り合いまで追加されてしまうので注意。また、こちらは知り合いだと思って電話帳に登録していても、相手が電話番号を変更しており元の電話番号を他の人が使っている場合、その他人が友達として追加されてしまいます。
もし他人であっても、カカオトーク内では電話帳に登録している名前で表示されるため、気付かずにメッセージを送ってしまうことも。万が一個人情報を含めたメッセージや写真を送信してしまうと、第三者への個人情報の漏洩になり、予期せぬトラブルの原因になります。
快適にカカオトークを使うためにはもちろん、自分や友だちのプライバシーを守るために、電話番号の自動収集機能はオフにしておくのがおすすめです。
まとめ:万全な対策をして安全にカカオトークを使おう!
- カカオトークにセキュリティ機能はあるが完璧じゃない!
- 設定を見直したり、パスワードをこまめに変更するのが◎
- スマートフォン用のセキュリティアプリを入れるのもおすすめ
今回は、韓国発祥のSNSアプリ「カカオトーク」について紹介しました。暗号化技術などの保護機能を備えているカカオトークですが、世界中の人が利用できるSNSであるがゆえ、必ずしもセキュリティが安全とは言い切れません。
個人情報漏洩などのリスクを回避するためには、パスワードやプライバシーの設定を見直したり、むやみに相手にIDを教えないことが大切です。さらにセキュリティを高めたい人は、スマートフォン向けのセキュリティアプリを導入するのもいいでしょう。
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