近年、お家時間やテレワークの増加によって「ながら聴き」をする人が増えました。そんな中、2022年2月に発売されたのが、SONY(ソニー)の耳をふさがない完全ワイヤレスイヤホン「LinkBuds WF-L900」。中心部に穴が空いたリング型ドライバーユニットを搭載しており、周りの音を聞きながら音楽を楽しめるのが特徴です。
今までにない新しい形のイヤホンだからこそ、「実際に音質や操作性はいいの?」「装着感はどんな感じ?」と購入を迷っている人は多いはず。また、LinkBudsの独自形状ならではの周囲の音の聞こえ方・音漏れについても気になりますよね。
そこで今回は、ソニーの次世代イヤホンLinkBudsをPicky’s編集部が実際に使って徹底検証!商品をじっくり使った上で、LinkBudsの良かったポイントや残念なポイントを本音でレビューします。LinkBudsを買おうか迷っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ソニー LinkBuds WF-L900レビュー結果
SONY(ソニー)の「LinkBuds WF-L900」は、耳をふさがない新感覚のリング型ワイヤレスイヤホン。ドライバーユニットの中心部に穴を開けた画期的な構造は、多くのオーディオファンからの注目を集めています。
まずは、商品の気になる総合評価からチェックしていきましょう。今回は、デザイン・つけ心地・音質・操作性など独自の16項目を、Picky’s編集部が実際に使って検証しました。
サイズ・重量 | ◎ |
デザイン | ◎ |
装着感 | ◎ |
音質(高音域) | ○ |
音質(中音域) | ◎ |
音質(低音域) | ○ |
音質(立体感) | △ |
ながら聴きのしやすさ | ◎ |
音漏れ | △ |
マイク性能 | ◎ |
充電速度 | ◎ |
操作性 | ◎ |
付属品の充実度 | ◎ |
アプリの使いやすさ | ◎ |
スピーク・トゥ・チャット機能 | ◎ |
アダプティブボリュームコントロール機能 | ◎ |
高評価だったポイント:新感覚の無線イヤホン!快適なつけ心地&使いやすさ
- とにかく軽い!つけている感がほとんどない
- ワイドエリアタップなどの機能がかなり便利
- ながら聴きに最適!生活に馴染むクリアなサウンド
LinkBudsの注目ポイントは、ながら聴きに特化した装着感と本体構造。周りの音が自然に聞き取れるので、まるで日常生活にBGMが流れているようなながら聴きを楽しめます。また、本体が非常に軽く、検証したスタッフが「つけたときの圧迫感がない!」と感激するほどのつけ心地の良さを味わえるのも魅力です。
微妙だったポイント:立体感や低音の厚みはあまり感じられない
- 音の立体感や低音の厚みは物足りない
- 大きな音で再生すると若干音漏れする
LinkBuds独自のリング型ドライバーユニットは、軽い装着感と外音の聞き取りやすさを実現する反面、立体感や低音の厚みが少ないのが特徴。また、通常の耳をふさぐイヤホンに比べると音漏れしやすいため、静かな場所では音量に注意が必要です。
SONY LinkBudsを買うべき人・おすすめな人
- 仕事や家事をしながら音楽をBGM感覚で聴きたい人
- 耳をふさぐイヤホンやヘッドホンが苦手な人
- テレワークなどで1日中イヤホンをつけている人
- つけ心地の軽いワイヤレスイヤホンが欲しい人
- スポーツや散歩中に安全に音楽を楽しみたい人
LinkBudsは、常に音楽を楽しめることをコンセプトとした新しいワイヤレスイヤホン。日常生活の中でBGM感覚で音楽を楽しみたい人・イヤホンなどで耳をふさぐのが苦手な人におすすめです。また、周りの音を聴き取れるので、スポーツや散歩、テレワーク中の使用にも役立ちますよ。
関連記事:【1万円台でノイキャン搭載】SONY WF-C700Nを徹底レビュー!装着感や評価は?
SONY LinkBudsをおすすめしない人
- 重低音や音の立体感を味わいたい人
- 周りの騒音や話し声を気にせずに音に没頭したい人
- 大音量で音楽や映画を楽しみたい人
LinkBudsは、ドンドンと響く重低音を味わいたい人・周囲の音を気にせずに音楽を楽しみたい人にはおすすめできません。特に、LinkBudsは音漏れしやすいため、大音量での音楽再生には不向きです。LinkBudsは、「周囲の音を聴きつつ、音楽や映画を楽しむ」という使い方を前提に作られたニーズ提案型のイヤホンです。
前代未聞の穴あきリング型!ソニー LinkBuds WF-L900のスペック
LinkBudsがどんなイヤホンなのかを知ってもらうために、まずは商品の詳しいスペックを紹介します。ソニーの人気ノイズキャンセリングイヤホンWF-1000XM4のスぺックも一緒にまとめているので、2機種の違いをチェックしてみてくださいね。
ソニー LinkBuds WF-L900のスペックをWF-1000XM4と比較
LinkBuds | WF-1000XM4 | |
価格 | 19,700円 | 33,000円 |
サイズ | 41.4×48.5×30.9mm | 68mm×29mm×39mm |
重量 |
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ドライバーユニット | 12mmリング型ダイナミックドライバー | 6mm密閉型ダイナミックドライバー |
バッテリー持続時間 |
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充電時間 | 約3時間 | 約1.5時間 |
急速充電 | ○ | ○ |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
対応コーデック |
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防水性能 | IPX4 | IPX4 |
Bluetooth規格 | Bluetooth5.2 | Bluetooth5.2 |
ワイドエリアタップ | ○ | × |
スピーク・トゥ・チャット | ○ | ○ |
アダプティブボリュームコントロール | ○ | ○ |
マルチペアリング | ○(最大8台まで) | ○(最大8台まで) |
マルチポイント | × | × |
LinkBudsはソニーの完全ワイヤレスイヤホンの中で、史上最小かつ最軽量。超小型でありながら、ノイズキャンセリング機能が優れたWF-1000XM4と同じ統合プロセッサーV1を搭載しています。圧縮された音源をCD音源相当に補完するDSEEにも対応しているのが特徴です。
耳の周りに触れることで音楽操作ができるワイドエリアタップなど、WF-1000XM4にはない新たな機能も搭載。LinkBudsは新しいイヤホンの形に挑戦しつつも、音質面で最新機種に引けを取らない性能を備えています。
【実機で検証】ソニー LinkBuds WF-L900を徹底レビュー
LinkBudsの付属品・セット内容
- LinkBuds本体
- 充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- フッティングサポーター(5サイズ)
- 取扱説明書
LinkBudsのパッケージはすべて紙製で、プラスチックを使っていません。LinkBudsはイヤホン本体の外装にも再生資源を採用しており、環境への配慮が感じられます。
イヤホンもケースも超コンパクト!とにかく小さくて軽い
LinkBudsは、イヤホンもケースもとにかくコンパクト。一般的な完全ワイヤレスイヤホンよりも一回りほど小さく、ミニポーチに入れてもかさばりません。完全ワイヤレスイヤホンの充電ケースとした、ここまでの小型化を実現しているのは正直驚きです。
ケースは指紋が目立ちにくいマットな質感
LinkBudsのカラーバリエーションは、ホワイト・グレーの2種類。今回編集部が使用したのはホワイトで、シンプルさと全体的に丸みのある可愛いデザインが好印象でした。表面は指紋がつきにくいさらさらとした質感で、近年トレンドになりつつあるマット加工が施されています。
LinkBudsは外装に再生プラスチックを使用しているため、よく見ると小さな粒が混ざっているのが分かります。知らずに見ると「ゴミがついているのかな?」と感じるものの、遠くからはほとんど分からないの問題ありません。
装着感は抜群!つけている感覚がないのに耳からズレない
LinkBudsの装着方法は、リングを耳に入れてフッティングサポーターを耳のくぼみにはめるだけ。耳に押し込むというより乗っけている感覚で、フッティングサポーターがあることでズレない仕様になっています。つけている感がほとんどなく、ストレスのない軽いつけ心地を味わえますよ。
フッティングサポーターは5種類のサイズが付属しているので、耳のサイズを問わずに使えます。今回の検証では男女両方のスタッフが試しましたが、どちらにもぴったりのサイズが見つかりました。耳に引っ掛けるインナーイヤー型よりも安定感があり、耳に押し込むカナル型よりも圧迫感が少ない新しい装着感でした。
イヤホンタイプ | 装着方法 | 特徴 |
インナーイヤー型 | 耳のふちに引っ掛ける |
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カナル型 | 耳の穴に押し込む |
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リング型 | 耳に入れてフッティングサポーターをはめる |
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簡単に耳から落ちる心配はないので、ランニングや自転車といった運動中でも問題なく使えますよ。
中音域メインのクリアな音質!広がりのあるサウンドが魅力
LinkBudsの音質は、中音域寄りのすっきりとしたクリアサウンド。ボーカルの声がよく映え、声の抑揚などの細かな表現も楽しめます。中音域がメインなので、映画やドラマのセリフも聞き取りやすそうですよね。
また、ながら聴きスタイルにこだわるLinkBudsの性質なのか、全体的に広がりのあるサウンドだと感じました。例えるなら、広めの会場で少し離れて音を聴いているような感覚。生活のBGMとしてながら聴きをするにはぴったりの音質です。
低音域・高音域は控えめ、高音が耳に刺さらないのは嬉しい
聴き疲れしないクリアサウンドである反面、低音域と高音域は主張が少ないのが特徴。低音と高音のどちらも鳴ってはいるものの、密閉型のイヤホンのように重低音がズンズン響いたり、高音が伸びて気持ちいいといった音質ではありません。
好みにもよりますが、個人的にシンバルなどの高音が耳に刺さる感覚がないのは嬉しいポイントでした。
音楽を聴きながら会話もOK!外の音が自然に聞こえる
実際にLinkBudsを装着して音楽を聴いてみると、それなりの音量で再生していても周囲の音がしっかりと聞き取れます。外音取り込み機能でよくあるこもった音ではなく、自然な音が聞こえるので違和感はありません。
電話やインターホンの音も普通に聞こえるため、家事やテレワークのお供に最適。小さな子供がいる家庭では、様子を確認しながら音楽や映画が楽しめるのが嬉しいですよね。また、屋外で散歩やスポーツをするときも、周囲の状況を把握しながら安全に過ごせます。
音量半分で若干音漏れあり、静かな場所では注意
LinkBudsは穴あき型イヤホンという性質上、どうしても外に音が漏れやすいです。半分程度の音量で再生してみると、シャカシャカという音が若干周囲に聞こえるくらいの音漏れがありました。屋外や騒がしい場所では問題ありませんが、図書館やカフェなどの静かな場所では音量に注意しながら使用しましょう。
マイクの音質◎雑音のないきれいな音質で会話できる
LinkBudsには、通話用の全指向性マイクが内蔵されています。マイクにはAIの機械学習によってエアコンや車の音といった雑音を除去してくれるノイズリダクション技術を採用。実際にLinkBudsで通話をしてみると、クリアな音声でスムーズに会話ができました。
音質が気になる人は、下のマイクテスト音声を聴いてみてください。
操作性は抜群!耳の周りに触れるだけで音楽操作が可能
LinkBudsはワイドエリアタップという操作機能を採用。顔をタップするだけでイヤホンをコントロールできます。直接イヤホンに触れる必要がないため、「イヤホンをタップしたら耳から外れた」という問題は解消。手袋をした状態でも反応するので、寒い時期の屋外でも使いやすいですね。
基本的にワイドエリアタップは2回以上のタップが必要なので1回では反応しません。ただし、触り方によっては誤反応するため、頬や髪を頻繁に触る癖がある人は注意してください。不便な場合は、専用アプリから機能自体をオフにすることが可能ですよ。
急速充電対応が便利!10分の充電で約90分使用できる
LinkBudsは急速充電に対応しており、10分間の充電で約90分間使用できます。もし充電し忘れていても、出掛ける前に少しケーブルに差すだけで使えますね。また、充電ケーブルは近年主流のType-Cタイプ。ケーブルの長さはやや短めですが、他のデバイスと併用できるのが嬉しいポイントです。
LinkBudsの音楽再生時間は、イヤホン本体で最大5.5時間、ケース込みで最大17.5時間と、最新の完全ワイヤレスイヤホンとしてはやや物足りないスペックです。テレワークなどで1日中通話や会議をする人は、バッテリー残量に注意する必要があります。
「アダプティブボリュームコントロール」「スピーク・トゥ・チャット」は便利!でも好みが分かれそう
アダプティブボリュームコントロールは、周囲の騒音レベルに合わせて音量が変化する機能のこと。騒がしい空間に行くと音量が上がり、静かな場所に置くと通常に戻るといった調整が可能で、実際に検証中に周囲で人が話し始めた際に音量が自動で大きくなりました。
便利な機能ではあるものの、事あるごとに音量が上がったり下がったりするのはやや違和感があります。個人の好みによりますが、人によっては聴き疲れしてしまう可能性も。気になる場合は、機能自体をオフにできるので安心してください。
発声したときに自動で音楽が止まるスピーク・トゥ・チャットも体験してみました。お店などで突然話しかけられたときに、スムーズに会話に移れるのはかなり便利だと感じました。他の機能と同様に、スピーク・トゥ・チャットもオンオフを自由に切り替え可能です。
アプリは初心者におすすめ!音質設定や装着のチュートリアルあり
LinkBudsはソニーの専用アプリ「Headphones Connect」と連携することで、機能のオンオフ設定やイコライザー調整ができます。また、LinkBudsを正しく装着するための初心者向けのチュートリアルが見れるので、初めてLinkBudsを使う人はぜひともチェックしてみてください。
特に、イコライザー機能は自分好みのサウンドにカスタマイズできるのが魅力的。細かな調整が難しいという人には、「Bright」「Mellow」「Relaxed」「Bass Boost」といった全8種類のプリセットがもともと用意されています。曲のジャンルや気分に合わせて変えてみたりと、楽しみ方の幅が広がるのでおすすめですよ。
ソニー LinkBuds WF-L900の口コミ・評判
ここまでPicky’sによるレビューをまとめてきましたが、ここからはLinkBudsを実際に購入した人の口コミを紹介。良かった口コミと残念な口コミの両方をまとめているので、ぜひ検討時の参考にしてください。
ソニー LinkBudsのいい口コミ
- フッティングサポーターのサイズの種類が多い
- つかると耳に乗っけている感覚はあるのに圧迫感は少ない
- 外音取り込み機能のようなこもった音じゃないから疲れにくい
LinkBudsの口コミで多かったのが、つけ心地やフッティングサポーターに関するコメント。LinkBudsはとにかく装着感が軽く、「長時間つけていても疲れない」「フッティングサポーターの硬さがちょうどいい」といった声が目立ちました。イヤホンの圧迫感が苦手な人にもぜひ試して欲しい商品です。
ソニー LinkBudsの悪い口コミ
- ギターやドラムといった楽器の迫力が少し物足りない
- 近年のワイヤレスイヤホンとしてはバッテリー持ちが悪い
LinkBudsの口コミで気になったのが、バッテリーの持続時間に関する内容。LinkBudsはながら聴きで1日中使うことを想定されているモデルなので、「もう少しバッテリー性能を向上して欲しい」という声がありました。自宅をメインで使用するなら、こまめにケース・イヤホンを充電することで充電切れを回避しましょう。
ながら聴きにおすすめ!その他の耳を塞がないワイヤレスイヤホン
近年ニーズが高まりつつある耳のふさがないイヤホン。最近では、ソニー以外のメーカーからもさまざまな形の商品が登場していますよ。いくつかのおすすめワイヤレスイヤホンを紹介するので、気になった人はぜひチェックしてみてくださいね。
アクセサリー感覚で使えるおしゃれイヤホン「ambie sound earcuffs」
耳をふさがないイヤホンを多数展開しているオーディオブランド「ambie(アンビー)」の完全ワイヤレスイヤホン。使うシーンを選ばないスタイリッシュなデザインが、SNSなどで話題になっている商品です。耳たぶにはさむように装着するイヤーカフ型で、アクセサリー感覚で身につけられます。
IPX5相当の防水性能を備えているので、スポーツ中の汗や雨を気にせずに使えますよ。また、最新コーデック aptX・aptX Adaptiveに対応しているのが特徴。高音質のサウンドをながら聴きしたい人やおしゃれな耳をふさがないイヤホンを探している人におすすめです。
骨を振動させて音を届ける骨伝導イヤホン「AfterShokz Aeropex」
AfterShokzのAeropexは、空気ではなく骨を直接振動させて音を伝える骨伝導式のワイヤレスイヤホン。イヤホンを耳の中に入れずに耳付近に当てておくだけで、周囲の音や話し声がしっかりと聞き取れます。本体は26gと非常に軽量で、スポーツや家事の最中に快適に音楽を楽しめます。
また、この商品はIP67レベルの防水性能を搭載してるのもポイント。大量の汗や砂ぼこりの中の使用はもちろん、水深1mで最大30分までの水中使用が可能です。本格的なスポーツや軽いスイミングなどで使える耳をふさがないイヤホンが欲しい人は要チェックですよ。
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ソニー LinkBuds WF-L900のよくある質問
LinkBudsはどこで購入できる?
LinkBudsは片耳使用できる?
LinkBudsはハイレゾに対応している?
LinkBudsはマルチポイントに対応している?
LinkBudsは音声アシスタントに対応している?
関連記事:圧倒的パフォーマンスを誇る Sony(ソニー)イヤホン おすすめ18選 (完全版)
ソニー LinkBuds WF-L900レビューまとめ
- LinkBudsは”ながら聴き”ができる次世代型完全ワイヤレスイヤホン
- 圧倒的な軽さと穴あき形状でつけ心地は抜群
- ボーカル映えの中音寄りサウンドを楽しめる
今回は、耳をふさがない完全ワイヤレスイヤホン「LinkBuds」を紹介しました。軽いつけ心地と外音の自然な聞こえ方が魅力のLinkBudsは、テレワークやお家時間のお供に最適なおすすめ商品です。ぜひLinkBudsを購入して、毎日の生活にスマートに音楽を取り入れましょう。
Photo By 内田大貴
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