2021年5月21日に新型iPad Pro(2021)が発売されました。今回の新型iPad ProはMacに使われている最新チップが搭載され、「ほとんどMacと変わらないんじゃ…」と囁かれているほど高性能なiPadに仕上がっています。
とはいえ、「ひとつ前の2020年モデルと比べてどう変わったのかよくわからない」という人も多いでしょう。
そこで今回は、新型iPad Proの特徴やスペックをご紹介しながら、旧iPad Pro(2020)との違いを徹底比較していきたいと思います。
iPad Proが欲しいけど新型を買うべきか旧型を買うべきか悩んでいる人は要チェックです。
関連記事:[2021年完全版]マニアが徹底比較した iPad おすすめ6選 |Pro・Air・mini・無印のベストな選び方を解説!
目次
新型iPad Pro(2021)の特徴は?旧モデルと比較してみた
2021年5月21日に発売された新型iPad Pro(2021)は、iPad史上最高レベルの処理性能を持つタブレットです。サイズは旧型と変わらず11インチ・12.9インチの2種類展開となっています。
それでは、新型iPad Pro(2021)の、スペックと特徴を解説していきます。
新型iPad Pro(2021)のスペック一覧表
以下の表が、新型iPad Pro(2021)のスペック(一部)を一覧にしたものです。
11インチモデル | 12.9インチモデル | |
ディスプレイ | 11インチ IPS Liquid Retina display | 12.9インチ IPS Liquid Retina XDR display |
解像度 | 2,388×1,668ピクセル解像度 264ppi | 2,732×2,048ピクセル解像度 264ppi |
サイズ | 247.6mm×178.5mm×5.9mm | 280.6mm×214.9mm×6.4mm |
重量 | 466g(Cellularは468g) | 682g(Cellularは684g) |
価格 | 94,800円(税込)~ | 129,800円(税込)~ |
バッテリー | 28.65Wh | 40.88Wh |
ストレージ容量 | 128GB/256GB/512GB/1TB/2TB | 128GB/256GB/512GB/1TB/2TB |
チップ | Apple M1 8コアCPU/8コアGPU/16コアNeural Engine | Apple M1 8コアCPU/8コアGPU/16コアNeural Engine |
メモリ | 8GB(128GB/256GB/512GB)16GB(1TB/2TB) | 8GB(128GB/256GB/512GB)16GB(1TB/2TB) |
カメラ | 広角1200万画素 超広角1000万画素 | 広角1200万画素 超広角1000万画素 |
フロントカメラ | 超広角1200万画素 センターフレーム | 超広角1200万画素 センターフレーム |
ワイヤレス通信方式 |
5G(sub-6 GHz)2 | 5G(sub-6 GHz)2 |
OS | iPadOS 14 | iPadOS 14 |
Bluetooth | Bluetooth5.0 | Bluetooth5.0 |
スピーカー | 4スピーカーオーディオ | 4スピーカーオーディオ |
充電と拡張性 | Thunderbolt / USB 4ポート | Thunderbolt / USB 4ポート |
センサー | Face ID/LiDARスキャナ/3軸ジャイロ/加速度センサー等 | Face ID/LiDARスキャナ/3軸ジャイロ/加速度センサー等 |
Apple Pencil | 第2世代 | 第2世代 |
- iPad Pro
- USB-C充電ケーブル(1m)
- USB-C電源アダプタ
赤線が引いてある部分が、旧モデルからグレードアップした特に注目すべきスペックです。それでは、各スペックの詳細を上から順にご紹介していきます。
【ディスプレイ】コントラストの表現が格段にアップ
新型iPad Pro(2021) | 旧iPad Pro(2020) | |
ディスプレイ | 11インチ:Liquid Retinaディスプレイ 12.9インチ:Liquid Retina XDRディスプレイ |
Liquid Retina ディスプレイ |
11インチは旧iPad Proと同様、Liquid Retina
Liquid Retina XDRディスプレイを分かりやすく説明すると、たくさんのミニLEDで液晶の光を生み出す技術のこと。
編集部
このLiquid Retina XDRディスプレイになったことにより、ディスプレイの美しさは一目瞭然。これまで、iPhone等で「ディスプレイ性能が向上しました!」などと発表されつつも、大半の人が変化に気付かないということが多々あったのですが、この新型iPad Proは圧倒的な変化を感じることができます。
具体的には、「黒の深みが強くなった」「ハイライトのくっきりさが際立つ」「濃淡がきめ細かい」などを体感できます。
iPadで映画を見る人であれば感動するはずです。特に暗いシーン。従来のLiquid Retinaディスプレイでは、黒浮きを感じることもあったのですが、Liquid Retina XDRディスプレイだと、コントラストがかなり高く表現されるのでよりリアルに、奥行き感のある映像や写真を楽しむことができます。
編集部
【ストレージ容量】最高ストレージが旧型の2倍に
新型iPad Pro(2021) | 旧iPad Pro(2020) | |
ストレージ | 128GB・256GB・512GB 1TB・2TB |
128GB・256G・512GB 1TB |
新型iPad Proはストレージ容量が最大2TBと、旧モデルの2倍になりました。
編集部
簡単に2TBの保存可能内訳をご紹介すると
- 写真なら約500万枚
- 動画なら約330時間
- 映画なら約400本
- 音楽なら約40万曲
- 文庫本なら約2万冊
となります。
ハードにiPad Proを使うユーザーからしたら快適性の向上は間違いないでしょう。
【チップ】Macと同じ「M1チップ」搭載で性能が大幅アップ!
新型iPad Pro(2021) | 旧iPad Pro(2020) | |
チップ | Apple M1 | A12Z Bionic |
今回の2021年モデル新型iPad Pro一番の進化ポイントはプロセッサー(チップ)に、Mac Book Proなどに採用されているApple M1を採用した点です。
M1は性能に比べて消費電力が低く、バッテリーの長時間化が可能で音も静かなモバイル向けのapple独自の最新プロセッサーです。
8コアのCPUとGPU、16コアのNeural Engineも備え、その性能は2020年モデルと比較してもCPUは最大50%、グラフィック性能は約40%ほど向上しています。
この性能アップによって、より大容量の通信やデータのやり取りが可能になり、作業性も大幅に向上し、さらに快適に使えるようになりました。
編集部
【フロントカメラ】性能アップとセンターフレーム機能搭載
新型iPad Pro(2021) | 旧iPad Pro(2020) | |
フロントカメラ | 1200万画素超広角カメラ&センターフレーム | 700万画素カメラ |
外側カメラは従来通りなのですが、フロントカメラは1200万画素の超広角カメラが採用され、自撮りやビデオ通話で自分を映し出す際、非常に美しく撮影できるようになりました。
ソフトウェア面では『センターフレーム』という新機能を搭載。
複数人がフレームインした時は自動で出入りのタイミングで人物の拡大縮小を行うなど、より動きのある撮影やビデオ通話が可能になりました。
上記の映像のように、インカメラでFaceTime(フェイスタイム)などのビデオ通話などをしているとき、自分が多少動いても、相手にはこちらが常に中央に来るように映ります。
編集部
【ワイヤレス通信】5G対応でWi-Fi環境がない場所でも快適に
新型iPad Pro(2021) | 旧iPad Pro(2020) | |
Wi-Fi電波の周波数帯 | 5G | 4G |
今回の2021年モデル新型iPad Proは5G(sub6)対応で、Wi-Fiの無い環境でもより快適に使えるようになっています。
今回5Gにも対応したことで、アクティブに持ち運んで使用することが多いiPadが「よりどこでも快適に使える」ようになりました。
編集部
【充電と拡張性】Thunderbolt対応によりデータの転送速度がアップ
新型iPad Pro(2021) | 旧iPad Pro(2020) | |
充電端子 | Thunderbolt / USB 4対応のUSB-C | USB-C |
ポート端子は従来通りのUSB-Cポートですが、Thunderbolt4に対応し、2020年モデルの倍の速度「最大40Gbpsの高速データ通信」が可能になりました。
また複数の外部ディスプレイにも接続可能で、対応するThunderboltドックやハブがあれば、高速データ転送や充電がケーブル1本で可能です。
以上が新型iPad Proのグレードアップしたスペックとなります。魅力的に感じた部分はありましたでしょうか?新型iPad Proは旧モデルと比べ、デザインも大きさもカラー(色)も特に変わらず、ぱっと見マイナーチェンジに見えますが、実はこのように様々な点で大幅に進化しました。
とはいえ、中には「ん?別に旧モデルでも問題なさそうだぞ…?」という人もいるでしょう。そこで、次は『新型iPad Proはどんな人が選ぶべきなのか』を解説していきたいと思います。
編集部
関連記事:[マニアが教える] iPad Pro 全機種の違いを徹底比較!2021・2020・2018 どれを買うべきなのか解説
新型iPad Proを買うべき人はズバリこんな人!
これまでご紹介したように、新型iPad ProはMacと肩を並べる高性能なiPadに生まれ変わりました。しかし、iPadの選び方や自分に必要な機能が理解できていない人にとっては、「自分は新型iPad Proを買うべきなのか?」と悩むでしょう。(価格も旧モデルに比べると高いですしね…。)
そこでここでは、新型iPad Proのスペックを考慮したうえで、「どんな人/どんな使い方をする人が新型iPad Proを買うべきなのか」を解説していきます。
iPadを使ってハードに創作活動を行う人
実際、今回発売された新型iPad Pro(2021)も、ひとつ前のモデルである旧iPad Pro(2020)もできる作業は同じです。
ただ、『M1チップが搭載されて、処理性能が格段に上がった』『ストレージ容量が倍になって保存可能データが増えた』『サンダーボルト対応になったので、これまでよりさらに他デバイスとの拡張性が高くなった』など、これまでできていたことがより快適に行えるようになった、というのが今回のiPad Proの進化なのです。
なので、iPadを使って毎日動画編集を行う・写真加工/画像制作を毎日行う・イラストレーターとして毎日たくさんの絵を書くといった、iPadでハードに創作活動をする人であれば、作業の快適度が高い新型iPad Proは買いでしょう。
編集部
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映画をよく見る人・最上級な画質で映像視聴をしたい人
映画の臨場感や迫力感が好きな人であればディスプレイ性能が向上した新型iPad Proは買って損しないはずです。(12.9インチに限る)
映像のリアリティさにこだわりたい人や、最上級な画質で映画を視聴したい人は、ぜひLiquid Retina XDRディスプレイが搭載された新型iPad Pro12.9インチを買ってみてください。
とはいえ、Liquid Retinaディスプレイの、旧iPad Pro(2020)や新型iPad Pro11インチでも、十分キレイな映像を映し出すことはできます。よほどの映像マニアでない限り、旧iPad Pro(2020)や新型iPad Pro11インチでも不満は感じないでしょう。
購入の判断基準がディスプレイ性能の人は、ぜひiPad Proが展示してある店舗へ行き、12.9インチと11インチを見比べてみることをおすすめします。
ここでは、こんな人は新型iPad Proがおすすめ!とピンポイントにご紹介しましたが、今ご紹介した人以外でも、もちろん新型iPad Proを買っても問題ありません。
「常に最新機種を持っていたい」「ハイスペックなApple製品が大好き」「新型iPad Proに興味がある」など、ざっくりとした、直感的な欲も大切にしてください。新型iPad Proを買って良かったと思えることが大事です◎
Picky’s編集部では、旧iPad Pro(2020)の12.9インチを1年間使用したうえでのレビュー記事も公開しています。1年使用して感じたメリットやデメリットなど詳細にレビューしているので、12.9インチのiPad Proの購入を検討している人はぜひ参考にしてみてくださいね。
関連記事:【実写レビュー】Apple iPad Pro 12.9 [2020年モデル]を1年間使った感想|メリット・デメリット・便利な機能
新型iPad Pro(2021)の価格一覧表
2021年6月現時点での新型iPad Proの価格を一覧にしてみました。
11インチ | Wi-Fiモデル | Wi-Fi+Cellularモデル |
128GB | 117,800円(税込) | 139,800円(税込) |
256GB | 132,800円(税込) | 154,800円(税込) |
512GB | 162,800円(税込) | 184,800円(税込) |
1TB | 222,800円(税込) | 244,800円(税込) |
2TB | 282,800円(税込) | 304,800円(税込) |
12.9インチ | Wi-Fiモデル | Wi-Fi+Cellularモデル |
128GB | 159,800円(税込) | 181,800円(税込) |
256GB | 174,800円(税込) | 196,800円(税込) |
512GB | 204,800円(税込) | 226,800円(税込) |
1TB | 264,800円(税込) | 324,800円(税込) |
2TB | 324,800円(税込) | 346,800円(税込) |
iPadの価格はディスプレイサイズとストレージ、Wi-FiのみかWi-Fi+Cellularモデルかで大きく異なります。
当然サイズが大きく、ストレージが大きいほど価格は高くなります。
例えば最小スペックの11インチ128GB/Wi-Fiモデル(94,800円)と、最大スペックの12.9インチ2TB/Wi-Fi&cellularモデル(279,800円)では、3倍近く価格が違います。
自分に合ったサイズやストレージを選択するのがコスパをよくするポイントです。
2021年モデル 新型iPad Proのよくある質問Q&A
最後に2021年モデル 新型iPad Proでよくある質問をまとめました。
11インチと12.9インチどっちがおすすめ?
予算が許すなら絶対12.9インチをおすすめ!
今までのiPadであれば単純な画面サイズの違いだったので「お好みで」と言えたのですが、今回12.9インチには「iquid Retina XDR display」が採用されています。
せっかくなら、現時点でapple最高峰の画質を体験したいですよね。
そもそもiPad proはYouTubeなどの動画を観たりといったよりは、仕事や動画編集・イラストといったクリエイティブな趣味で使う人が多いはず。
どんな用途にも画面サイズが大きければ大きいほど作業性は向上するので、予算などで「あえて11インチでなければいけない理由」が無ければ12.9インチにしましょう。
2021年モデル 新型iPad Proは防水仕様?
残念ながら防水仕様にはなっていません。
自宅と会社の往復や、カフェなどの屋外で使うシーンが多いiPadなだけに防水対応してほしかったというのが正直なところです。
外で使うことが多い方はカバー・ケース・保護フィルムなどを必ず装着しておきましょう。
apple純正はもちろん、早くも社外品(サードパーティ製)がAmazonでは販売されています。(2020年モデルと兼用の製品もあります)
※12.9インチ用カバーと11インチ用カバーでは、大きさが異なるので注意してください。
なお、ケースだけでは不安という方は「Apple care + For iPad」やモバイル専用保険への加入や、万が一の際はデータ復旧サービスの利用を検討しましょう。
アップルケアやモバイル専用保険「モバイル保険」、iPadのデータ復旧については以下の記事でそれぞれ詳しく解説していますので、ぜひ読んでみて下さい。
関連記事:【プロが教える】Apple care + For iPad お得に使う方法や料金などを徹底解説!
関連記事:【モバイル保険】iphoneなどのスマホやモバイル機器を格安料金で保証!Apple careと徹底比較してみた
関連記事:ipadのデータ復旧 復元ソフトと専門業者どちらがオススメなのか徹底解説
iPad proやiPad Air、iPad Miniでは何が違うの?
iPadは現在4種類あり、さらにそれぞれ世代やらモデルやらがあり、詳しくない方は何が何やら…という状態だと思います。
ここでは簡単に各モデルについて解説します。
機種 | 処理性能 | 画面サイズ | 価格 |
iPad pro | 非常に高い | かなり大きい | 非常に高価 |
iPad Air | かなり高い | 大きい | 比較的高価 |
iPad Mini | 普通 | 小さい | 比較的安い |
iPad(無印) | 低め | 大きい | 安い |
これらのモデルは「性能」「価格」「画面サイズ」がそれぞれ異なり、基本的に「無印⇒Mini⇒Air⇒Pro」の順で価格と性能が高くなっていきます。
動画を観るだけなら安価な無印で十分ですし、動画編集や仕事で使うなら処理性能の高いAirかProがおすすめ、といったようにどれがおすすめかは用途や生活スタイルによります。
以下の記事でそれぞれの違いやおすすめの用途などについて詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
関連記事:[マニアが徹底解説] 最新 iPad 無印(第8世代) 絶対おすすめの理由を評価レビュー
関連記事:[最新版]iPad Mini(第5世代)を比較レビュー|良かったポイント・悪かったポイントを解説
2021年モデル 新型iPad ProはほぼMacと変わらない超高性能タブレット!
2021年5月発売の新型iPad(2021)は、Mac Book ProやMac Book Airに搭載されているM1チップを搭載した、モンスタースペックタブレットです。
あちこちのレビューサイトやブログでも「ほぼMac」と評されているくらい、正直ライトユーザーには持て余してしまうほど高性能です。
Macほどマルチタスクは得意ではないものの、シングルタスクなら動画編集などの重い作業でもサクサク、しかもどこへでも持ち運んで作業ができます。
動画撮影やイラストなどのクリエイティブな作業、オフィスでの仕事、趣味のゲームにと幅広い用途で快適に使える新型iPad pro。
今までのPad Proとは一線を画す超高性能仕様になっていますので、ぜひ検討してみてください。
今回紹介したiPad Proは超高性能で高価なタブレットです。
「そこまでの性能はいらないから手軽に買えて使えるタブレットが欲しい」という方は、お手軽なタブレットを紹介した以下の記事も参考にしてみて下さい。
関連記事:【2021年最新版】Appleマニアが選んだ おすすめMacBook 10選|MacBook AirやMacBook Proの現行モデルを徹底比較