ANKER PowerHouseⅡ 800(アンカー パワーハウス)は、屋外で家電製品を使用したり、スマホやパソコンの充電ができ、キャンプや災害時に大活躍するポータブル電源です。
ANKERのポータブル電源の中でも最強の容量を持ち、多くの家電製品が使える非常に優れた製品です。
ただし特徴としてはかなりの特化型なので、おすすめできる方とできない方がはっきり分かれる製品でもあります。
今回はそんなANKER PowerHouseⅡ 800を入手し、Picky’s編集部で色々調べて、実際に使ってみました。
キャンプや車中泊、避難生活など、屋外で快適な生活を送るためにポータブル電源の購入を検討している方はぜひ読んでみてください。
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目次
ANKER PowerHouseⅡ 800のPicky’s編集部評価スコア
まず結論から言うと、ANKER PowerHouseⅡ 800は、Picky’s編集部の独自評価基準「レントリースコア」で75点です!
ちょっと点数が低めですが、決して製品自体が悪いというわけではありません。
ただ正直、この機種は「おすすめできる人」と「おすすめできない人」がはっきりと分かれる機種です。
というのも、ANKER PowerHouseⅡ 800の容量は778Wh(216,000mAh)で、いわゆる「超大容量」です。
スマホの充電なら約60~70回、扇風機を20時間近く稼働させられるだけの容量を持っています。
もちろんキャンプや避難生活においてこの大容量は非常に心強いです。
ただ大容量なぶん価格も比較的高め、さらに本体の重量は約8.3kgと気軽に購入したり取り回しできる機種とは言えません。
これだけの容量が必要になる人も限られますし、「万が一の災害」に備えて買っておくには少しコストも高めです。
キャンプが好きで頻繁に行く方や連泊が多い方、大家族で災害時にたくさん電気を使用したい方が購入するなら120点ですが、一般的にはなかなか手が出しにくい機種だといえます。
このようにPowerHouseⅡ 800は極端な性能のポータブル電源ですので、Picky’s編集部としては、一般の方には以下の記事で紹介しているPowerHouseⅡ 400をおすすめしています。
PowerHouseⅡ 800より容量は小さくなりますが、そのぶん安く、重量も軽くなるためバランスの良い万人向けの製品です。
関連記事:【ANKER PowerHouse Ⅱ 400レビュー】使えたモノ・使えなかったモノを徹底検証!
やや否定的な結論から入ってしまいましたが、PowerHouseⅡ 800は万人向けの製品ではない分、特化的な能力を持っているので、用途がハマればこれ以上便利な機種は無いでしょう。
例えば頻繁に屋外で活動する方や、災害時にライフライン復旧の目安となる3日間の避難生活を想定している方などには最適な機種です。
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いずれにしてもポータブル電源は用途と容量をしっかり考えて購入すべき機種ですので、この記事を含めていろいろと参考にしてみてください。
ANKER PowerHouseⅡ 800の特徴
ANKER PowerHouseⅡ 800のスペックと特徴を解説していきます。
製品名 | Anker PowerHouse II 800 |
バッテリー容量 | 216,000mAh(778Wh) |
サイズ | 約300×185×204mm |
重量 | 約8.3kg |
合計最大出力 | 770W |
入力 | DC:最大120W USB-Cポート: 最大120W |
出力 | AC×2:500W (瞬間最大1,000W) USB-Aポート:各12W×4(最大30W) USB-Cポート:各60×2(最大120W) シガーソケット:最大120W |
ポート | ACコンセント×2/DC×2/USB-Ax4/USB-C×2/シガーソケット×1 |
屋外での連泊にも耐えうる216,000mAhの大容量バッテリー内蔵
Anker PowerHouse II 800の最大の特徴は216,000mAhというバッテリー容量です。
ポータブル電源は屋外で充電をしたり、家電製品を使用するのが主な目的で、当然バッテリー容量が大きい方がより多く充電でき、より長く家電製品を使用することができます。
216,000mAhと言ってもピンとこない人も多いと思いますが、スマホなら50回以上フル充電でき、電気毛布なら10時間以上、LED電球なら110時間以上使うことができます。
夏のキャンプや車中泊で扇風機を使って涼を取ったり、秋や冬のキャンプで寒い夜は電気毛布を使って暖を取ったり。
もちろん災害時で自宅避難ができない時や長時間の停電時にも大活躍します。
世の中にはさらに容量の多い350,000mAhクラスの製品もありますが、価格も10万円越え、重量も10kg以上とけた違いに上がります。
Anker PowerHouse II 800は、あくまでも大容量バッテリーの中では、ですが比較的安価で軽量と言っていいでしょう。
ACコンセントは純正弦波で最大500Wの高出力
ポータブル電源を使う方は主に「ACコンセント」を利用して、家電製品を使用する目的の方が多いと思います。
PowerHouse II 800に搭載されているACコンセントは、家庭用コンセントと同じ安定した純正弦波出力で、多くの家電製品を安定して使用することができます。
ポータブル電源を購入する場合は、Anker PowerHouse II 800のような「純正弦波」がおすすめです。
また定格出力は最大500Wで、使える家電製品も多岐にわたります。
500Wの定格出力は扇風機や電気毛布などの家電はもちろん、テレビや小型冷蔵庫、デスクトップパソコン、ヘアアイロンといった小型の家電製品がある程度使用できます。
関連記事:【2021年】キャンプや車載で使えるポータブル冷蔵・冷温庫 おすすめランキング 19選
ただし定格出力はACコンセント2つの合計出力なので、コンセント2つを同時に使用する場合は接続する家電製品に注意しましょう。
11台同時給電が可能
Anker PowerHouse II 800には全部で11か所の出力ポートがあり、様々な機器への給電が可能です。
- ACコンセント×2
- DC×2
- USB-A×4
- USB-C×2
- シガーソケット×1
またすべてのポートを使用して11台同時に給電することも可能です。
実際に11か所同時に出力することはないと思いますが、家族全員のスマホを充電しながら家電製品を使用するなど、3~4か所同時使用はあるでしょう。
大容量にもかかわらず短時間でフルチャージ可能
ANKER PowerHouseⅡ 800は、DCポートとUSB-Cポートから本体への充電が可能です。
また、それぞれ単体ではなく「DCポートとUSB-Cポート同時に充電」が可能で、それにより約5時間程度で216,000mAhをフル充電することができます。
Picky’s編集部で確認したところ、DCポートとUSB-Cポート単体で約7時間程度、両方同時に使って充電すると5時間ちょっとで充電が完了しました。
大容量バッテリーは容量が大きい分、充電に時間がかかるという欠点がありましたが、ANKER PowerHouseⅡ 800は寝る前に充電しておけば朝には充電が完了しています。
大容量でライト搭載と災害に強い
ANKER PowerHouseⅡ 800は容量が大きい点はもちろんですが、側面と背面にライトが搭載されているなど、屋外での使用をとことん考えて作られています。
ANKER PowerHouseⅡ 800のデザイン・外観・同梱品・価格
ANKER PowerHouseⅡ 800について、実際使いながら解説していきます。
PowerHouseⅡ 800のデザイン・外観
ANKER PowerHouseⅡ 800のデザインは大きさやポート数こそ違うものの、PowerHouseⅡ 400同様、フロントにすべての機能が集約しています。
出力ポートとモニターがすべて同時に見られるので、使い勝手は非常に良かったです。
側面には懐中電灯として使用できる強力なLEDライト、背面には周囲を照らす暖色系のライトを搭載し、夜のキャンプや避難生活でも安心・安全に過ごせます。
PowerHouseⅡ 800のサイズ・重さ
ANKER PowerHouseⅡ 800の大きさは約300×185×204mm、比較が難しいのですが、大きめの工具箱か小型のギターアンプに近い大きさです。
重量は約8.3kgで、女性や子供だとかなり厳しい重さです。
男性でも「手軽に持ち運べる」とはいえず、さっと車に積むとか、家に置いておいて必要な時だけ使う場所まで移動させるといった短距離移動が現実的でしょう。
登山やハイキングに持っていきたいと考える人もいると思いますが、さすがに8.3kgを背負ったりもったりして歩くのは現実的ではありません。
登山のようにリュックの中に入れて携行したいのであれば、もう少し容量が小さくて軽いモバイルバッテリーかポータブル電源を持っていきましょう。
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PowerHouseⅡ 800の搭載端子の種類
- ACコンセント×2
- DC×2
- USB-A×4
- USB-C×2
- シガーソケット×1
先述しましたが、ANKER PowerHouseⅡ 800は出力ポートが計11か所ありますので、「ポートが足りない」という悩みはまずないでしょう。
PowerHouseⅡ 800の同梱品
- ANKER PowerHouseⅡ 800本体
- ACアダプター
- USB-Cケーブル
- USB-Aケーブル
- 車載用シガーソケット
- 取扱説明書
PowerHouseⅡ 800の価格
ANKER PowerHouseⅡ 800の価格は、同じ容量のライバルメーカー機種と比較しても同程度で、「妥当」といったところです。
ANKER PowerHouseⅡ 800で電化製品を使ってみた
ANKER PowerHouseⅡ 800は約216,000mAhという大容量で、様々なモバイル機器、ガジェット類を何回も充電することができます。
特に今やスマホは生活に欠かせないデバイスですので、キャンプや避難時にもしっかりと充電したいですよね。
ここでは、スマホやノートPCなどを、どれくらいの回数充電できるのかを調査してみました。
スマホ、パソコン、タブレットの充電回数
- Air Podsなどのイヤホン 約500回分(400mAh)
- iPhoneなどのスマホ 約76回分(2816mAh)
- Macbookなどのノートパソコン 約10回(20000mAh)
- iPadなどのタブレット 約27回 (7812mAh)
※ノートパソコンのmAh数は推測です
カメラ、ビデオカメラ、Goproの充電回数
- 一眼レフやコンパクトデジカメは約25回分(20W)
- ビデオカメラは 約20回分(25W)
- GoProは 約40回分(12W)
ポータブル冷蔵庫の稼働時間
- ポータブル冷蔵庫は約8時間連続で稼働(冷蔵60W、保温45W出力)
コーヒーミル、電子ケトルの充電回数
- コーヒーミルは約4回分(115W)
- 電子ケトルは充電不可(1200W)
ポータブル扇風機、サーキュレーターの稼働時間
- ポータブル扇風機は約100回分 (5W)
- サーキュレーターは約12時間稼働(25W)
たこ焼き器、炊飯器の稼働時間
- たこ焼き器(650W) 使用不可
- 炊飯器(725W)使用不可
編集部
ANKER PowerHouseⅡ 800は約216,000mAhという大容量で、様々なモバイル機器、ガジェット類を何回も充電できます。
正直、スマホやノートPCの充電だけでこの容量のポータブル電源使う人はいないと思いますが、これだけの容量があれば困ることはないでしょう。
ポータブル電源の購入を検討している方は、屋外で家電製品を使用したい、という目的の方が多いはず。
ワット数の低い家電製品ならほぼ1日中使える計算になります。
ANKER PowerHouseⅡ 800を使って家電の使用を考えている方はW数を確認してから購入しましょう。
超大容量で圧倒的な安心感
価格とか重さといった点は置いといて、このANKER PowerHouseⅡ 800が自宅にあると本当に心強いというか安心です。
216,000mAhの大容量は、1泊程度のキャンプならほとんど不自由なく快適に過ごせますし、さらに家族全員分のスマホやパソコンを充電しても余裕です。
災害時は主に情報収集や連絡手段としてスマホの充電がメインになると思いますが、充電だけならライフライン復旧の目安と言われている72時間(3日間)も問題ありません。
幅広い家電製品が使用できる
PowerHouseⅡ 800のAコンセントの出力は500W、これだけの出力があると扇風機や電気毛布、意外な所では小型炊飯器といった結構多くの家電製品が使えます。
さすがにドライヤーや電気ストーブのような高出力の製品は難しいですが、工夫次第でキャンプや車中泊、避難生活といった屋外の活動がぐっと快適になります。
モーター音が静か
PowerHouseⅡ 800は静音設計になっていて、実際使ってみたときもかなり静かでした。
屋外の夜など、静かな場所で使用することも多いポータブル電源でこのメリットは大きいです。
ANKER PowerHouseⅡ 800を実際に使って感じたデメリット
ANKER PowerHouseⅡ 800は大きなメリットの半面、大きなデメリットもあります。
デカイ!そして重い!
ANKER PowerHouseⅡ 800の大きさは約300×185×204mm、かなり存在感のある大きさです。
ただ大きさ自体は用途を考えるとそこまで気になりませんでしたが、問題は重さです。
約8.3kgといえば10kgの米袋に近い重さです。
取っ手がついているので持ち運び自体はしやすいのですが、持っていると腕にかなりの負担がかかり、女性や子供はもちろん、男性でも片手で取り扱うには重いです。
大容量すぎて使いどころが限定される
ANKER PowerHouseⅡ 800の容量は216,000mAh。
様々な家電製品が長時間使用できるのはいいのですが、普通の人では持て余してしまう気がします。
正直何をどうやって使っていいのか…少なくとも頻繁にキャンプなどの屋外イベントに行くような人でなければ、この容量は多すぎるかもしれません。
もちろん災害時の備えとして常備しておくなら、この機種のような大容量のほうが安心です。
ただ、そのためにこれだけのコストを支払う必要があるのかどうかを考えて購入しましょう。
ANKER PowerHouseⅡ 800と他のポータブル電源との比較
最後にANKER PowerHouseⅡ 800と他のポータブル電源を比較してみました。
- ANKER PowerHouseⅡ 400(800の下位モデル)
- jackery ポータブル電源 700(同程度の容量のライバルメーカー機種)
- jackery ポータブル電源 1000(さらに容量の大きいライバルメーカー機種)
PowerHouse Ⅱ 800 | Power House Ⅱ 400 | Jackery ポータブル電源 700 | Jackery ポータブル電源 1000 | |
容量 | 216,000mAh (778Wh) | 108,000mAh(388.8Wh) | 192,000mAh(700Wh) | 278,400mAh(1002Wh) |
サイズ | 約300×185×204mm | 約255×148×139mm | 約299×192×191mm | 約332×233×243mm |
重量 | 約8.3kg | 約4.62kg | 約6.3kg | 約10.6kg |
ポート | ACコンセント×2/USB-Ax4/USB-C×2/シガーソケット×2 | ACコンセント×1/USB-A×4/シガーソケット×1 | ACコンセント×2/USB-Ax3/DC×2/シガーソケット×1 | ACコンセント×3/USB-Ax2/USB-C×2/シガーソケット×1 |
AC出力 | 2ポート合計500W(最大 1000W) | 120W(最大200W) | 2ポート合計500W(最大 1000W) | 3ポート合計1,000W(最大2,000W) |
定価 | 74,800円 | 49,800円 | 79,800円 | 139,800円 |
iPhone 12への充電回数 | 約76回 | 約42回 | 約68回 | 約98回 |
他の製品との差・特徴1 | 超大容量で連泊や大家族でも安心 | コンパクトで大容量 | 大容量のわりに軽量 | ポータブル電源トップクラスの大容量 |
他の製品との差・特徴2 | 大容量にもかかわらず、数時間で充電が可能 | 容量・価格・重量などのバランスが非常に良い | 取っ手が収納でき、スタッキング可能 | ドライヤーも使用可能な高出力 |
ポータブル電源は400whクラスより上になると容量も価格帯も結構バラバラになるため、単純比較は難しいのですが、上記のスペックから自分に合った機種を見つけてみましょう。
Picky’s編集部でポータブル電源を色々使ってみた結果、各機種のおすすめできる方を簡単に紹介すると以下のようになりました。
製品名 | こんな人におすすめ! |
Power House Ⅱ 800 | 頻繁にキャンプに行ったり、大家族の方や何日も泊まって電源を使用したい方 |
Power House Ⅱ 400 | キャンプに行くかも、という方や災害時のために、コストを抑えて備えたい方 |
Jackery(ジャクリ) 700 | Power House Ⅱ 800とほぼ同等の性能で、より軽い機種を探している方 |
Jackery(ジャクリ) 1000 | 重さも価格も気にしないので、とにかく安心して色々な家電製品を使いたい方 |
ポータブル電源は「自分の目的・用途」と「機種の容量・サイズ・重量」が一致しないと意味がありません。
とにかく容量の大きさで選ぶのか、軽くて取り回ししやすい機種を選ぶのか、それともあくまでも万が一の災害に備えてコストを重視するのか。
色々比較して最適な一台を選んでみてください。
Picky’s編集部では、今回比較したジャクリのポータブル電源についても詳しいレビューをしています。
とにかく容量や価格が様々で、悩みがちなポータブル電源。
以下の記事も参考にしながら色々比較してみてください。
関連記事:ポータブル電源 Jackery(ジャクリ) 4機種をアウトドアで使ってみた!1000/ 700/400/240を徹底比較
ANKER PowerHouseⅡ 800は圧倒的な安心感のある超大容量ポータブル電源
ANKER PowerHouseⅡ 800を一言で言うなら「超大容量」です。
これがあれば屋外でもスマホの充電や家電製品の使用など、ほぼ自宅にいるのと変わらない快適な生活が送れるでしょう。
ただしその分、重量と価格も上がります。
本当にここまでの容量が必要なのか、よく考えて自分に合った容量のポータブル電源を選びましょう。
Picky’s編集部はこのほかにも様々なポータブル電源をレビューしています。
今回の機種では容量が大きすぎると思ったら、以下のレビューも参考にしてみてください。
関連記事:ポータブル電源 Jackery(ジャクリ) 4機種をアウトドアで使ってみた!1000/ 700/400/240を徹底比較