iPhoneやMacなどのApple製品には、すべての製品についている基本保証と、購入後に料金を払って任意で加入する「Apple Care+」保証の2種類があります。
Mac製品を購入前の方は「Apple Care+は必要か?」「料金はどのくらいなのか?」気になりますよね。またApple Care+と基本保証の違いをあまり理解せずに加入している方もきっといると思います。
今回はそんなちょっと分かりにくいAppleの保証について、Macを例に解説します。高価な製品が多いので、保証についてはきちんと理解して、正しく加入しておきたいですね。
目次
Apple Care+とは
Apple Care+(アップルケアプラス)とは、Apple社の製品に対してユーザーが任意で加入できる保証の総称です。
「Apple Care Protection Plan」は現在廃止されApple TVもApple Care+(アップルケアプラス)が適用されます。
その他のiPhoneやMacなどほとんどの製品は「Apple Care+for〇〇(製品名)」という名称の保証になります。
Apple Care+for Macと基本保証の違いについて
任意で加入するアップルケア+と、購入時に付帯する基本保証の違いについて解説します。
今回はMacのAppleCare+for Macと基本保証の違いを解説していますが、アップルケア+は製品ごとに加入料金や補償内容、保証期間が異なります。
そのため、他のApple製品のアップルケア+に加入する場合は、必ず規約を確認しておきましょう。iPhoneの修理費用を保証してくれるApple Care for iPhoneに関する内容は以下の記事を読むのをおすすめします。
関連記事:【完全版】iPhone Apple Care +ココだけは押さえたい保証内容と修理料金
AppleCare for iPadについてはこちら
関連記事:【プロが教える】Apple care + For iPad お得に使う方法や料金などを徹底解説!
AppleCare+for Macと基本保証の違いは次の通りです。
項目 | Apple基本保証 | Apple Care+for Mac |
保証加入料金 | 無料 | 15,400円(税込)~74,800円(税込)(製品による) |
過失による故障に対する補償 | 無し(全額実費修理) | 有(自己負担12,900円or 37,100) |
ハードウェアの保証期間 | 1年間 | 3年間 |
ソフトウェアの保証期間 | 90日間(テクニカルサポートのみ) | 3年間(全般サポート) |
それぞれ詳しく個別に解説していきます。
保証加入料金
まず、保証にかかる料金です。
基本保証は製品に自動的に付帯しているため、料金は一切かかりません。
一方、アップルケア+は保証加入料金がかかります。
この加入料金はiPhoneやiPad、Macといった製品によって料金が異なり、Macでもモデルによって料金が異なります。
機種 | Apple Care+ 加入料金(3年間)※2024年時点 |
Mac mini | 15,400円(税込) |
i mac | 26,800円(税込) |
13インチ Mac Book Air(M2) | 27,800円(税込) |
13インチ Mac Book Air(M3) | 29,800円(税込) |
15インチ Mac Book Air(M3) | 34,800円(税込) |
14インチ Mac Book Pro | 44,800円(税込) |
16インチ Mac Book Pro | 62,800円(税込) |
Mac Studio | 24,800円(税込) |
Mac Pro |
74,800円(税込) |
過失による故障に対する修理費用
料金がかかる以外で、最も大きい違いがこの「過失の際の修理費用」です。
基本保証は落下や水没など、使用者の責任で故障してしまった修理については補償の対象外で、修理費用は全額実費となります。
Macの破損修理の場合、その修理費は高額になることが多く、数万円から時には10万円を超える修理費がかかることも。
そんな時、アップルケア+に加入していれば、修理費用のほとんどを補償してもらえます。
- 画面のみ、および外部筐体のみの損傷 12,900円
- その他すべての損傷 37,100円
Macの場合、アップルケア+に加入していれば、修理にいくらかかったとしても自己負担は12,900円か37,100円です。
Mac Bookなどは持ちだして使用する機会も多いため、常に落下等のリスクが付きまといます。
そんな万が一の際、アップルケア+に加入していれば修理費が大幅に安くなります。
故障を未然に防ぎたい方は、ケースや保護フィルムがおすすめです。
なお、水没の際は、正しい対処を行うことで中のデータを復旧させることができるかもしれません。
いざというときのために下記の記事も読んでおいてください。
関連記事:【最新】Mac Book Pro・Airを水没から復活させた対処方法と修理費用を詳しく解説!
ハードウェアの保証期間
- 基本保証 1年間
- アップルケア+ 3年間
ハードウェア保証期間とは、「通常使用をしていて、故障や不具合が出た場合の無償修理をしてもらえる期間」のことを指します。
つまり自然に故障した場合の補償ですね。
しかも、この補償は本体だけではなく製品全体が補償対象になります。
- Mac本体
- バッテリー
- 電源アダプタなどの付属品
- Apple純正メモリ(RAM)
- AirMac
- Apple USB SuperDrive
※一部条件あり
アップルケア+に加入するとこのハードウェア保証期間が3年間に延長されます。
個体にもよりますが、2年目、3年目で不具合が出るケースも多いので、この延長はありがたいと言えるでしょう。
ソフトウェアのサポート期間
- 基本保証 90日間
- アップルケア+ 3年間
Macを購入すると、90日のテクニカルサポートが受けられるソフトウェアサポートが付帯します。
一方、アップルケアに加入すると、ソフトウェアサポートが3年間に延長されます。
しかも、基本保証の90日サポートとアップルケア+の3年間のサポートは内容が違います。
保証の種類 | サポート範囲 |
基本保証の90日サポート | インストール、起動、復元に関するサポートのみ |
アップルケア+の3年間サポート | 基本的な操作・アプリ等の使い方までサポート |
基本保証のサポートはあくまでも「テクニカルサポート」であり、「Macの使い方が分からない」という質問は規約上受け付けてくれません。
一方、アップルケア+のサポートは基本的な使い方まできちんとサポートしてくれます。
有償サポートについて
上記の無償サポート期間終了後、Appleのサポートを受けようとすると有償インシデントサポートという有料のサポートに切り替わります。
料金について詳しい記述はありませんでしたが、その時々の事例によって料金が変動するようです。
有償のサポートになる場合は事前に料金発生の確認がありますし、場合によっては無償になることもありますので無償サポート期間が過ぎていてもまずは電話してみましょう。
Apple Care+for macのデメリット
アップルケア+のデメリットは、基本的には加入料金がかかる、この1点のみです。
Apple Care+for macは端末自体が高価なこともあり、保証加入料金も12,900円~37,100円と決して安くありません。
しかも、もし加入期間中一度も修理やサポートを使わなかったとしたら、保証料のかけ損になってしまいます。
- 「落下しないだろう」
- 「サポートは使わないだろう」
- 「2年や3年じゃ自然故障しないだろう」
こう考えている方にとって、料金がかかることは大きなデメリットになります。
とはいえ、そもそも保証とは「何かあるかも」と考える方の、その万が一に備えて入っておくためのものです。
Apple Care+for macの注意点
最後にアップルケア+の注意点について解説します。
- 購入直後、または購入後30日以内までに加入する必要がある
- 紛失には対応しない
- 修理の間、代替機はない
購入直後、または購入後30日以内までに加入する必要がある
Apple Care+for macに加入できる期間に注意が必要です。
Apple Care+for macはMac購入時、もしくは購入から30日以内に自分で手続きを行って加入する必要があります。
この期間を過ぎると加入できなくなるため、加入したい方は早めに手続きを行いましょう。
紛失・盗難には対応しない
特に注意したいのが紛失や盗難です。
Apple Care+for macは紛失・盗難の際の補償には対応していません。
補償される過失はあくまでも「落とした」「水をかけた」といった「現物ありき」の状態での補償です。
修理の間、代替機はない
Apple Care+はあくまでも修理の補償をするだけであって、修理の間、代替機の貸し出し等はしていません。
利用料金を抑えたいのなら「モバイル保険」がオススメ
AppleCare+ for Macは保証内容は手厚く安心であるものの、利用料金が高いのがネックです。
保険は欲しいけど料金は抑えたいという方には、さくら少額短期保険株式会社が扱う「モバイル保険」がおすすめです。
iPhoneやMacなどのアップル製品でも問題なく加入でき、AppleCare+とはまた違った補償内容ですので、人によってはこちらの方が適しているかもしれません。
モバイル保険は加入料金が月額700円と安く、補償も手厚いです。メーカーの保証期間外や部品が製造されていない場合は保険金は発生しないので、契約前に端末を確認しておきましょう。
対象端末 | 修理可能の場合 | 修理不可・盗難の場合 |
主端末 | 最大100,000万円 | 最大25,000円 |
副端末(2台まで) | 最大30,000円(2台合計) | 最大7,500円 |
モバイル保険について詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますので是非読んでみて下さい。
関連記事:【月額700円】モバイル保険ならiPhoneも格安補償!AppleCareとの比較・評判も
人によって最適な保険は変わりますが、AppleCare+はちょっと高い、と思う方はこちらの保険を検討してみてはいかがでしょうか。
Macのアップルケア変更点(2017年にApple Care Protection PlanからApple Care+に)
2017年からはMacの保証が「Apple Care+」に変更されたため、現在Macを購入する際に任意加入できる保証は「Apple Care+for mac」となります。
ここでは2017年以前にMacを購入したユーザーのために「Apple Care Protection Plan」から「Apple Care+」になったことで何が変わったのかを解説します。
価格の変更
Apple Care Protection Planは2,700円で加入できる保証サービスでした。
一方、Apple Care+for macの料金は一番安いmac miniでも15,400円(税込)。
つまり今回の変更によってMacユーザーが任意の保証に加入する場合、最低でも12,700円以上値上がりすることになります。現在のApple Care+for macのモデル別料金は以下の通り。
- Mac mini 15,400円(税込)
- i mac 26,800円(税込)
- 13インチ Mac Book Air(M2) 27,800円(税込)
- 13インチ Mac Book Air(M3) 29,800円(税込)
- 15インチ Mac Book Air(M3)34,800円(税込)
- 14インチ Mac Book Pro 44,800円(税込)
- 16インチ Mac Book Pro 62,800円(税込)
- Mac Studio 24,800円(税込)
- Mac Pro 74,800円(税込)
保証内容の変更
Macユーザーは今回Apple Care+に変更になったことで、保証料金は大幅に値上がりしました。ですが、ただ単純に値上げされたわけではなく、Apple Care+に変更された分、保証も非常に手厚いものへと変更されています。
以前のApple Care Protection Planの場合、保証されるのは「自然故障のみ」で、落下などの過失による故障修理は補償の対象外でした。一方、Apple Care+for macの場合、自然故障はもちろん、過失による損傷や破損に対しても補償されます。
Apple Care+for macに加入していれば、過失による故障でも、下記の自己負担分のみ支払うことで修理が受けられます。
- 画面のみ、および外部筐体のみの損傷 12,900円
- その他すべての損傷 37,100円
確かにApple Care+for macに変更になることで、大幅な値上がりはしましたが、その分安心できる補償内容が増えていますので、単純な改悪ではありません。
加入期間の変更
また、加入期間も延長されています。Apple Care Protection Planでは2年間の保証でしたが、Apple Care+for macでは3年間になっています。
結論:高価なApple製品はAppleCare+(アップルケア+)やその他の補償に入っておくべき
アップルケア+が必要かどうかは個人の考え方や使用方法によるので、一概には言えませんが、個人的にはAppleCare+for macの加入をおすすめします。
Macに限らず、電子機器は1年を過ぎたあたりから不具合が出ることも決して少なくありません。
また、どんなに気を付けていても不注意で落としたり、水やジュースがかかってしまう事もあります。
2022年7月にAppleCare+は値上がりしましたが、割安で修理をしてもらえるのは大きなメリットです。
高価なMacを即買い換えられる方はきっと少数ですよね。
加入料金は決して安くありませんが、買い替え料金はもっと高いです。
保証をかけておくことで、日々安心して使えるようになる精神的なメリットも大きいです。
以上の理由からAppleCare+for macへの加入がおすすめです。
関連:Appleマニアが選んだ おすすめMacBook 10選|MacBook AirやMacBook Proの現行モデルを徹底比較