出典:amazon.co.jp
一眼レフやミラーレス用の交換レンズに傷や汚れが付着しないようにするために, 交換レンズの先端に装着する「レンズ保護フィルター(レンズプロテクター)」.大切なカメラのレンズを守ってくれるアイテムです.
「レンズ保護フィルターは必要か?」「撮影に支障が出るからレンズプロテクターはいらないのでは?」を購入を迷っている方も多いのではないでしょうか.
そこでこの記事ではスタッフの実体験からレンズ保護フィルターをつけた方がいい理由やメリット・デメリットを解説します.外した方がいい場面やおすすめのレンズ保護フィルター3選も紹介するのでぜひ参考にしてください.
目次
レンズ保護フィルターは必要か?つける理由を解説
レンズ保護フィルター(レンズプロテクター)を着けるのは「レンズの保護」のためです.
たかし先生
一眼レフやミラーレスカメラを使っている人ならわかると思いますが, カメラの交換レンズってとっても高価ですよね. 安いものでも数万円. プロ用の高性能なものだと20万円や30万円を超えるものも珍しくありません.
そんな高額な製品をなんの保護もせずに持ち歩くことに抵抗がある人もたくさんいます.
たとえば下の画像はGoPro(アクションカメラ)のレンズ部分につけるレンズカバーです. この時はGoProを落下させてしまったのですが, レンズカバーがあったおかげでGoPro本体は無傷でした.
一眼レフやミラーレスの交換レンズも同様で, 保護フィルターをつけていればレンズへの衝撃を和らげてくれるなどのメリットがあります.
レンズ保護フィルターをつけるメリット
最大のメリットは「レンズへの衝撃をやわらげる」「レンズへキズ・汚れがつくのを防ぐ」です.
衝撃を抑えるバンパー代わりになる
特に屋外で写真を撮影している場合, 撮影中や移動中にカメラのレンズをぶつけてしまわないか心配なときがあります. 自分しかいない場所ならともかく, 観光地などでは人混みの中を移動している途中に壁などにカメラのレンズをぶつけてしまうとかカメラ自体を落としてしまうということが考えられます.
そんなときに, 保護フィルターをレンズに装着していれば, 保護フィルターがバンパー代わりになってレンズへの衝撃をある程度吸収してくれることがあります.
「ぶつけた瞬間『レンズが割れた』と思ったけど, よく見たら割れたのは保護フィルターだけだった」
ということもあります. レンズが破損するのと先端の保護フィルターだけが破損するのとでは状況は全く変わってきます.
指紋やホコリなどの汚れ対策になる
カメラを丁寧に扱っていれば, 落としたりぶつけたりしてレンズを破損させてしまうことは無いかもしれませんが, それでもついうっかりレンズの表面を指で触れてしまったり, 使っているうちにホコリ等が付着して目立ってくることは誰にでもよくあることと思います.
レンズの表面に汚れがたまると撮影する写真の画質に悪い影響がでるだけでなく, レンズにカビが発生する原因にもなるので注意が必要です.
そうでなくてもレンズの表面が指紋やホコリでベッタリというのはイヤですよね…
保護フィルターを装着していれば万が一レンズが汚れてしまった場合でも表面のクリーニングが簡単です. また, 汚れが激しい場合は思い切って保護フィルターを交換してしまうのもアリですね.
レンズの修理は意外と高額になりがち
レンズが割れたりキズがついてしまったという場合, カメラ・レンズメーカーに修理を依頼することになりますが, その費用は結構無視できない金額に……
レンズをぶつけたり落下させるなどして割れたりキズがついた場合, 気になる修理費用は安い場合でも1万円〜2万円. 症状が重く「重修理」となる場合は5〜8万円もかかってしまう事があるようです. もちろん修理に出している間はそのレンズは使えません.
一方で保護フィルターは1枚あたり1000円〜3000円くらいのものが多く, 高性能なものでも6000円くらいです. レンズの修理に対する「保険」という意味では十分「アリ」な価格ではないでしょうか?
- バンパー代わりになることでレンズへの衝撃を軽減する
- 指紋やホコリなどの汚れを防ぐ
- レンズの修理費用は高額. 保護フィルターは数千円
レンズ保護フィルターはいらない?つけるデメリット
一方でデメリットもあります.
保護フィルターによって多少の「画質劣化」がある
レンズと被写体(風景)の間に1枚の「余分なガラス板」が加わるわけですから, 多少の画質劣化はおこります. 具体的には画面全体のコントラストが下がったり(白っぽくなる), 特に風景写真などでシャープさが失われると言われています.
とはいえ最近の保護フィルターはより高精度に加工したガラスを使用したり, フィルター表面の乱反射を極力防ぐコーティングがされているので違いはほとんどわかりません. パソコンでじっくり拡大してようやく分かるかわからないかくらいです.
実際に保護フィルターを付け替えて撮影してみましたが, ご覧の通り違いはほとんどありませんね.
しかし, 撮影するシーンによっては影響が顕著な場合もあります.
特に逆光や夜景・イルミネーション撮影ではその影響が大きい
逆光の場合は特に画質への影響が大きくなりがちです. フィルターを外した状態で撮影するとくっきり写るのに, 保護フィルターを装着すると画面が白っぽくなってしまう, などです.
夜景やイルミネーションを撮影するときも注意が必要です. 下の画像は四日市の工場地帯で撮影した夜景写真ですが
空中に, 本来は存在しない緑色の光が見えます. 実はこれは心霊……ではなく, 画面下の街灯の強い光が保護フィルターの表面で乱反射して写ったものです.
普段保護フィルターを使用している人でも, 夜景やイルミネーション撮影のときは保護フィルターを外して撮影するのが良いと思います.
- 何も付けない状態よりも多少画質が悪化する
- 逆光や夜景・イルミネーション撮影時は外したほうが良い
結局, 僕はこうしている
これが正解! というわけではありませんが, 一例として私がどうしているのかを紹介してみます.
基本的に, 常用するレンズはすべて保護フィルターをつけている
私はニコンのデジタル一眼レフを使っていますが, 普段デジタル一眼レフで使用しているレンズ(単焦点レンズ 5本, ズームレンズ 4本)については普段から保護フィルターを付けています(使用しているのはケンコーの「Pro1 Digital」です). 多少の画質劣化はあると思いますが, それよりも安心感を重視しました.
高価なレンズにも保護フィルターはつける
私が持っている中で一番高額なレンズは大口径望遠ズーム(70-200mm F2.8)ですが, これにも保護フィルターは取り付けています. やはり高価なレンズは万が一のことを考えると保護フィルターなしだと心配です.
「ここぞ」という時はフィルターを外して撮影する
逆光で画質に悪影響が出る時や, そうでなくても本気で撮影する風景写真等の場合は躊躇せず保護フィルターは外してしまいます.
保護フィルターを付けてないレンズもある
基本的に屋内でしか使用しないマクロレンズには保護フィルターは取り付けていません.
また, 普段フイルムカメラで使用している古いレンズにも保護フィルターは取り付けていません. こちらはもともと中古で購入したり譲ってもらったレンズなので, 汚れたり傷がついても諦められるからです.
たかし先生
レンズ保護フィルターを選ぶときの注意点
安価な製品は要注意!?
Amazonでは1枚数百円の廉価な保護フィルターも販売されていますが, 光学ガラスの加工精度や表面のコーティング処理に難ありな製品が多いようで, そういった製品は逆光や夜景といったシチュエーション以外でも極端な画質劣化を招きかねません. これでは本末転倒かも.
交換レンズ用のフィルターで有名なのは「ケンコー(Kenko)」や「マルミ(marumi)」, 「ハクバ」といったメーカーで, 私はケンコーの「Pro 1Digital」という製品を使用しています.
フィルターサイズのバリエーションも多く, 私の使った限りでは画質の劣化を感じたことはありません. しかしそれでも夜景やイルミネーション撮影のときにはフィルターを外して撮影するようにしています.
フィルターのサイズに要注意
保護フィルターは交換レンズの前面のネジ部分に取り付けるものですが, このネジ部分の直径は交換レンズごとに違っているので要注意です. 交換レンズと保護フィルターとでサイズが違う場合は取り付けることができません.
標準レンズ・望遠レンズ, レンズのメーカーなどによって適合するフィルターのサイズはバラバラです. 一般的には37mmから77mmまでのレンズ・保護フィルターが多いです.
ほとんどの交換レンズには取り付けられるフィルターのサイズが書かれているので購入前に必ず確認しましょう.
広角レンズは「ケラレ」が発生する可能性もある
一般的な標準ズームレンズや望遠ズームレンズの場合は問題ありませんが, 広い範囲を撮影できる「広角レンズ」の場合, 使用する保護フィルターによっては保護フィルターの枠が写真に写り込んでしまい, 四隅に黒い影ができる「ケラレ」が発生することがあります.
なるべく「ケラレ」が発生しないようにフィルターの枠を薄くしている製品もあるので, 特に広角レンズの場合はそういった薄型の保護フィルターを選ぶのが賢明です.
たかし先生
実際にEOS M100に保護フィルターを付けてみた!
Canonの人気ミラーレスカメラ, 「EOS M100」のキットレンズに保護フィルターを付けてみました. 今回購入したのは保護フィルター大手のケンコーの「Kenko Pro1 Digital」です.
私が購入した時はAmazonで1500円程度でした. 家電量販店だと2000円位です.
購入時はフィルターの取り付けサイズにご注意ください. EOS M100やEOS Kiss Mのキットレンズは,
- 標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」は49mm
- 望遠ズームレンズ「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」は55mm
です. 取り付けサイズ(フィルター径)が異なると使えません.
保護フィルターをレンズに取り付けるときは, レンズに対して保護フィルターが斜めっていないか注意してください. 無理やりつけようとするとレンズが破損してしまいます.
ネジで固定するので, カメラを使っている最中に落下してしまわないように少しキツめに装着します.
保護フィルターを付けたままでもレンズキャップやレンズフードはそのまま取り付けられるので, まいどまいど外す必要はありません. 丁寧に使っていれば, レンズを購入してから一度も保護フィルターを外さずに要られるかもしれませんね.
これで完成です. Pro1Dシリーズもそうですが, 最近の保護フィルターは非常にうす型なのでそんなに目立たないですね.
また, 後述のとおり黒色以外のカラーの保護フィルターもあるので, 自分の趣味に合わせて選んでみるのもありだと思います.
関連:【おしゃれ可愛い♪】カメラ女子に絶対おすすめなCanon EOS M100をレビュー!!【実際に使ってみた】
レンズ保護フィルターおすすめ3選
Kenko 「PRO1D プロテクター(W)」
たぶん日本で最も普及している? 保護フィルターです. Amazonなどの通販はもちろん, そこらの家電量販店でも購入できます.
フィルター表面には乱反射を防ぐ「デジタルマルチコート」処理がされているので, ほとんどのシーンで画質の劣化は感じられません.
価格も十分安価なので, 迷ったらこれを選べば間違いありません.
marumi「EXUS レンズプロテクト」
個人的にはケンコーよりも品質が高いと思っているmarumi(マルミ)の保護フィルターです. 家電量販店ではおいてないことが多いのでAmazonなどで購入するのがいいと思います.
乱反射防止のコーティングはもちろん, 帯電防止や撥水加工もされているので他の製品よりもずっと汚れにくく, 汚れが付着した場合でも簡単に掃除できます.
価格はPro1Dの約2倍ですが, 高性能なレンズを揃えていて画質に妥協したくない場合はこちらがおすすめです.
Kenko「Gloss Color Frame Filter」
一般的にレンズのフィルターって黒色のものばかりなんですが, ケンコーのこの製品は7色のカラーバリエーションがあります.
特にミラーレスカメラの場合はお洒落なカラーのカメラ・レンズも多いので, そういった部分にもこだわりたい方にはおすすめです. 性能も上の「Pro 1D」シリーズと同じなので心配ありません.
ただし, フィルター径が37mmから49mmまでしかラインナップされておらず, どちらかというとコンパクトなミラーレスカメラ用というイメージが強いです.
レンズ保護フィルターの関連商品
塵を取り除くのに便利なブロアー
カメラやレンズに付きやすい小さな塵。ブロアーやエアダスターで除去するのがおすすめです。布製のクリーナーでもいいのですが、デリケートな場所を掃除する場合には向きません。まだ持っていない方はぜひ検討してみてください。
カメラをカビやホコリから守ってくれる防湿ケース
カメラをそのまま置いておくと湿度よってはカビてしまう場合があります。ホコリやカビを未然に防ぐために必要なのが防湿ケースです。
ケースの中に除湿剤を入れ、口を閉めると密閉され、湿度を一定に保つことができます。カメラの台数が多い方や頑丈なケースが欲しい方は、防湿庫もおすすめです。
レンズ保護フィルターの人気売れ筋ランキングもチェック
こちらは現在Amazon、楽天、ヤフーショッピングで紹介されている保護フィルターのランキングです。最安&人気のアイテムを是非チェックしてみましょう!
レンズ保護フィルターは必要か まとめ
冒頭にも書いたとおり保護フィルターはスマホの保護フィルムのようなもの.
カメラのレンズはどれも数万円〜数十万円はしますから, 転ばぬ先の杖としてできる限り装着しておくのが安心だと思います.
画質への影響も, 有名ブランドの製品を使っている限りほとんど違いはわからないと思います.
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