PureVPNは、数あるVPNサービスの中でも「中国の規制に強い」と噂のVPNです。ネット規制の厳しい中国に行くと、中国のサーバーからは日本のSNSや動画サービスを利用できません。そんな厳しいネット規制をかいくぐるために利用するのがVPNです。
ですが、どんなVPNでも規制を突破できるわけではなく、PureVPNのような「中国の規制を突破しやすいVPN」を選ばなくてはいけません。
そこで今回は、Picky’s編集部でPureVPNについて解説します。PureVPNは本当に中国の規制に強いのかや、プランや料金、メリットやデメリットについても調べました。
中国旅行や出張を控えている方、頻繁に行き来する方は、PureVPNを含めた「中国の規制に強いVPN」をいくつかチェックしておきましょう。
引用:purevpn.com
目次
【総評】PureVPNは中国の検閲を回避しやすいVPN
PureVPNは、香港の企業が提供する大手VPNサービスで、通信速度やセキュリティに力を入れています。また、料金も比較的安く、手軽に利用しやすい点も個人には嬉しいポイントです。
そんなPureVPNの最大の特徴が「中国の規制を回避しやすい」点です。中国国内のサーバーからは、日本含む海外サイトへのアクセスに大きな制限がかけられています。いわゆる「金盾(グレートファイアウォール)」と呼ばれる「ネット検閲」です。
そのため、中国国内からTwitterやFacebookなどのSNS、YouTube・Netflixといった動画サイトにはアクセスができません。この規制を回避するために、海外サーバーを経由できるVPNを利用します。
ですが、中国の規制をかいくぐれるVPNはそう多くありません。そんな中、PureVPNは比較的規制を突破しやすいVPNとして知られています。
編集部
【PureVPNの概要】サーバー数や利用料金
PureVPNの会社やサーバー数、利用料金は以下の通りです。
企業 | GZ Systems Ltd |
---|---|
拠点 | 香港 |
対応サーバー国数 | 78ヶ国 |
対応サーバー数 | 6,500台以上 |
対応デバイス | Windows(XP~)/MacOS/iOS/Android/Linux/Firefox |
同時接続デバイス数 | 10個 |
ノーログポリシー | 〇(ただし過去に違反あり) |
利用料金(1カ月あたり) | 2.08ドル~ |
プロトコル | OpenVPN・PPTP・SSTP・SoftEther・IKEv2・WireGuard・L2TP・IPSec |
PureVPNは、香港の企業GZ Systems Ltdが所有するVPNサービスで、世界78か国に6,500台以上のサーバーを設置しています。
サーバー設置国数はVPNサービスの中でも平均以上、サーバー設置台数は大手VPNサービスの中でも多い方です。そのため、多くの国で安定した通信環境を得られます。
利用時のセキュリティや匿名性も高く、会社側で利用者のログ(検索履歴・閲覧履歴など)を記録しない「ノーログポリシー」も掲げています。
編集部
PureVPNの利用料金は1年契約なら月々約450円
PureVPNの利用料金はドル表記となっています。そのため、契約時のドル/円為替レートによって料金が変動します。今回は執筆時点の為替レート「1ドル=135円」で各プランの利用料金を算出しました。
契約期間 | 利用料金 | 1ヶ月あたりの料金換算 |
---|---|---|
1ヶ月(Monthly) | 10.95ドル(約1,478円) | 10.95ドル(約1,478円) |
1年間(Yearly) | 38.88ドル(約5,248円) | 3.24ドル(約437円) |
2年間(2-Year)+3カ月ボーナス | 49.95ドル(約6,743円) | 1.85ドル(約249円) |
PureVPNの料金プランは「1ヶ月」「1年」「2年」の3つで、長期契約になればなるほど割引されて1ヶ月あたりの料金が安くなります。しかも2年プランの場合は3カ月の延長ボーナスが付き、1ヶ月あたり約250円で27カ月間利用が可能です。
1ヶ月プランの料金は他の大手VPNサービスと比較すると平均的ですが、1年プランの場合かなり安く、2年プランになると圧倒的に安くなります。長期でVPNサービスを利用するのであれば、PureVPNはかなりおすすめです。
編集部
PureVPNはクレジットのほか仮想通貨でも払える!
PureVPNの支払い方法は以下の4つです。
- PayPal(ペイパル)
- クレジットカード
- 仮想通貨(暗号通貨)
- Google play(グーグルプレイ)
以下は利用できるクレジットカードブランドと仮想通貨です。
- VISA(ビザ)
- Mastercard(マスターカード)
- American Express(アメリカンエキスプレス)
- UnionPay(ユニオンペイ/銀聯)
- Bitcoin(ビットコイン)
- Ethereum(イーサリアム)
- Litecoin(ライトコイン)
クレジットによる支払いが一番簡単です。仮想通貨を持っている方は、レートが上がっていれば仮想通貨払いをしてもいいでしょう。
PureVPNの口コミ・評判
PureVPNを実際に利用しているユーザーからの口コミです。良い口コミと悪い口コミの両方を調査しましたので、契約の際の参考にして下さい。
PureVPNの良い口コミ・評判
- 中国で海外のSNSを利用できた
- 速度・サーバーともに安定している
PureVPNの良い口コミに関しては、「中国国内から海外のサイトに接続できた」「海外から中国のサーバーに接続できた」といった検閲突破に関する口コミがほとんどです。
PureVPNは、中国国内にもサーバーを設置しており、また中国の海外サーバーアクセス規制に対しても常に対策を行っています。そのため、通常のネット回線では難しい「海外から中国の現地サイトにアクセス」したり、逆に「中国内で海外のサイトにアクセスする」ことが可能です。
上記の理由から、中国への旅行や出張の際にPureVPNを利用している人が多いようです。
編集部
PureVPNの悪い口コミ・評判
- 中国国内で使えなかった
- 接続がたまに不安定になる
PureVPNの悪い口コミは、良い口コミと真逆で「中国で使えなかった」といったものが見られました。
全く正反対の口コミがある理由ですが、中国は自国内から海外のサイトに接続できてしまうVPNに対して監視や対策を行っているため、時期やタイミングによって接続できたりできなかったりします。ただし、VPN側で中国の対策に対してさらに対策が行われると再度接続できるようになります。
要は中国側のVPN対策と、VPN側の中国規制対策のいたちごっこが続いている図式です。そのため、中国に強いPureVPNも、タイミングが悪いと接続ができません。
中国で使うためにPureVPNを選んだ人にとっては頭の痛い問題ですが、中国に限らず強力なネット検閲を行っている国では常に付いて回る問題です。
編集部
PureVPNを選ぶべき3つのメリット
PureVPNを利用するメリットをまとめました。
- 中国の規制を突破しやすい
- 料金が安価
- 高速通信可能
PureVPNは中国の規制を突破しやすい
中国側の監視や対策次第で接続できなくなる可能性があるとはいえ、PureVPNは数あるVPNサービスの中でも中国の規制を突破しやすいVPNです。少なくとも、他のVPNサービスに比べて接続しやすいのは間違いありません。
中国へ旅行や出張に行く際は、PureVPNを含めて中国の規制に強いVPNサービスを複数ピックアップし、SNSなどで最新の接続状況をチェックしてから契約するといいでしょう。
どのくらいの確率で中国の規制を突破できる?
PureVPNは、「中国の規制を突破しやすいVPN」なのは間違いありませんが、100%ではありません。そこで気になるのが「どのくらいの割合で突破できているのか」ではないでしょうか。
Picky’s編集部が調べたところ、ある月では1ヶ月のうち10日ほど接続でき、翌月は1カ月間全くつながらない方もいたようです。やはり時期やタイミングで規制を突破できる確率に大きな差があるようです。
全くつながらないVPNサービスも多いため、上記の結果は優秀と言えます。ですが、中国内から確実に海外サーバーへ接続したい方にとっては不安な数値です。
規制を突破できる確率をできる限り上げておきたい場合、PureVPN含めた中国の規制に強いVPNを2~3個契約しておくのもいいかもしれません。
利用料金は最大で1ヶ月あたり約249円まで下がる
PureVPNは、長期プランになると利用料金が大幅に安くなる点も大きなメリットです。1ヶ月プランだと約1,478円(1ドル135円計算)と、他のVPNと比較してもそれほど安くありませんが、2年プランにすると1ヶ月あたり約249円で利用できます。
大手VPNの中でも最安値に近い料金です。長期でVPNを利用する場合、PureVPNならコストを節約できます。
最大20Gbpの超高速通信が可能
PureVPNは、最大20Gbpの高速通信が可能と表記されています。あくまでも数値上で、すべてのサーバーで最大速度が出るわけではありませんが、多くの地域で安定した高速通信が可能です。
速度をチェックしてみたところ、遅い地域のサーバーでもDOWNLOAD(下りの通信速度)のスピードで10Mbps以上出ていました。10Mbpsあればウェブサイト閲覧はもちろん、動画視聴でも特に問題ないスピードです。
編集部
PureVPNで気を付けるべき3つのデメリット
PureVPNにはメリットだけではなくデメリットもあります。
- 日本語対応が中途半端
- 過去にノーログポリシー違反
- 料金が分かりにくい
日本語対応が中途半端
PureVPNはほとんどのページが英語表示です。トップページや契約ページは一部日本語表示ですが、例えば不明な点を調べるために「help」をクリックすると急に英語表示になります。
また、日本語対応ページでも表現に違和感があったり、一部英語表示のままで見づらいページも散見されます。
日本語に全く対応していないVPNサービスも多いため、一部とはいえ対応しているのは親切と言えるかもしれません。少なくとも料金プランを理解したり契約することは可能です。ですが、英語が苦手な方は分からない点を調べたり、問い合わせる際に苦労するでしょう。
編集部
過去にノーログポリシー違反があった
PureVPNは、過去にノーログポリシー違反をしています。つまり「利用者の閲覧記録や検索履歴を記録しない約束だったが、実際には記録していた」わけです。
判明している違反は2017年の一度だけで、その後2022~2023年までに大きな問題や違反は起きていません。ですが、過去に違反があったことを考えると、匿名性を高めるためにVPNを利用している方は不安を感じるかもしれません。
ただ、問題が起きたあとに社内でも対策は行っているはずで、むしろ他のVPNよりも厳格に運用されている可能性もあります。また、一般の方は検索履歴や閲覧履歴を見られて困るような使い方をしないため、さほど影響はないでしょう。
編集部
利用料金がドル表記で分かりにくい
PureVPNの料金はドル表記になっています。そのため、正確な料金を計算するためには為替レートをチェックする必要があり、また為替レートの変動で利用料金が変わります。
為替レートはスマホで簡単にチェックでき、計算機があれば料金もすぐに計算できますが面倒なのは確かです。
編集部
PureVPNがおすすめな人・おすすめではない人
PureVPNがおすすめな人・おすすめできない人をまとめました。
PureVPNは中国への旅行や出張に行く方におすすめ
- 中国へ出張や旅行に行く方
- 長期でVPNを使う予定のある方
- 英語や中国語が得意な方
PureVPNは、確実に突破できるわけではないものの、VPNの中では中国のネット規制に強いサービスです。そのため、中国への旅行や出張で、日本のSNSや海外のサイトにアクセスしたい方におすすめ。
また、PureVPNは1年プランや2年プランになると割引率が大きくなり、1ヶ月あたりの料金が格安になります。特に2年以上VPNを使いたい方は、PureVPNの2年プランにするとVPNの利用コストを大幅に節約できるでしょう。
ほかにも、語学に強い方にもおすすめできます。PureVPNは日本語対応は中途半端ですが、英語(UK・AUS含む)や中国語、ドイツやフランス語などには対応しています。
引用:purevpn.com
PureVPNは匿名性を重視する方にはおすすめしない
- ノーログポリシーを重視している方
- 英語や中国語が苦手
PureVPNは、過去にノーログポリシー違反を起こしている点から、匿名性を重視する方にはおすすめできません。現在改善されてはいると思いますが、ノーログポリシーは確かめようがなく、そもそも一度違反があったのは事実です。特別な理由があって記録を残したくない方は、念のため他のVPNサービスが良いかもしれません。
また、英語や中国語が苦手な方にも、PureVPNはおすすめできません。
現在、翻訳サイトやサービスもかなり精度が高くなっているため、英語が苦手な方でも翻訳サイトを活用すれば契約や問い合わせは可能です。ですが、英語が苦手な方は最初から日本語に対応したVPNサービスを使ったほうがいいでしょう。VPNの中には日本語に対応したサービスも多数あります。
PureVPNの申込手順は約10分程度で完了する
PureVPNの申込手順と使い方について解説します。まずは公式サイトにアクセスして、右上の「PureVPNを入手」か、中央の「今すぐ81%オフを取得」から購入画面に移って下さい。
3つの料金プランから選択する
「1か月」「1年間」「2年間」の3つのプランから、自分の希望に合ったプランを選んでください。なお、プランの下にはオプションがあり、追加料金で各種機能が追加できます。オプションの料金はメインプランによって異なります。
項目 | PureKeep | PurePrivacy | PureCrypt |
---|---|---|---|
機能 | パスワードマネージャー パスワードを記憶・保存してくれる |
ソーシャルプロファイルの 監視・追跡を防ぐ |
画像やデータを暗号化して クラウド保存できる |
1ヶ月プラン時の月額料金 | 2.49ドル | 3.99ドル | 1.99ドル |
1年プラン時の月額料金 | 1.99ドル | 2.99ドル | 1.49ドル |
2年プラン時の月額料金 | 0.99ドル | 2.49ドル | 1.29ドル |
オプションの中では、パスワードマネージャーが便利そうです。ただ、いずれのオプションも決して安くはないため、本当に必要があるかどうか検討してから追加してください。
支払い方法を選択して支払い情報を入力する
プランとオプションを選択したら、次は支払い方法の選択と支払い情報の入力です。支払い方法は下記の4種類です。
- PayPal
- クレジットカード
- 仮想通貨
- GooglePay
支払い方法選択後、登録用メールアドレスとパスワードと支払い情報の入力を行います。例えばクレジットカードであればカード番号や使用期限です。支払い情報を入力し、最後に「支払う」をクリックすれば登録が完了します。
登録完了後、登録したメールアドレス宛にPureVPNからメールが送られてきます。メールが届いたら、登録時に入力したメールアドレスとパスワードを使って、PureVPNの「メンバーエリア(会員ページ)」にログインしてください。
メンバーエリアにログイン後、自分の使っているデバイスのアプリをダウンロードすれば、PureVPNを使えるようになります。
PureVPNの解約手順
PureVPNの解約は、PureVPNスタッフとのチャットで直接解約の意思を伝える必要があります。現在のところ、クリック一つで解約できる機能やページはありません。
チャットは当然英語で行う必要がありますが、チャットなら電話と違い翻訳しながらゆっくりと自分のペースで対応できます。英語が苦手な方でも、翻訳サイトやソフトを使いながら進めていけば大丈夫です。
解約したい場合はマイページ(メンバーエリア)にログイン後、「My ACCOUNT」をクリックしてチャットへ進んでください。PureVPNのスタッフに繋がったら、「もうVPNが必要なくなったので解約したい」と伝えればOKです。(もちろん英語です)
場合によってスタッフから引き止めや割引オファーをされる場合がありますが、「i don’t need(私には必要ない)」「unnecessary(いらない)」と、はっきり意思を伝えましょう。スタッフが承諾すればすぐに解約手続きが行われます。
PureVPNのよくある質問:5年プランって何?
最後にPureVPNでよくある質問、「5年プラン」について解説します。5年プランとは、期間限定で表示される「隠しプラン」です。5年もの長期契約になりますが、1ヶ月あたり1.24ドル(1ドル135円なら1ヶ月あたり約167円)、VPNサービスの中でも最安値でPureVPNを利用できます。
5年プランは常に表示されているわけではなく、期間限定で表示されます。しかも表示方法が特殊で、通常の料金プランを選択する画面で5秒ほど何もせず待っていたら画面左下に表示されました。
5年プランの場合、PureVPNを非常に安く利用できます。セキュリティ強化目的で、長期間VPNを契約する予定がある方は5年プランがおすすめです。
編集部
安価で使えて中国の検閲に強いVPNならPureVPNがおすすめ!
引用:purevpn.com
PureVPNは、数あるVPNサービスの中でも比較的中国の規制に強いVPNサービスです。中国旅行や出張に行く方にとって、VPN選びの有力候補になるでしょう。
- 中国旅行や出張に行く方
- 長期で安くVPNを利用したい方
- 英語や中国語といった語学が得意な方
PureVPNは上記の方に特におすすめです。基本英語表示ですが、重要な部分は日本語表示だったり翻訳が可能になっているため、語学が得意でない方も普通に契約できます。
Picky’sでは、ほかにも中国の規制に強いVPNや料金の安いVPNなど、さまざまなVPNサービスを紹介しています。海外に行く機会が多い方、ネット接続のセキュリティを強化したい方はぜひチェックしてみてください。