カメラ屋たるものレンズの魅力を語らずにはいられない…笑 そんなわけで今回は数回に分けてレンズの魅力について語っていこうかなと思います
一眼レフやミラーレスを持ってる人でも、レンズは最初に付いてきたキットレンズしか持ってない……というのは意外と多いと思います。2本めのレンズは何を買えばいいのかわからない… という人におすすめなのが「マクロレンズ」です!
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マクロレンズとは?
マクロレンズとは, 被写体を大きく写すことのできるレンズをいいます.
花や小物, 料理などを撮影するとき, できるだけ近づいて大きく写したいと思いますが, 普通のレンズだとあまり近づきすぎるとピントが合いません.
たとえば10円玉(直径約24mm)を撮影しようとするとき, 普通のズームレンズ(24-85mm)だとコレくらいにしか写せません.

焦点距離85mm 限界まで近づいて撮影
一眼レフやミラーレスカメラの交換レンズにはそれぞれ「最短撮影距離」が決まっていて, ある距離よりも近くにはピントは合わないようになっています. このレンズの最短撮影距離は38cmでした.
一方でマクロレンズを使った場合は

マクロレンズならここまで大きく写せる
画面ギリギリまで10円玉を写すことができました. 表面の凹凸までわかりますね。
マクロレンズは最短撮影距離が他のレンズよりもずっと短いので, ぐっと近づいて撮影することができます. ちなみにこのレンズの最短撮影距離は18.5cmでした. たったの20cm程度の違いでも写真にするとここまで違うんですね.
花ならおしべやめしべまでくっきり写りますし, 指輪やブローチのようなアクセサリーも大きく写すことができます. また, 料理写真の撮影などにも向いています.
マクロレンズなら倍率をあげて大きく撮影できる
一番の特徴がどアップで撮影できること. 上にも挙げたとおりマクロレンズは通常のレンズに比べて被写体に思いっきり近づいて撮影できるので, 花や小物, アクセサリー, 料理などを大きく写すことができます.
どれくらい大きく写せるのか, はマクロレンズの「撮影倍率」で判断できます.
撮影倍率が1倍のマクロレンズで10円玉を撮影すると, 一眼レフやミラーレスのイメージセンサー上に実際の10円玉と同じ大きさで10円玉が映し出されます. 10円玉の直径は約24mmで, フルサイズのイメージセンサーの縦の長さも約24mmなので, フルサイズのカメラを使った場合は画面いっぱいいっぱいまで10円玉が映し出されます.
一方で撮影倍率が0.5倍のマクロレンズの場合は実際の10円玉の半分(0.5倍)の大きさで映し出されます.
マクロレンズは歪みが少なく, くっきり写せるのでポートレートにも最適
もともとマクロレンズは書物や絵画の複写に使われてきたレンズなので, 特に画面の周辺部(フチの方)でも歪みが発生したり, 線がにじんだりすることはありません. ピントが合っている部分はクッキリと写すことができます.
マクロレンズは近接撮影に重点を置いていたため, 遠景の撮影では画質が悪くなると言われていましたが, 最近のマクロレンズは遠景でも十分きれいに映るため, マクロレンズを風景写真の撮影やポートレートの撮影に使ってもなんの問題もありません.
マクロレンズはボケがキレイに撮影できる
感じ方は人それぞれですが, 最近のマクロレンズは背景のボケが非常にきれいです.
特にズームレンズの場合, ズーム全域でくっきりと映ることに重点を置いているため背景のボケがクドくなったり, ゴチャゴチャしてしまうことがあります.
マクロレンズは単焦点レンズの一種ですから, ピントが合っている部分はクッキリと, アウトフォーカス部分はなだらかにボケるように設計されており, ポートレートなどで使うこともできます.
たかし先生
接写以外にも普段のスナップやポートレートに使うことができる
マクロレンズ=花や小物をアップで撮影する時専用のレンズと思われがちですが, そんなことはありません. 特に50~60mm前後のマクロレンズであれば, 街歩きに持っていけばそのままスナップ写真の撮影もできてしまいます. 50mm~60mmは風景の一部を切り取るような使い方に向いています.
また, 90~100mm前後の中望遠マクロはポートレート撮影に使うことができます. 焦点距離が長いのでちょっと離れる必要はありますが, 背景を思いっきりぼかして人物を強調した写真を撮影できます.
マクロレンズの焦点距離に注意
まず, マクロレンズは基本的に単焦点レンズなので, ズームすることはできません. 大きく写したい時はぐっと被写体に近づいて, 逆に小さく写したい時は被写体から遠ざかる必要があります.
マクロレンズの焦点距離は大きく分けて標準(50~60mm), 中望遠(90~135mm), 望遠(200mm~)に分かれています.
標準(50mm前後)マクロ: 普段使いにベストなレンズ
関連:四季を彩る花の撮り方!花の撮影テクニックや設定、適したレンズを知ろう
50mm~60mm前後のマクロレンズは人間の視界に近いので, 普段からカメラにつけてスナップ写真を撮影することもできます. 50mmや60mmのマクロレンズは中望遠~望遠のマクロレンズよりもずっとコンパクトなので, カメラに取り付けてもそこまでじゃまにならないはずです.
子供の成長写真を60mmマクロで撮影しているという人もいます. カメラを買った時についてくるキットレンズよりも柔らかいボケで包まれた温かい写真が撮れるはずです.
焦点距離的に50mmの標準レンズに近いので, これの代わりにすることもできます. 50mmレンズほど開放F値が小さくないのでボケの量では負けるかもしれませんが, 50mmレンズよりも活躍の場は多いと思います.
- 人間の視界に近く, 普段使いしやすい
- 料理写真の撮影や, ペット・子供の撮影にも
- 50mm標準レンズの代わりにもなる
中望遠(90mm前後)マクロ: 花や物撮りに最適 ポートレートにも使える
標準マクロだと花を大きく写そうとするときにぐっと近づかなくてはいけませんが, 90mm前後の中望遠マクロならちょうどいい距離で撮影できます. 指輪やイヤリング, ブローチなどのアクセサリーの撮影にももってこいのレンズです.
焦点距離がポートレートにちょうどいいので, そのままポートレートの撮影にも使っている人もいます.
また, 90mmマクロが役に立つ意外な場所が水族館です. 水槽の中のクラゲや小魚を撮影する時に通常のズームレンズだと距離が近すぎてピントが合わないことが多いです.
一般的な撮影では中途半端な距離ですが, マクロレンズとしてみると非常にいい塩梅の焦点距離域であり, 一番最初のマクロレンズとしておすすめです.
- 花や物撮りに最適
- ポートレートの撮影にも使える
- 最初に購入するマクロレンズとしておすすめ
望遠域(200mm前後)マクロ: 動物や植物など, 近づけない被写体の撮影に
60mmマクロや90mmマクロは花や物撮りに最適なんですが, 近づいて撮影することのできない被写体を撮影するのには向いていません.
200mm前後の望遠マクロなら, 2~3m離れていても大きく写すことができるので, 昆虫や小動物, 植物園での撮影にベストです.
ただし, 望遠レンズなので手ブレには注意が必要です. 特にマクロ撮影は通常以上に手ブレが目立ちやすいので高品質な三脚やレリーズは必須だと思います.

- 昆虫や動物, 近づけない場所にある植物の撮影ができる
- 望遠レンズなので, 手ブレには注意が必要
Nikonの「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」を使う
ちなみに, 私はニコンの60mmマクロ「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」を使っています.
大きな「N」のエンブレムから分かる通り, ナノクリスタルコートがされている製品の一つでもあります.
正面から見た時, 前玉が小さいのでちょっとかっこ悪いかも…… フードを取り付ければ目立ちません.
私の愛機「Nikon Df」につけてみたのが下の写真. Nikon Dfは最新のレンズと見た目の相性が悪いと思われがちですが, 最新のレンズでも様になります.
DXフォーマットの「Nikon D5600」につけてみたのが下の写真. すこしレンズのほうが大きすぎる気もしますが, この組み合わせで90mm相当のマクロとして使用できます.

なお, このレンズにはVR(手ぶれ補正)が無いのでシャッタースピードに気を使う必要があります.
なぜ60mm macroにしたのか
私がNikonの60mmマクロを購入したのには理由があって, ニコンの「フィルムデジタイズアダプター ES-2」を使いたかったからです.
「フィルムデジタイザー ES-2」は, 文字通りフィルムカメラで撮影したフィルム写真を, デジタル一眼レフを使ってデジタル写真化するためのアイテムです.
こんな風に, 60mmマクロの先端にES-2を取り付け, そこに写真フィルムをセットして撮影します. するとネガの画像を得られるので, これをPhotoshopなどの画像編集ソフトを使って編集すると……
こんな風に, フィルカメラで撮影した写真をパソコンに取り込むことができました.
私はデジタルカメラだけでなくフィルムカメラも使っていますが, これで, TwitterやInstagramに投稿できますね.
たかし先生
60mmマクロを使ってみた感想
60mmという焦点距離は普段使いに絶妙で, 接写以外にも普段のスナップ写真でもバリバリ活躍してくれます.
噂されているとおり, AFは非常に高速ですが, マクロレンズ故によくピントが迷います. フォーカスリミッターがあると良かったな.
手ぶれ補正がないので夜のスナップはちと気を使いますが, Nikon DfはISO感度を上げてもノイズがほとんど目立たないのでなんとかなります.
ナノクリスタルコートが効いているのか, 屋外で逆行状態で撮影してもフレアで画面が真っ白になってしまうことはありませんでした.
開放では周辺減光が派手に出ますが, スナップ写真の場合はかえっていい方向に働くことが多いです.
60mmマクロ x Nikon Dfで撮影した写真
まずは近接撮影から. 今回は全部手持ちで撮影しましたが, 近接撮影はピントの位置と手ぶれに細心の注意を払う必要があり, 本来は三脚やリングライトなどを使うべきだと思います.
つづいてスナップ撮影も. 60mmという焦点距離が楽しかったのでたくさん撮りました.
ポートレート(?)でも, 服や肌の質感までクッキリと写しています.
背景のボケもなだらかで, 撮影直後, 背面液晶に写るプレビュー画像を見るたびに感動しました. 特に開放で撮影すると周辺減光が目立ちますが, ポートレート撮影ではかえっていい方向に働いたと思っています.
ちなみに, 私はこのマクロレンズには保護フィルターは装着していません.

おすすめのマクロレンズ
僕が購入した「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」は最初のマクロレンズとしておすすめです. 発売から10年以上経っており, 手ぶれ補正もありませんが非常にきれいに写ります.
ニコンのおすすめマクロレンズ AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ニコンのおすすめマクロレンズ AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
D5000系やD3000系のような, DXフォーマット(APS-C)のカメラの場合は「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」のほうが使いやすいと思います.
キャノンのおすすめマクロレンズ EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM
CanonのEOS KissのようなAPS-Cカメラには「EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM」がおすすめ. このレンズは先端にLEDライトが内蔵されているユニークなレンズです.
キャノンのおすすめマクロレンズ EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
EOS KissMのようなEF-Mマウントなら, 「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」があります.
ニコンのおすすめマクロレンズ SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD
90mmの中望遠マクロなら, タムロンの「SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD」が有名で, 接写はもちろんポートレートや風景写真にも使えます.
ニコンのおすすめマクロレンズ AI AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED
200mm前後の望遠マクロは人気がないのか, NikonもCanonも古い設計のレンズです.
マクロレンズの人気売れ筋ランキングもチェック
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まとめ
普段見慣れた風景でも, マクロレンズを持っていけば非日常的な写真が撮れるようになります. 写真撮るのに慣れてきて, 何を撮ればいいのかわからない……というときには, マクロレンズを使ってみるのも手だと思います.