突然パソコンのOSが立ち上がらなくなり、BIOSでチェックしてみたら内蔵HDDを認識していない。こんな症状が起きた場合、HDDに重大なトラブルが起きているかもしれません。
原因によってはHDDの修理や交換が必要です。HDD内に大事なデータや画像を保存している方は、HDD内のデータを取り戻す方法も検討する必要があるでしょう。
そこで今回は、Picky’s編集部が「BIOSでHDDを認識しなくなった原因と対処方法」について解説します。さらに記事では、認識しなくなったHDDからデータを復元してくれるデータ復旧業者の選び方やおすすめの業者も紹介します。
HDDトラブルでBIOSチェックまではできたものの、その先の対処法がわからない方はこの記事をチェックしてください。
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目次
BIOSがHDDを認識しない主な2つの原因
BIOS(UEFI)がHDDを突然認識しなくなる原因はさまざまですが、特に多い原因は以下の2つです。
- HDDとマザーボードを繋ぐ電源ケーブル(SATAケーブル)の接触不良や断線
- HDD自体に重大なトラブルが起きている
以下で個別に解説します。
HDDとマザーボードを繋ぐ電源ケーブルの接触不良や断線
単純な原因としては、パソコン内部にあるマザーボードとHDDを接続しているケーブルが抜けていたり、劣化や不良で断線している可能性です。
マザーボードはパソコンの制御を司る重要なパーツで、HDDや各種パーツとケーブルで接続されています。ケーブルが外れたり、断線・接触不良を起こしているとBIOSがHDDを認識しなくなります。
内蔵HDDではあまり起こらないトラブルですが、可能性は0ではないため一応頭の中に入れておきましょう。自作PCにあとからHDDを増設したケースや、外付けHDDではよく起こります。
Picky’sでは、マザーボードについて以下の記事で詳しく解説しています。パソコンパーツの名称や役割について知りたい方は以下の記事もぜひチェックして下さい。
関連記事:もう悩まない!マザーボードおすすめ20選|失敗しないマザボの選び方を元店員が徹底解説
HDD自体に重大なトラブルが起きている
BIOSがHDDを認識しなくなったとき、主な原因として考えられるのがHDD自体の故障・トラブルです。HDDが正常に機能しなくなり、BIOSが認識しなくなった可能性が高いでしょう。HDDトラブルは、内部データのトラブル「論理障害」と、物理的なトラブル「物理の障害」の2種類に分けられます。
最終的にデータ復旧業者に依頼する際、論理障害と物理障害では費用や復旧の確率が大きく異なります。そのため、なんとなくでもいいので論理障害と物理障害の違いを知っておきましょう。
論理障害:HDD内部のデータやシステムに起きた論理的な異常
- HDD内のシステムファイルやデータにエラーが起きた
- 誤ってデータやシステムファイルを消した
- 誤ってHDDをフォーマット(初期化)してしまった
論理障害とは、HDD自体に問題はないものの内部のデータに異常が起きた状態です。論理障害が起きると、「OSが立ち上がらない」「エラーメッセージが出る」「ブルースクリーンになる」症状が出ます。BIOSに認識されない症状が発生する可能性もあります。
論理障害が起きる原因としては、原因不明なケースのほか、「アップデート中に電源を切ってしまった」「間違って大事なシステムファイルを消した」などの人為的なミスも多いようです。
編集部
物理障害:HDDのパーツの破損・摩耗・経年劣化の物理的な破損が起きている
- HDDパーツの劣化・破損・故障
- 静電気や落雷による過電流・ショート
物理障害は、HDDのパーツに破損や劣化が起きて正常に動作しなくなった状態です。物理障害が起きると「HDDから異音・異臭がする」「フリーズする」「BIOSで認識されない」症状が発生します。
物理障害が起こる原因は「落下・水没させた」「経年劣化」「高温多湿による劣化」「静電気・落雷」と物理的なダメージに起因するものが多いです。
物理障害が起きた場合、中のデータを復元するには専門のデータ復旧業者に依頼し、データを復元してもらうしかありません。費用も高額になるケースが多いです。
編集部
BIOSがHDDを認識しないときの対処方法
BIOSでHDDが認識されないときの対処方法について解説します。
ケーブルの接続を確認したり、交換してみる
ある程度パソコンの知識があり、パソコンの中を開けて確認できる方はHDDとマザーボードを接続しているケーブルをチェックしてみてください。HDDに破損や異音がないかどうかも同時にチェックするといいでしょう。もし、予備のケーブルがあればケーブルを交換してみる方法もあります。
ただ、ケーブルトラブルの可能性は高くなく、またパソコンを開けたことでより事態が悪化する可能性もあります。自信がない方はトラブルが起きたらすぐに修理業者やデータ復旧業者に依頼しましょう。
メーカーやパソコン修理業者に修理を依頼する
一番簡単な対処方法は、パソコン修理業者やメーカーに修理依頼をすることです。修理や交換を依頼すれば、元通りパソコンが使えるようになるでしょう。また、保証期間内であれば、無料で修理やHDDの交換をしてもらえる可能性もあります。
ただし、修理や交換を行うとHDD内のデータはほぼ確実に失われます。修理や交換は、あくまでも「パソコンやHDDを使える状態に戻す」であって「データ復旧は対象外」です。
パソコンの中にさほど重要なデータがなく、新品状態になってしまっても特に影響がない方は以下の記事も参考にしながらメーカーや業者に修理を依頼してください。
関連記事:全国対応!元店員がパソコン修理おすすめ店舗を解説|メーカーや家電量販店も要チェック!
データを取り戻したい場合は、データ復旧業者への依頼がおすすめ
パソコンの中に重要なデータが入っていて、どうしても取り戻したい場合は「データ復旧業者」を利用しましょう。データ復旧業者は、論理障害・物理障害問わず、自分ではどうしようもない状態のHDDやSSDから、データを救い出して復元できる専門業者です。また業者によっては水没した「超重症」のHDDからもデータを救い出せます。
ただし、症状と記憶媒体のデータ容量によっては数万円~数十万円の費用がかかるケースもあり、決して手軽な方法ではありません。それでもHDDから大事なデータを確実に取り戻したい場合は、データ復旧業者に依頼しましょう。
編集部
【絶対NG】BIOSがHDDを認識しないときにやっていけない行動
BIOSがHDDを認識しなくなった際に、以下の行動はやってはいけません。最悪の場合、データが完全に失われます。
- 通電し続ける
- 電源のON/OFFを繰り返す
- データ復旧ソフトを試す
- フォーマット・初期化を行う
特に、データ復旧業者に依頼してデータを確実に取り戻したい場合は、絶対に上記の行動をやってはいけません。できればHDDをBIOSが認識しなくなった時点ですぐに電源を落とし、データ復旧業者に依頼するのがベストです。
余計な操作をしない理由ですが、HDDやSSDはデータにアクセスできなくなっても、内部にデータがそのまま残っている可能性があります。もし消えてしまっていたとしても、HDDの奥底にデータの残骸が残っていればデータ復旧業者で復元できる可能性が残っています。
ですが、パソコンやHDDの電源をON/OFFしたり、通電し続けていろいろといじってしまうと内部のデータに負荷がかかります。内部のデータに負荷がかかると、データ復元できる可能性がどんどん下がっていきます。
そのため、トラブルが起きた記憶媒体からデータを取り戻したい場合は余計な操作や設定は一切しないでください。
また、安価でデータを復元できる「データ復旧ソフト」というソフトウェアもありますが、今回のような「BIOSがHDDを認識していない症状」の場合、データ復旧ソフトによるデータ復旧は非常に難しいです。データ復旧ソフトを試すだけでもデータの復旧確率が下がってしまうため、データを復元したい場合は素直にデータ復旧業者に依頼しましょう。
編集部
データ復旧業者の選び方
BIOSが認識しなくなったHDD内のデータを取り戻すには、「データ復旧業者に依頼する」のが一番です。ここでは、データ復旧業者の選び方について解説します。
- 技術力が高く、実績が豊富な業者を選ぶ
- 料金が明確で、細かく説明してくれる業者を選ぶ
- 成功報酬制の業者がおすすめ
データ復旧技術の高さは、口コミや復旧実績をチェックして確認しよう
データ復旧業者を選ぶ際、一番重要なポイントが「データ復旧技術力の高い、実績の豊富な業者に依頼する」です。HDDのデータ復旧自体はそこまで難易度の高い作業ではないものの、やはり業者ごとに技術力の差が出てきます。
業者によって「復旧できる確率」はもちろん、「復元できるデータの割合」も変わります。せっかく高い費用を払って作業してもらうのであれば、技術力の高い業者に依頼して確実にデータを取り戻してもらうべきです。
技術力の高さは、口コミや各業者の公式ウェブサイトの復旧実績をチェックすればある程度判断できます。また、長年データ復旧に携わっている大手や老舗の業者を選べば、一定水準以上の技術力はあるとみていいでしょう。
料金の相談を親身にのってくれる業者を選ぼう
技術力のほかに、料金について明確な説明があるかどうかもチェックしてください。ごく一部ではありますが、データ復旧業者の中には「安い料金を提示しておいて、後から高額な費用を請求する」悪質な業者もいます。
料金については、最初の相談の時点でしっかりと説明をしてもらい、場合によっては通話やメールの記録をしておきましょう。料金に関して詳しい説明を避ける、またはしっかりと説明をしてくれない業者は論外です。
ただし、多くのデータ復旧業者では、「実際にHDDを開けて症状を診断した後に見積もり料金が確定する」システムになっています。そのため、最初の電話やメールでの相談時に正確な見積もりを出すのは難しい点は理解しておいてください。それでも良心的な業者であれば、ある程度ギャップの無いよう料金についても詳しい説明をしてくれるはずです。
編集部
BIOSに認識されないHDDからデータ復旧が可能なおすすめ業者比較一覧表
商品 | 公式サイト | 運営会社 | 設立年 | 所在地 | 電話番号 | 営業時間 | 復旧費用(HDD) | 完全成功報酬制 | |
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アドバンスデザイン | 公式サイト | アドバンスデザイン株式会社 | 1995年 | 東京都千代田区 | 0120ー290ー189 | 平日9:00~17:30 | 33,000円~ | 〇 | |
ライブデータ データ復旧サービス | 公式サイト | 株式会社LIVEDATA | 2006年 | 東京都千代田区 | 0120-895-960 | 平日9:00~22:00 | 44,000円~ | 〇 | |
デジタルデータリカバリー | 公式サイト | デジタルデータソリューション株式会社 | 1999年 | 東京都港区 | 0800-333-2009 | 24時間 | 5,000円~ | 〇 | |
Win-Get(ウィンゲット) | 公式サイト | 株式会社リプラス | 1999年 | 愛知県名古屋市 | 0120-703-845 | 24時間 | 20,320円~ | 〇 |
BIOSに認識されないHDDからデータ復旧が可能なおすすめ業者4選
日本データ復旧協会常加入企業で安心して依頼できる復旧業者
アドバンスデザインは、日本データ復旧協会(DRAJ)の加入企業、常任理事企業で日本のデータ復旧業界をけん引しているデータ復旧業者です。
日本データ復旧協会は、「データ復旧業界の健全化」を目指している団体です。データ復旧業者の中には悪質なデータ復旧業者もいるため、不当な請求を受けないようアドバンスデザインのようなDRAJに加入している業者に依頼しましょう。
もちろんアドバンスデザインは技術力も業界トップクラス。どんな状態のHDDからでも高い確率でデータを復元してくれます。RAIDやNASを利用している法人実績も豊富なため、個人だけではなく法人にもおすすめです。
運営会社 | アドバンスデザイン株式会社 |
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設立年 | 1995年 |
所在地 | 東京都千代田区 |
電話番号 | 0120ー290ー189 |
営業時間 | 平日9:00~17:30 |
復旧費用(HDD) | 33,000円~ |
完全成功報酬制 | 〇 |
東京秋葉原でデータ復旧を依頼するならライブデータがおすすめ
ライブデータは、東京秋葉原の駅前にあるデータ復旧業者です。他の大手と異なり営業所の数は少ないものの、小規模だからこそ依頼者の細かい悩みに寄り添ってくれます。
また、ライブデータ公式ウェブサイトでは、データ復旧に関するさまざまな情報を発信しており、HDDが認識されない症状と対処法についても書かれています。もちろんパソコンが起動しない、もしくはBIOSがHDDを認識しない症状のデータ復旧も可能です。
持ち込みも可能なため、東京近郊で1日でも早くデータ復旧をしたい方は、ライブデータに依頼してみてはいかがでしょうか。
運営会社 | 株式会社LIVEDATA |
---|---|
設立年 | 2006年 |
所在地 | 東京都千代田区 |
電話番号 | 0120-895-960 |
営業時間 | 平日9:00~22:00 |
復旧費用(HDD) | 44,000円~ |
完全成功報酬制 | 〇 |
データ復旧の実績やノウハウ豊富な老舗業者
デジタルデータリカバリーは、1999年にサービスを開始したデータ復旧業界の中でも老舗企業です。そのため、長年蓄積してきた膨大なノウハウや技術力を持ち、あらゆる症状、あらゆる記憶媒体のデータ復旧に対応しています。
もちろんBIOSに認識されないHDDやSSDのデータ復旧も可能です。高い技術力で、大事なデータを取り戻してくれるでしょう。復旧費用は容量や症状によって異なりますが、500GB以下のデータなら特に安価で対応可能です。安心できる大手に依頼したい方はデジタルデータリカバリーがおすすめ。
他社で断られた症状でも相談に乗ってくれるそうですので、他社で断られても諦めずにデジタルデータリカバリーに相談してみて下さい。
運営会社 | デジタルデータソリューション株式会社 |
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設立年 | 1999年 |
所在地 | 東京都港区 |
電話番号 | 0800-333-2009 |
営業時間 | 24時間 |
復旧費用(HDD) | 5,000円~ |
完全成功報酬制 | 〇 |
全国各地にサービス拠点を持つデータ復旧業者大手
ウィンゲットは、北海道から沖縄まで全国に数百ヶ所もの拠点を持つ全国ネットのデータ復旧業者です。
BIOSに認識されないHDDからのデータ復旧実績も豊富で、料金は軽度の症状であれば20,320円からと格安。成功報酬制で、データが復旧しなかった場合は料金がかかりません。
技術力の高さはもちろん、プライバシーマークを取得しているためセキュリティも万全。目立った特徴はないものの、実直で安心してデータ復旧を依頼できる業者です。
地方に住んでいて近くにデータ復旧業者がない方は、全国対応のウィンゲットに相談してみてはいかがでしょうか。
運営会社 | 株式会社リプラス |
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設立年 | 1999年 |
所在地 | 愛知県名古屋市 |
電話番号 | 0120-703-845 |
営業時間 | 24時間 |
復旧費用(HDD) | 20,320円~ |
完全成功報酬制 | 〇 |
HDDがBIOSで認識されなくなったら、修理・交換かデータ復旧で対処する
HDDがBIOSで認識しなくなった場合、HDD自体に重大なトラブルが起きている可能性が高いです。対処としては「修理・交換」がほとんどでしょう。ただ、修理や交換をした場合HDD内のデータが失われてしまうため、HDDの中に大事なデータを保存している方はデータ復旧を依頼しましょう。
- BIOSがHDDを認識しない症状が出たら事態は深刻
- データが消えても構わない場合はHDDやパソコンを修理・交換する
- データを取り戻したい場合はデータ復旧業者に依頼する
状況や予算、中のデータの重要度に合わせて対処方法を決めてください。データ復旧業者に依頼する際は、症状を細かく伝えられれば事前にある程度正確な見積もりを確認できます。
Picky’sでは、データ復旧に関する記事を多数執筆しています。HDDやSSDのトラブルで悩んでいる方や、もしくは万が一に備えてデータ復旧について知っておきたい方は以下の記事もぜひチェックしてください。
関連記事:【フリーソフトも】HDD復元おすすめ19選!ハードディスクのデータ復旧業者も紹介